表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第III部 開始】異世界の侯爵家に招かれた元SEの私、手のひらサイズの語り箱と秘密だらけの屋敷で溺愛されています  作者: プロンプト時雨
第II部: 調査と成長

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/82

第61話: 必要なもの

夢の中、私は白い霧の中をさまよっていた。遠くから誰かの声が聞こえる。「……愛の誓いを……」

その言葉が、心の奥に静かに染み込んでいく。ぼんやりとした光景の中、私は誰かの手を取ろうとしていた。けれど、その手はすぐに霧に溶けて消えてしまう。


「待って……」


目が覚めると、朝の光がカーテン越しに差し込んでいた。胸の奥に残る温もりと、消えかけた声の余韻。私はしばらく天井を見つめ、夢の内容を思い出そうとした。


(あの声は……誰だったんだろう。愛の誓い……?)


ベッドから起き上がり、窓辺に立つ。外はまだ静かで、庭の草花が朝露に濡れている。私は深呼吸し、心を落ち着けた。


(呪いを解くために、何が必要なのか。私にできることは……)


---


書斎に移動し、机の上に資料を広げる。昨夜まとめたメモを見返しながら、私はことりを手に取った。淡い青色の光が、私の指先を優しく照らす。


「ことり、もう一度確認したいの。呪いを解くための条件……全部、教えて」


> 呪いを解くために必要な条件は何ですか?

【ことり】

*************

確率: 74%

三つの条件が必要です。

「完全な魔法陣」「純粋な愛の誓い」「転生者の魂の力」が揃うことで、呪い解除が可能となります。

*************

[魔力: 71/115] (-10)


ことりの文字が浮かび上がるのを見て、私は小さく息を吐いた。


「純粋な愛の誓い……」


その言葉を口にした瞬間、胸の奥が熱くなる。侯爵様のことを思い浮かべると、心臓が早鐘のように打ち始めた。


(私が本当に望んでいることは……何? 侯爵様のそばにいたい、守りたい。けれど、それだけじゃない。私自身の気持ちを、ちゃんと見つめなきゃ)


私は自分の胸に手を当て、そっと目を閉じた。前世の記憶、今の自分、そして侯爵様への想い。すべてが絡み合い、答えを探している。


「……私、どうしたいんだろう」


顔が熱くなり、思わず窓の外に目を向ける。庭で遊ぶ小鳥たちの姿が、少しだけ心を和ませてくれた。


---


昼下がり、私は庭に出た。リリーがベンチに座って本を読んでいる。フィリップスさんは花壇の手入れをしていて、侯爵様は遠くからこちらを見守っているようだった。


「エリアナ、こっちに来て!」


リリーが手を振る。私は微笑んで隣に座った。


「最近、顔色がいいね。何かいいことあった?」


「ううん、みんなと一緒にいると安心するからかな」


リリーは私の手をそっと握る。「無理しないでね。何かあったら、すぐ相談して」


「ありがとう、リリー。あなたがいてくれて本当に良かった」


フィリップスさんが花壇から顔を上げて、にこやかに声をかけてくる。「エリアナさん、今度新しい花を植えようと思うんです。手伝ってもらえますか?」


「もちろんです。お花の世話、好きなんです」


侯爵様がゆっくりと歩み寄ってきた。「皆で過ごす時間は、何よりの癒しだね」


私はその言葉に、心が温かくなるのを感じた。


「……私、もっと強くなりたい。みんなを守れるように」


侯爵様が優しく微笑む。「君はもう十分強いよ。でも、無理はしないで」


リリーとフィリップスさんも頷き、私は仲間たちの存在に改めて感謝した。


---


夕方、私は自室で新たな調査の準備を始める。机の上には、魔法陣の写しや呪いに関する資料が並んでいる。


(三つの条件……完全な魔法陣、純粋な愛の誓い、転生者の魂の力。どれも簡単じゃない。でも、私ならきっと……)


窓の外が夕焼け色に染まる。私は深呼吸し、決意を新たにした。


「絶対に、解き明かしてみせる」

**次回予告**

魔法陣の欠けた部分を修復する計画が立ち上がり、チームでの作業へと移行する展開へ。


第62話「魔法陣の修復計画」をお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ