第62話: 魔法陣の修復計画
書斎の大きな机の上に、魔法陣の写しと資料がずらりと並ぶ。私は深呼吸し、仲間たちを見渡した。フィリップスさん、マーガレットさん、セレスティアさん——皆が真剣な表情で集まっている。
「それでは、魔法陣の修復計画を始めましょう」
私の声が静かに響くと、全員が頷いた。緊張と期待が入り混じる空気の中、私は自分の手が少し震えているのに気づく。
フィリップスさんが魔法陣の欠けた部分を指し示し、技術的なアプローチを提案する。「この部分は特殊な合金で補強する必要があります。古代の設計図を参考に、魔力の流れを安定させる細工を施しましょう」
私はメモを取りながら、細かい手順を確認する。「合金の調合はどのくらい時間がかかりますか?」
「材料が揃えば一日で可能です。ただ、精度が重要なので慎重に進めましょう」
セレスティアさんが手元のノートをめくりながら説明を加える。「魔力供給は私が担当します。修復中に魔力が途切れないよう、補助陣を同時に展開します。エリアナ、あなたの魔力制御も必要になるわ」
「分かりました。私も全力でサポートします」
マーガレットさんがメモを取りながら頷く。「必要な材料と道具は私が手配します。希少な鉱石も、知り合いの商人に当たってみます」
私は全体の進行を管理する役割を引き受け、ことりと共に計画を整理した。
「みんな、ありがとう。私が全体の進行と安全管理を担当します。何かあればすぐに知らせてください」
フィリップスさんが微笑む。「エリアナさんがリーダーなら、きっと大丈夫です」
セレスティアさんも「あなたの判断力は信頼できる」と力強く言ってくれる。
私は仲間たちの信頼に応えたいと、心の中で強く誓った。
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屋敷内の作業場に移動し、各自が自分の役割を確認する。フィリップスさんとセレスティアさんは設計図を広げ、修復の具体的な手順を議論している。
「この回路は複雑だな……でも、二人ならきっと大丈夫だ」
私はことりを手に取り、進捗と魔力消費を確認する。
> 修復作業の進捗と魔力消費を教えてください。
【ことり】
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確率: 81%
現在の進捗は計画通りです。魔力消費は予想範囲内ですが、長時間作業には注意が必要です。
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[魔力: 90/115] (-10)
ことりの表示を見て、私は少し安心した。マーガレットさんが道具を並べながら声をかけてくる。「必要なものはすべて揃えました。何か足りないものがあれば、すぐに言ってください」
「ありがとうございます、マーガレットさん。皆さんのおかげで、順調に進みそうです」
フィリップスさんが合金の調合を始め、セレスティアさんは魔力の流れを調整するための補助陣を描き始めた。私は二人の様子を見守りながら、ことりと進捗を逐一確認する。
(みんながそれぞれの役割を全うしてくれるから、私は全体を信じて任せられる。これがチームワークなんだ)
作業の合間、私はことりに小声で話しかけた。「ことり、もし何か異常があったらすぐ教えてね」
【ことり】
*************
異常が検知された場合、即座に通知します。
皆さんの連携が順調なので、成功確率は高いです。
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私はことりの言葉に背中を押される思いがした。
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作業が一段落した頃、私たちは食堂に集まった。テーブルには温かいスープと焼きたてのパン、季節の果物が並び、和やかな雰囲気が広がる。
「こうして皆で食事をするの、久しぶりですね」
私がそう言うと、フィリップスさんが冗談めかして笑う。「エリアナさんがリーダーだと、何だか安心できます」
セレスティアさんも微笑み、「あなたの指示は的確だから、私も頑張れる」と言ってくれる。
マーガレットさんが「これならうまくいく」と力強く励ましてくれた。
私は仲間たちの言葉に胸が熱くなり、自然と感謝の気持ちがこみ上げてきた。
「本当に、みんなありがとう。私一人じゃ絶対にできなかった。これからも、よろしくお願いします」
皆が笑顔で頷き、温かな空気に包まれる。
食事の後、私はことりを手に取り、そっと呟いた。「みんなと一緒なら、きっと乗り越えられるよね」
【ことり】
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はい。皆さんの力を合わせれば、困難も乗り越えられます。
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私はことりの言葉に微笑み、明日からの本格的な作業に向けて心を整えた。
**次回予告**
地下研究所での大規模な修復作業が始まり、エリアナがチームを率いて取り組む場面へ。
第63話「作業開始」をお楽しみに!




