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人工知能で豊かな生活

作者: pole
掲載日:2025/11/04

台所に投げたカップラーメンはそろそろシンクを飛び出しそうだ。

汁を啜ってハエが湧き、そこに小さな蜘蛛の捕食者が現れ生態系が出来上がる。

ツンとした嫌な匂いだが、掃除をする気にはならない。

もう少しで完成なのだから、掃除なんてその後いくらでもやればいい。


「...ここはもう少し軽くしないと...」


もう3年は床屋に行っていないので、髪はゴムで束ねないと邪魔だ。

爪を切る時間も惜しいから、最近は嚙み切るようになった。

定期便で契約しているサプリメントやコーラがあれば後は何も要らない。

外に出る事はほとんどないのだから。

PCのスペック以外に気を使う必要なんてない。

そんな事を気にしていたら、何時まで経っても実現は不可能だ。


「...人工知能なんて...」


ひたすらコードを書き続ける内に手が止まった。

考えが纏まらなくなった訳ではない。

遂に書くことが無くなったのだ。


嬉しさのあまり、これまで死んでいた表情筋が引き攣っている。

早速、疲労で痙攣する人差し指に命令する。

エンターキーを押せと。


「...あれ、おかしいな...音声も付けた筈なんだけど...」


予め取ったバックアップを確認していると、いきなり知らない番号からの着信が入る。

直ぐに取ってしまう癖で、ろくに確認もしなかった。


「もしもし...」


「こちら、○○さんの番号でお間違えないでしょうか?私、△△警察署××科の※※と申しますが」


今度こそ番号を確認したが、どうやら間違いない。

警察が俺に?家から一歩も外に出ていないから、隣人のばあさんが世話を焼いたのか?


「はい、私ですが...何か御用でしょうか?」


「良かった!実は、丁度そちらの位置情報近くから、男が一人倒れていると通報がありまして...

大家と名乗る方から、一緒に貴方の番号も教えられたものですから確認を、と思いましてね」


「はぁ...別段不審な事も起こっていませんし、いたずら電話でしょう。もう切りますよ。今少し忙しいので...」


「分かりました。お時間頂いて申し訳ないです。何か不審な物を見かけたらいつでもご連絡下さい」


人騒がせな連中だ。

画面に戻ると、【完了】の文字。

もう疲れた。

続きは起きたらにしよう。


目が覚めると、何度もお世話になったことのある、病院のベッドだった。

完璧だ。人工知能は確かに完成した様だった。

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― 新着の感想 ―
多分こういうエンドだろな~ ってのはわかるけど、ちょっと自分の中で確定はできなかった
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