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【第III部 開始】異世界の侯爵家に招かれた元SEの私、手のひらサイズの語り箱と秘密だらけの屋敷で溺愛されています  作者: プロンプト時雨
第II部: 調査と成長

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第44話: 契約の謎

朝の柔らかな光が書斎の窓辺に差し込む。私は机に広げた古い契約書をじっと見つめていた。侯爵様とルシアさんの間に交わされたその契約は、ただの雇用や忠誠の証ではなく、深い愛と献身が込められていることが、文面から伝わってくる。


「この契約……普通のものじゃない。まるで、互いの魂を結びつけるような……」


指先で紙の端をなぞりながら、私はため息をついた。侯爵様は静かに私の隣に立ち、紫色の瞳で契約書を見下ろしている。その表情は、どこか悲しげで、遠い過去を思い出しているようだった。


「ルシアとの契約は、私にとって特別なものだった。だが……その想いが、呪いに変わってしまったのだ。」


侯爵様の声は低く、苦しみを隠しきれない。私は胸が締め付けられるのを感じた。愛が呪いに転じる――その重さを、今初めて実感した。


「どうして、そんなことに……」


問いかける私に、侯爵様は静かに首を振る。


「契約の詳細は、まだ全て明らかになっていない。だが、私の過ちが原因なのかもしれない。」


私は契約書の文字を追いながら、侯爵様の心の痛みに寄り添いたいと思った。


---


契約書の解読は思った以上に難航した。古代語の難解な表現や、魔法的な符号が随所に散りばめられている。私は何度もページをめくり、侯爵様と意見を交わしながら、少しずつ真相に近づいていく。


「この部分……“魂の誓約”と書かれているわ。普通の契約とは違う、もっと深い意味があるみたい。」


侯爵様は静かに頷き、指で契約書の一節を示す。

「ここに“献身の証”とある。ルシアは私に全てを捧げた。その想いが、契約の力を強めたのだろう。」


私はふと、ことりに相談したくなった。机の隅に置かれた小さな語り箱に手を伸ばす。


> 契約の呪い解除方法は?

***************

【ことり】

契約の呪い解除方法について、現在の情報から推定します。

成功確率:38%

「愛と献身が呪いの根源となっている可能性が高いです。解除には、契約者双方の真意が必要です。」

***************

[魔力: 69/110 (-10)]


ことりの答えは曖昧で、完璧な解決策は示されない。それでも、私は新たな手がかりを得た気がした。


「やっぱり、私たち自身の気持ちが鍵になるのかも……」


侯爵様は私の言葉に静かに目を細める。

「君の直感は、時に私よりも鋭い。」


私は契約書の文字を追いながら、少しずつ心が前向きになっていくのを感じた。


---


契約書の最後のページに、見慣れない魔法陣の図が描かれていた。私は息を呑み、侯爵様と顔を見合わせる。


「この魔法陣……何かを封じているように見えるわ。」


侯爵様は眉をひそめ、慎重に図を指さす。

「これは、契約の核心だ。ルシアの魂と私の魂が、互いに縛り合う仕組みになっている。」


私は魔力を集中し、魔法陣に手をかざした。淡い光が指先から広がり、契約書の文字が浮かび上がる。


[魔力: 44/110 (-25)]


「……解除の条件が、ここに隠されているかもしれない。」


魔法の力で浮かび上がった文字には、“真実の告白”と“互いの赦し”という言葉が記されていた。


「赦し……それが呪いを解く鍵なの?」


侯爵様は苦しげに目を伏せる。「私がルシアに与えた痛みを、彼女が赦すこと。それができれば、契約は呪いから解放されるのかもしれない。」


私はその言葉の重さに、胸が締め付けられる。


「私も、誰かを赦すことができるだろうか……」


契約の核心に触れた瞬間、私の中で何かが変わり始めていた。


---


契約調査の緊張が続いた後、私は侯爵様と一緒にサロンで紅茶を飲むことにした。窓の外には穏やかな陽射しが広がり、心が少しずつ落ち着いていく。


「今日は、随分と疲れたでしょう。」


侯爵様が優しく声をかけてくれる。その言葉に、私はふっと肩の力が抜けた。


「でも、あなたが隣にいてくれるから、頑張れる気がする。」


侯爵様は微笑み、私の手をそっと取る。その温もりに、胸がじんわりと熱くなる。


「エリアナ、君の存在が私の支えだ。」


私は照れくさくなりながらも、素直に嬉しさを感じた。


ことりにも、心の整理を相談してみる。


> 心の安定について知りたい

***************

【ことり】

心の安定について、現在の状況から推定します。

成功確率:41%

「安心できる時間を大切にしてください。心の癒しが、次の一歩につながります。」

***************

[魔力: 34/110 (-10)]


紅茶の香り、侯爵様の手の温もり、ことりの優しい声――五感すべてが、私を癒してくれる。


---


夜、書斎で一人契約書を見つめながら、私は今日の出来事を振り返る。


「赦し――それが本当に呪いを解く鍵なのかもしれない。」


心の奥に、まだ答えの出ない問いが残る。けれど、侯爵様と共に歩む道が、少しずつ明るくなっていく気がした。


「明日も、真実に近づくために進もう。」


窓の外には静かな夜が広がり、私は新たな決意を胸に、契約書をそっと閉じた。

**次回予告**

契約の真相を追い、ルシアの過去に迫る。新たな謎と試練が主人公たちを待ち受ける――第45話「危機の予兆と監視者の正体」をお楽しみに!


【作者より感謝とお願い】

おかげさまで、本作が**「異世界〔恋愛〕日間ランキング」にて181位**にランクインしました!

読んでくださる皆様の応援のおかげです。本当にありがとうございます。

あと一歩で、より多くの方の目に触れる「100位圏内」が見えてきました。

もし「続きが気になる」「設定が面白い」と思っていただけましたら、下方の**【ブックマークに追加】や【評価】**で応援いただけると、執筆の大きな励みになります!

皆様の力で、エリアナをさらに遠くへ連れて行っていただけたら嬉しいです。

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