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【第III部 開始】異世界の侯爵家に招かれた元SEの私、手のひらサイズの語り箱と秘密だらけの屋敷で溺愛されています  作者: プロンプト時雨
第II部: 調査と成長

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第64話: 試練と時間への焦り

地下研究所の空気は、朝から張り詰めていた。昨日の修復作業で消耗した魔力がまだ体に残っている。私は深呼吸し、ことりを手に取った。


> 今日の修復作業、魔力配分は大丈夫でしょうか?

【ことり】

*************

確率: 74%

現時点の魔力残量で作業は可能ですが、長時間の連続作業は控えた方が安全です。適度な休息を挟むことを推奨します。

*************

[魔力: 27/115] (-10)


ことりの助言に頷き、私は仲間たちのもとへ向かった。フィリップスさんは古文書を広げ、セレスティアは魔法陣の周囲に補助陣を描いている。メイド長は道具の点検を終え、私に微笑みかけた。


「エリアナさん、準備は万端です。無理はなさらずに」


「ありがとう、メイド長。みんな、今日もよろしくお願いします」


私は全体の進行を確認し、作業を開始する合図を出した。


---


修復作業が始まると、空気が一層緊張感を帯びる。私は魔法陣の欠損部分に手をかざし、魔力を集中させた。フィリップスさんが指示を出し、セレスティアが魔力の流れを補助する。


「エリアナ、魔力の流れが少し不安定だ。もう少し出力を抑えて」


「分かりました……」


私は魔力の出力を微調整し、慎重に修復魔法を発動する。


(ここで失敗は許されない。みんなの信頼に応えなきゃ)


魔法陣が淡く光り始め、欠損部分が徐々に修復されていく。汗が額を伝うが、集中を切らさないように意識を保つ。


「順調です。あと少し……」


---


その時、魔法陣の一部が突然激しく明滅した。空気がざわめき、魔力の流れが暴走しかけているのを感じる。


「危ない!」


私は咄嗟に緊急停止の呪文を唱えた。魔力が一気に消耗し、膝が震える。


【魔法使用】

(緊急停止スキル発動、魔力-20)


「大丈夫か、エリアナ!」

侯爵が駆け寄り、私の肩を支えてくれる。


「……はい、何とか制御できました」


フィリップスさんが魔法陣を確認し、セレスティアが補助陣を再調整する。


「危なかったけど、エリアナの判断が早かったおかげで助かったわ」


私は安堵の息をつき、ことりに小声で話しかける。


> 今の対応、間違っていませんでしたか?

【ことり】

*************

確率: 87%

適切な判断でした。緊急停止スキルの発動により、被害を最小限に抑えられました。

*************

[魔力: 7/115] (-10)


(ことりの言葉に救われる……でも、魔力がほとんど残っていない)


---


作業は一時中断となり、私たちは休憩スペースに集まった。温かいお茶とパンが用意され、皆が静かに息を整える。


「エリアナさん、本当に無理しないでくださいね」

メイド長が優しく声をかけてくれる。


「ありがとう……みんながいてくれるから、私は頑張れる」


侯爵が私の隣に座り、そっと励ましてくれる。「焦らなくていい。君のペースで進めばいい」


私はその言葉に心が温かくなり、自然と微笑みがこぼれた。


---


休憩後、フィリップスさんが次の修復ステップについて説明を始める。


「次は魔法陣の外周部の補強です。エリアナさんの魔力が回復するまで、準備を進めておきます」


「ありがとうございます。少し休んだら、また頑張ります」


私は深呼吸し、ことりをそっと撫でた。


(時間は限られているけれど、焦らず一歩ずつ進もう。みんなと一緒なら、きっと乗り越えられる)

**次回予告**

「第65話 迫るタイムリミット」

修復作業の難易度がさらに上がり、エリアナたちに新たな試練が訪れる。


第65話は本日17時公開予定です。いつもと時間が違うのでご注意ください。

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