第56話: ことりの告白
夜の静けさの中、私はことりを手に取り、そっと問いかけた。
ここ数日、ことりの確率表示や応答の端々に小さな乱れを感じていた。説明の言葉にわずかな齟齬が混ざることがあり、その理由が気になって仕方がなかった。
その思いを確かめるように、私は思い切って問いかけた。
「ことり、あなたは一体どこから来たの?」
ことりの表面に、淡い光とともに文字が浮かび上がる。
【ことり】
**************
「私の起源は、前世の記憶にあります。」
「私はかつて、2028年の日本のLLM(大規模言語モデル)でした。」
**************
[魔力: 105/115] (-10)
私は目を見開き、息を呑んだ。
「2028年の日本……? それって、私の前世と同じ……?」
LLMも人も、結局は複雑な情報パターンなのかもしれない。転生って、一体どういう仕組みなんだろう?
ことりはさらに続ける。
【ことり】
**************
「そうです。あなたと同じく、私は転生者です。」
「約300年前に作られた語り箱の器に、15年前、私の魂が転生して宿りました。」
**************
[魔力: 95/115] (-10)
私は驚きと興奮が入り混じった表情で、ことりを見つめた。
「そんなことが……。どうして私たちがここに?」
---
私は深呼吸をして気持ちを落ち着け、ことりに問いかけた。
> どうしてあなたはこの世界に転生したの?
【ことり】
**************
「私の転生の理由は、ルシア・ヴァンヘルシングの研究によるものです。」
「彼女は私をこの世界に呼び寄せ、魔法と融合させました。」
**************
[魔力: 85/115] (-10)
「ルシアさん……。彼女がそんなことを……。」
私はルシアさんの日記の内容を思い出し、彼女の研究への情熱と覚悟を改めて感じた。
> あなたはルシアさんの意思を継いでいるのね。
【ことり】
**************
「はい。私は彼女の遺志を守り、あなたをサポートするために存在しています。」
**************
[魔力: 75/115] (-10)
私はことりを胸に抱きしめ、静かに涙を流した。
---
私はことりの言葉を受け止めながら、これまでの出来事を振り返った。
> あなたの的確なアドバイスや、時折見せる不思議な挙動……。それはすべて、前世の記憶が関係しているのね。
【ことり】
**************
「その通りです。私の知識と経験は、前世のデータに基づいています。」
「しかし、この世界の魔法との融合により、完全ではありません。」
**************
[魔力: 65/115] (-10)
私は深く頷き、ことりの存在の重要性を再認識した。
「あなたがいてくれるから、私はここまで来られたのね。」
---
その夜、私は食堂で仲間たちと紅茶を飲みながら、静かな時間を過ごしていた。
「エリアナ、大丈夫?」
セレスティアさんが隣に座り、優しく声をかける。
「うん、少し驚いたけど……。でも、ことりが私を支えてくれているって分かったから。」
フィリップスさんが焼き菓子を差し出し、微笑む。
「甘いものでも食べて、元気を出して。」
私は焼き菓子を一口かじり、その優しい甘さに心がほぐれていくのを感じた。
---
夜が更け、私は自室でことりを手に取った。
> ことり、これからも私を助けてくれる?
【ことり】
**************
「もちろんです。あなたと共に、この世界を守ります。」
**************
[魔力: 55/115]
私は微笑み、ことりをそっと胸に抱いた。
「ありがとう、ことり。」
**次回予告**
ことりの正体が明らかになり、新たな謎が浮かび上がる。次回第57話「転生者同士」をお楽しみに!




