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【第III部 開始】異世界の侯爵家に招かれた元SEの私、手のひらサイズの語り箱と秘密だらけの屋敷で溺愛されています  作者: プロンプト時雨
第I部: 到着と発見

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第28話: 呪いの魔法陣構造の理解

侯爵様は、私を地下研究所ではなく書斎へ呼んだ。


いつもより窓が閉められていて、音が吸われるみたいに静かだった。


「エリアナさん。……話すべきことがあります」


胸が跳ねる。


言いかけて止まった“時期ではない”の続きかと思ってしまい、恥ずかしくて息が乱れた。



侯爵様は机の引き出しから、一枚の古い羊皮紙を取り出した。


複雑に絡み合った線。幾重にも重なる円環。


「これは……呪いの魔法陣です」


「呪い……」


言葉の重さに、喉が乾く。


侯爵様は淡々と続けた。


「ルシアが死んだ夜、私はこの呪いを受けました」


「外見年齢が止まり、時間に縛られる」


私は息を呑んだ。


ずっと不思議だった。侯爵様の、年齢に似合わない静けさ。時々見える、長い孤独。


それが“時間の縛り”だったなんて。



「呪いも魔法陣の一種です」


侯爵様が羊皮紙を指でなぞる。


「ただし、複雑な多層構造で……解除条件を隠すように組まれている」


私は前に身を乗り出した。


「この輪……回り続けています」


「ええ。魔力フローが同じ経路を巡る。終点がない」


無限ループ。


前世で、私は何度も見た。


条件式が抜けていたり、例外処理がなかったり、出口が塞がれていたり。


「それに、ここ」


私は重なった線の結節点を指した。


「互いに待ち合ってるみたい。……デッドロックに似てます」


侯爵様が驚いた顔をする。


「デッドロック」


「複数の処理が、互いの資源を待って止まる状態です。動かないのに、解けない」


「……なるほど」


侯爵様の目が、少しだけ光った。


「君の言葉は、呪いを“理解できる形”にしてくれる」


私は羊皮紙の上で、出口条件の場所を探す。


ループ脱出条件。


解除の鍵。


「必要なのは、出口です」


言い切った瞬間、胸の奥で何かが広がった。



その夜、部屋に戻ると、ことりが淡く光った。


【ことり】

*************

確率: 78%


解析結果:呪い魔法陣は多層ループ構造。

脱出条件の探索が必要です。


進行に伴い、魔力上限が拡張されました。

[魔力上限: 100]


スキル成長:魔法陣解析Lv.3

*************

[魔力: 100/100]


私は画面――じゃない、箱の表面に浮かぶ文字を見つめた。


「……百?」


数字が信じられない。


この屋敷に来たばかりの頃、私は“足りない”ばかりだったのに。


でも、成長している実感がある。怖くても、学んできた。前世の知識も、この世界の魔法も、混ぜ合わせて。


私はペンダントを握りしめ、深く息を吸った。


「出口を見つけます」


それは、侯爵様の時間を動かすため。

**次回予告**

私は侯爵様の呪いを解くことを、はっきりと決意する。「あなたを救いたい」と告げたとき、侯爵様は驚き、そして優しく微笑む。ことりも協力を約束し、三者の絆が確かな形になる。


評価やブックマーク、本当に励みになります!ありがとうございます!


第29話「決意と絆」もお楽しみに!

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