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【第III部 開始】異世界の侯爵家に招かれた元SEの私、手のひらサイズの語り箱と秘密だらけの屋敷で溺愛されています  作者: プロンプト時雨
第I部: 到着と発見

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第10話: 王都からの手紙と気づき

朝、ドアをノックする音で目を覚ました。


「エリアナ様、お手紙です」


若いメイドが、封筒を持って立っている。


「ありがとう」


封筒を受け取る。見覚えのある筆跡。


リリアからだ!


---


ベッドに座り、封を開ける。


『エリアナへ


元気にしてる?侯爵様の屋敷での生活はどう?


王都は相変わらず賑やかよ。でも、最近少し変な雰囲気なの。


政治的な緊張が高まっているみたい。貴族同士の派閥争いとか。


それで、侯爵家についても奇妙な噂を聞いたの。


「15年前の事件以来、侯爵は人前に姿を見せることが少ない」って。


「でも全然老けていないらしい」という話もあるの。


魔法使いだから若く見えるのかもしれないけれど...


エリアナ、気をつけてね。何かあったら、すぐに連絡して。


あなたのことが心配だから。


リリア』


手紙を読み終えて、考え込む。


15年前...ルシアが亡くなった年だ。


そして、侯爵が老けていないという噂。


確かに、侯爵様は若く見える。


でも、それは魔法使いだから...?


---


朝食の席で、侯爵様を観察する。


失礼かもしれないけれど、リリアの手紙が気になる。


侯爵様の外見は、30歳くらいに見える。


でも、実年齢は45歳のはずだ。


肌に皺がない。髪も艶やか。


魔法使いは老化が遅いと聞くけれど...


「エリアナさん、何か私の顔に?」


侯爵様が気づいた。


「え、いえ!何でもありません」


慌てて視線を逸らす。


侯爵様は少し寂しげな笑みを浮かべた。


---


昼食の時間。


勇気を出して、質問してみることにした。


「侯爵様」


「はい?」


「失礼ですが...侯爵様はとてもお若く見えますね」


侯爵様の手が、一瞬止まる。


「...魔法使いは、一般の人より老化が遅いのです」


「15年前のことを、時々お話しされますが...あの頃、侯爵様は...」


「ええ、あれは確か...」


侯爵様が言葉を濁す。一瞬、何かを隠すような表情。


「30歳の頃...いえ...」


何かおかしい。


侯爵様は今45歳のはずだから、15年前なら30歳。計算は合っている。


でも、侯爵様の様子がおかしい。


まるで、何かを言いそうになって、慌てて口を閉ざしたような。


「そういえば、訓練の進み具合はどうですか?」


話題を変える侯爵様。


私は、それ以上聞けない雰囲気を感じ取った。


何か、隠している。


---


午後、図書室でことりに相談する。


【ことり】

*************

何かお悩みですか?

*************

[魔力: 65/65]


> 侯爵様の外見と実年齢について疑問があります。魔法で時間を操作することは可能ですか?


【ことり】

*************

確率: 45%

魔法による時間操作の可能性があります。


確率: 35%

呪いや特殊な魔法の影響。


確率: 20%

通常の老化の遅延。

*************

[魔力: 55/65] (-10)


「呪い...?」


その言葉に、ゾクッとする。


> 呪いとは、どういうことですか?


【ことり】

*************

確率: 42%


特定の条件下で発動する魔法的制約です。時間の流れに影響を与える呪いも存在します。

*************

[魔力: 55/65]


侯爵様が、呪いを受けている...?


もしそうなら、それはルシアの死と関係しているのだろうか。


考えれば考えるほど、謎が深まる。


でも、直接聞くのは躊躇われる。


---


夕方の訓練。


「よくできました、エリアナさん」


侯爵様が、私の風魔法を褒めてくれる。


以前より、強く安定した風を起こせるようになった。


「ありがとうございます」


訓練を終えて、ベンチに座って休憩する。


夕日が美しい。


「エリアナさん」


侯爵様が、真剣な表情で私を見る。


「あなたは、疑問に思うことがあるでしょう」


「...はい」


正直に答える。


「私には...話せないこともあります」


侯爵様の声が、少し震えている。


「でも、いずれ全てお話しします」


「その時まで、信じて待っていただけますか?」


侯爵様の紫色の瞳が、私をじっと見つめる。


その目は、真剣で、でも少し不安そうで。


「はい、待ちます」


私は頷く。


侯爵様は、ほっとした表情になった。


「ありがとうございます」


そして、私の手をそっと握る。


一瞬だけ。


でも、その温かさは、はっきりと残っている。


胸が、ドキドキと鳴る。


「あなたを信じてくださって...嬉しいです」


侯爵様の言葉が、心に染みる。


この人は、たくさんの秘密を抱えている。


でも、私を信頼してくれている。


だから、私も信じよう。


いつか、全てを話してくれる日を待とう。


---


夜、リリアへの返事を書く。


『リリアへ


心配してくれてありがとう。


侯爵様は、とても優しい方よ。


確かに謎は多いけれど、信頼できる人だと思う。


だから、安心して。


王都の政治的緊張については気をつけてね。


あなたも無理しないように。


また手紙を書くね。


エリアナ』


手紙を封筒に入れながら、考える。


侯爵の秘密: 外見年齢、ルシアの死、西棟の秘密、そして呪いの可能性。


でも、信じて待つと約束した。


侯爵様の手の温かさを思い出す。


「私、侯爵様のことを...」


特別に思っている。


尊敬?信頼?


いや、それだけじゃない気がする。


もっと、特別な感情。


まだはっきりとはわからないけれど。


窓の外、月が綺麗に輝いている。


静かな夜。


明日も、侯爵様に会える。


その事実が、嬉しい。


ベッドに入り、目を閉じる。


今日も、良い一日だった。


そして、少しずつ、何かが変わっていく気がする。


私の心の中で。

**次回予告**

魔法訓練が進み、エリアナの魔力が成長する。そして、初めての実戦的な魔法に挑戦。侯爵との絆も、さらに深まっていく。


第11話「初めての魔法成功と成長の実感」をお楽しみに!

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