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異世界の侯爵家に招かれた元SEの私、手のひらサイズの語り箱と秘密だらけの屋敷で溺愛されています  作者: プロンプト時雨
第IV部: 暗転と再起

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第126話: 愛の誓いの準備

朝の書斎は静かだった。窓から差し込む光が本棚を照らし、埃の粒がきらきらと舞っている。私はアレクサンダー様と向かい合い、ことりを掌に乗せていた。


「“純粋な愛の誓い”って、どうすればいいの?」


私の問いに、ことりが淡く光る。


*************

【ことり】

“形式よりも、心からの言葉が最も重要です”

“誓いの内容は、あなた自身の想いに委ねられます”

[魔力: 70/150]

*************


「つまり、決まった儀式や言葉じゃなくて……」


「君の本心が、何よりも力になる」

アレクサンダー様が静かに言う。その声に、私は胸の奥が熱くなった。


ことりが再び光る。


*************

【ことり】

“心拍数上昇を検知”

“心理的緊張度: 68%”

[魔力: 68/150]

*************


私は思わず視線を落とし、指先を組み合わせた。けれど、心のどこかで「伝えたい」という気持ちが膨らんでいくのを感じていた。


---


自室に戻ると、窓の外には朝の光が広がっていた。私はベッドの端に腰掛け、ことりを膝の上に置く。


「……私、本当に“愛の誓い”なんてできるのかな」


声に出すと、不安が胸の奥から溢れてくる。自分の気持ちを言葉にするのは、思ったよりずっと怖い。


ことりが淡く光る。


*************

【ことり】

“現在の成功率: 32%”

“ただし、心の準備が整えば確率は上昇します”

“あなたの本心が最も大切です”

[魔力: 65/150]

*************


「……私、怖いの。失敗したらどうしようって」


ことりはしばらく黙っていたが、やがて優しい文字を浮かべた。


*************

【ことり】

“あなたはこれまで、たくさんの困難を乗り越えてきました”

“自分を信じてください”

[魔力: 64/150]

*************


私はことりをそっと両手で包み、深呼吸した。掌の温もりが、少しだけ不安を和らげてくれる。


---


昼食の時間、私は食堂でリリーと向かい合って座っていた。彼女はにやりと笑い、私の顔をじっと覗き込む。


「ねえエリアナ、最近なんだか様子が変じゃない? もしかして、誰かに“愛の誓い”でも立てるつもり?」


「ち、違うよ! そんなこと……」


慌てて否定する私を、リリーはさらにからかうように身を乗り出す。


「ふーん? 顔が赤いよ? やっぱり図星なんだ!」


私は思わず手で頬を隠した。リリーの明るい笑い声が、食堂に響く。


「でもさ、エリアナが本気で誰かを想うなら、私は応援するよ」


リリーは急に真剣な表情になり、そっと私の手を握った。


「……ありがとう、リリー」


彼女の手の温かさに、胸の奥がじんわりと熱くなる。からかわれても、こうして支えてくれる友達がいることが、何より心強かった。


---


夕暮れが近づくと、私は静かな礼拝堂へと足を運んだ。高い天井と色鮮やかなステンドグラスが、神聖な空気を漂わせている。


私は祭壇の前に立ち、深呼吸を繰り返した。手のひらには、ことりがそっと乗っている。


「……ここで“愛の誓い”を立てるのね」


ことりが淡く光り、静かに文字を浮かべる。


*************

【ことり】

“現在の成功率: 41%”

“緊張を和らげるために、もう一度深呼吸しましょう”

[魔力: 63/150]

*************


私はことりの言葉に従い、ゆっくりと息を整える。心臓の鼓動が少しずつ落ち着いていく。


「大丈夫、きっとできる……」


祭壇の前で目を閉じると、これまでの出来事や、支えてくれた人たちの顔が浮かんだ。


「みんな、ありがとう」


私はそっと目を開け、誓いの言葉を心の中で繰り返した。


---


祭壇の前で、私はそっとことりを見つめた。心臓が高鳴る。


「ことり、準備はできたよ」


ことりが静かに光り、最後の助言をくれる。


*************

【ことり】

“現在の成功率: 48%”

“あなたの想いを、素直に伝えてください”

[魔力: 62/150]

*************


私は深く息を吸い、ゆっくりと誓いの言葉を口にした。


「私は――大切な人を守り、愛し続けることを誓います」


言葉を紡ぐたび、胸の奥が温かく満たされていく。ことりの光が優しく揺れ、私の決意を祝福してくれるようだった。


「……ありがとう、ことり。これからも、私のそばにいて」


ことりは静かに光りながら、肯定のメッセージを浮かべる。


*************

【ことり】

“誓いの儀式、完了しました”

“新たな未来が始まります”

[魔力: 61/150]

*************


私はそっと目を閉じ、これからの道を心に描いた。新たな一歩を踏み出す勇気が、静かに湧き上がってくる。

**次回予告**

ついに「純粋な愛の誓い」の儀式へ。エリアナの決意と、ことりの真実が明かされる。


第127話「誓いの儀式」をお楽しみに!


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