表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ココロノツバサ-Eternal Odyssey-  作者: Kanra
Sector4 JAF公道レース第2戦「いろは坂・金精峠」
63/110

第62話 復路予選・スターティンググリッド

 食事休憩を終え、小岩剣は再び復路に向けて準備する。

 復路は単独走行と言う予定だが、そうはいかない。

 坂口拓洋を見送って、自分も出ようと言うタイミングで、やはり、白雪アンナが一緒に付いてくるのだ。

(予選になりゃしねえ。)

 と、小岩剣は思う。

 復路は食事休憩を挟んだとはいえ、やはりロングコースの疲労からか、序盤からスピンやクラッシュが多発していた。

 特に、アマチュアの多いクラスとクラスKはクラッシュ多発である。

 金精トンネルを抜けると、今度はひたすらにダウンヒルだ。

 復路はゴールまでの長い区間でダウンヒル。

 故に、ブレーキやタイヤの熱ダレも発生しやすくなる。

 坂口拓洋はそれを見越して、敢えて普段のレースで使用するアドバン・ネオバ09ではなく、グリップは弱いがライフが長くリスクの少ない、コンサバティブなタイヤを選んで来ていたが、それは、小岩剣が履いている、シバタイヤR23Tw280だったのだ。

 一方、小岩剣も同じタイヤを使用しているのだが、今度は経験が物を言う状態になっていた。

 坂口拓洋は金精峠を一気に下っていったが、後を走る小岩剣はラモットからの指示を受けながらなので、どうしてもペースが落ち、痺れを切らした白雪アンナにオーバーテイクされてしまった。

 しかし、白雪アンナも経験は無い。

 それでも、白雪アンナは白雪アンナなりの考えがあった。

 自分の走る様子を目の前で見て、参考にしろと言うのだ。

「私なりのメッセージ。」

 と、白雪アンナ。

 湯滝を通過する時、目の前でイエローフラッグ。

 何かと思えば、なんと、坂口愛衣のS2000GT1がタイヤバーストで走行不能になっていたのだ。

「三峯神社の狼、散った。」

 と、玲愛。

「アレはね、エゴが強すぎる。雷鳥を骨まで喰らい尽くし、自分と同じ狼にしようとするから。」

「アンナ―。」

「分かってる。つるぎと言う大白鳥は、私達の物にしたい。でも、狼のような真似はしない。」

 アンナは後を走る、小岩剣のS660に視線を飛ばした。

「現状、5位キープ。アンナは3番手。ポールは坂口拓洋。」

 ラモットが順位を伝える。

「了解です。」

 小岩剣、頷く。

「これは伝えていいかな。」

「何をですか?」

「いや、望月がアンナの無線を聞いたんだ。そしたら、お前の事を「大白鳥」と言っていた。それから、これは坂口拓洋の方だと思うが、「エゴが強すぎる。雷鳥を骨まで喰らい尽くし、自分と同じ狼にしようとするからだ」とか言っていた。何か分かるか?」

「分かりませんね。ただ、拓洋さんについては引っかかる事があります。前戦で、渋峠から西の方角を見てました。その方向には、立山黒部アルペンルートがあり、そこには雷鳥が生息していると聞きます。」

「雷鳥が坂口拓洋なら、何か関連あるかもしれんし、お前が大白鳥なのも関連するかもな。」

 戦場ヶ原のロングストレートを駆け抜ける。

 観客は決勝レースより、予選の方が多い。

 その理由として、決勝レースでは動きが取れない割に、クラス別とは言え、一箇所でワンシーンしか見られず、価格の割に、観戦時間が短いからだ。周回コースなら複数回見られるが、往復コースでは、決勝レースだと割に合わず、予選に観客が集中するのだ。

 小岩剣は、戦場ヶ原を通過して、竜頭の滝のダウンヒルに入る。

 ガードレールに突っ込んでいるR35GTRを横目に駆け抜け、中禅寺湖畔をアンナに引っ張られる格好で走るが、いよいよ小岩剣も疲れて来た。

 そして、疲れてきたところで、最後の山場、第一いろは坂のダウンヒルだ。

「頑張れ!」

 と、ラモットが声援を送る。

 つづら折りで、第2よりも狭い第1いろは坂は、まるでジムカーナだ。

 疲れ切ったところでこれは、気が狂うだろう。

「下り切ったらゴール手前で3つ橋を渡る。それまで踏み止まれ!」

 ラモットの指示。

 小岩剣はとにかく、前のアンナの走りを見ながら、ペースを乱さないようにする。

 皮肉な事に、小岩剣が嫌う方法で、小岩剣は走れているのだ。

 そして、1つ目の橋、2つ目、最後の橋を渡り、ゴール。

 そのまま、アンナと一緒に、金谷ホテルまで戻ってスターティンググリッドを聞かされる。

 小岩剣は5番手スタートで変わらなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ