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13話 ベッドシーン?

今回はお待ちかねの『ベッドシーン? 』です。


「――ふわぁぁぁ」


 目が覚めた。

 僕は寝ている間に女神様にお会いし、遊ぶ約束をしてきた。

 なんで寝ている間なのにそんなことができるのかって?

 それは僕だって聞きたい。

 

 僕には”無秩序の冥護”とかいう力があってそのおかげで女神様に会えたらしい。

 ……一体”無秩序の冥護”とはどのような力なのだろうか。

 女神様に聞いても教えてくれなかったし、気になって朝と昼と夜しか寝られない。

 僕が廃人同然の生活を送ろうとしているのはおいておくとして、それを教えてもらうため一緒に女神様と遊ぶ約束を、さっきしたのだ。

 それに一緒に遊ぶとき恩を返すためにも必要不可欠な異世界召喚された時に聞けなかった女神様の望みも教えてくれるらしい。

 

 ……あぁ。やっと聞ける。

 ずっと気になっていた自分の力について教えてもらえるのも楽しみだが、それ以上に望みを聞ければやっと恩を返せそうだ安心感が凄い。

 遊ぶのはいつでも良いらしいので、できるだけ早く、りえも連れて封印の森とやらに行かなくては。


 おっとそれにしてもまだまだ真っ暗だな。

 今は一体何時くらい何だろうか。

 まぁ、まだまだ真っ暗だし夜の三時とかだろう。

 なら二度寝したって問題はない。

 

 よし、二度寝するか!

  ……こんなに早く起きちゃってまだまだねむ……くない!

 全然眠くないのだ。

 なぜだろうか。

 やっと探し求めていた女神様に会えて、自分の力もあとちょっとで分かりそうで、あの時に聞けなかった望みも聞けそうで……。

 

 うん。

 こりゃ寝れんな。

 興奮しすぎてアドレナリンがヤバい。

 しかし、今日はまだ寝るべきな気がする。

 女神様の話によればさっきは精神だけの状態だったらしいので肉体はしっかりと休めているのだろうが、早く女神様と遊びたいので明日にはここを出発してしまいたいと思っている僕にとって精神も休めておきたい。

 封印の森とやらが遠いところならば、今日以降はゆっくり寝られない日が続くかもしれない。


 ……やはり今日はまだまだ寝ておきたいのだが全然寝れない。

 とりあえず目をつむって寝られるように努めよう。


「――ふわぁぁぁ。おはよう、(あおい)って、……まだ寝てるわよね」


 うっわ。

 びっくりした!

 もう起きたのか。

 そういえば前に朝の四時くらいに起きてるって言ってたな。

 ってことは今は四時とかだと言うことだろうか。

 

 りえは起きたようだが、もちろん僕はまだ寝る。

 ……だってまだ暗いもん。


 この世界は電気があるので、外が暗くても何ら問題はないのだが、なんとなく外はまだ暗いというのに起きるのは嫌だ。

 それにそんな早く起きたところですることないし。

 王様に封印の森のことを聞いておきたいけどどうせこの時間ではまだ寝ているだろうし……。


 あっ!

 でもりえに女神様の話をするのはできるな。

 よし、まだまだ暗いのだが、今日は特別に起きるとしよう。


「――昨日もお疲れさま、葵。昨日は頑張ったわね。あのハンネスさんに攻撃を当てられるようになったなんて凄い成長じゃない。……ふふ。まぁ、まぐれでもあるんだろうけど。でも、攻撃をよけられるようになったからできたまぐれでもあるのだから、紛れもない葵の努力の結果よ」


 こういうときはちゃんとハンネスさんの名前を言い間違えないんだな。

 ……って、そんなことはどうでも良いのだ。僕が起きようとした、その瞬間。りえが話しかけてきた。

 それは別に問題はない。ただ、それが僕の髪に触れながらなのだ。

 

 ――現在自分は一体どのような状況なのだろうか。

 僕は現在りえの方を向いて横向きに寝ている。まぁ、起きてるんだけど……。

 りえとは一緒の部屋で寝ているのでねている僕に話しかけてくるくらいのはまだ分かる。

 一応僕も昔はペットに話しかけたりしていたので、分からないこともない。

 

 だが、髪に触れている理由は全く分からない。予想すらできない。

 それに髪に触れていると言うことは今僕の目の前にしゃがんみ、顔をのぞき込むようにしながら話しかけているということなのだろうか。

 

 ……どうしよう。いつ起きよう。

 時すでに遅しな気がする。

 それに、こんなに褒めてもらってどんな顔して起きれば良いんだ。


 困った。非常に困った。

 完全に起きるタイミングを失ってしまった。

 ちなみに僕の下のほうは寝起きというのに、元気いっぱいに起立している。

 

 ――しかたがない。

 これは仕方がないことなのだ。

 だって、今もりえが一言話すために甘い息が僕の顔にかかるのだ。

 本当に良い匂いだ。寝起きだというのに。

 可能ならばずっと嗅いでいたいと思うほどに……。


「――ほんとはとっても真面目で頑張り屋さんなのに、なんでそんなにそれを認めないようにするのよ。……いい加減認めなさいよ。真面目も頑張り屋さんも良いことじゃない。……なんでそんなに不真面目を演じるのよ」


 べ、べつに演じているわけではないのだが。

 まぁ、りえはそう感じていたのだろう。

 

 ……『真面目で頑張り屋さん』か。

 なんだかこそばゆいな。

 どうしよう。

 

 ……そうだ!

  何も知らないふりをして至って普通に起きれば良いんだ。

 よし、それしかないな。

 

 ……そうと決まれば、あとはタイミングだけだな。

 一体いつがベストだろうか。


「まぁ、私はそういうところも好きなんだけどさ……」


 ――。

 ――――。

 ――――――は?

  理解が追いつかない。

 今、なんて言った?

 好きってどういうことだろうか。

 いや、これはアレに決まっている。

 期待しちゃいけない。

 そういうところが人として、友達として、好意が持てると言うことだ。

 LOVEじゃなくてLikeなのだ。 


 ……うん。

 当たり前だな。

 こんな僕にそんな感情を抱くわけがない。

 僕は誰かと付き合ったことなど一度もなく、恋愛経験(れんあいけいけん)はゼロなので女性のそれっぽい反応に敏感になってしまっているだけだろう。

 友達として好意が持てるということ以上の意味はないに決まっている。

 

 ……たぶん。

 いや、そうに決まっている。

 ……たぶん。

 

 あぁ!

  頭の中がハチャメチャで何も分からない。

 ただ分かるのは、もう何も知らないふりをして至って普通に起きるなんて無理だということだけだ。


「――それにしても、葵の肌ってきれいよね。ここまできれいな肌の中学生男子とかそうそういないと思うんだけど……」


 確かに僕の肌は中学生男子にしては、意識してしっかりとケアしている方なので、褒めてもらえるのはうれしい。

 うれしいのだが、りえがそう言いながら頬に触れてきたのだ。

 起きているのに言わない僕も僕だが、ここまでくるとりえもりえだ。

 僕がもしかしたら起きている可能性とか考えないのだろうか。

 

 ――やっぱり抜けている。

 

 それにしても、女子が僕の頬に触れているとか、さすがに恥ずかしいのだが……。

 りえの指はそれなりに冷たく、思わずビックとしてしまった。


 ――。

 ――――。

 ――――――決めた。


 決めてしまった。

 もうどうなったいい。

 今まで隠してきた、男としての本能が引き出されてしまった。りえが悪いのだ。

 こんなに男を思わせぶりな態度をとっておいてお預けとかあり得ない。

 僕はやるときはやる男なのだ。

 

 現在、この部屋には僕とりえしかいない。

 僕がどんな行動をしようと助けは来ない。

 それにここは異世界だ。

 法律だって元の世界とは違う。

 バレたとしても捕まらないかも知れない。


 僕の計画はこうだ。 

 僕の目の前でしゃがみ込んで僕の頬に指を触れているりえを急に飛び起き地面に押し倒す。

 その後すぐにキスをして悲鳴を上げられないようにする。

 

 もし、声を上げられてしまったとしても大丈夫だろう。

 僕たちは年頃の中学生だ。

 夜にそういうことをしていたって何ら不思議ではない。

 きっとそう納得してくれるだろう。

 

 そして、押し倒した後は服を脱がして……ふふ。

 

 ――立花葵、今から童貞を卒業します!


 そうと決まればあとは実行に移すだけだ。 

 さて、どのタイミングで押し倒そうか。

 

 あぁ、ヤバい。

 メッチャ緊張してきた。

 無理もない。

 今から犯罪すれすれのことをして童貞を卒業しようとしているのだ。

 しかも、りえを相手に……。

 緊張で冷や汗が出てきた。

 それに、これから訪れるであろう天国のような時間を想像すると体がどんどん温かくなってきた。


 まぁ、それも当然か。

 だって、僕は今から大人になるのだから


「――って、あっつ。それに顔も真っ赤じゃない。……どうしちゃったのよ。……熱でもあるのかな」


 ――はっ! ヤバい。

 やっぱ顔が真っ赤になってしまっているようだ。

 ついでに体温もとても高くなっているようだ。

 緊張で心臓が速く鼓動(こどう)することで、体温が上昇し、顔がほてってしまっているのだろう。

 

 ……ヤバい。

 これでは僕が起きていることがバレてしまいそうだ。

 こうなったらバレる前にやってしまうまでだ。

 夢にも見た、人生初体験を今からするのだ。

 そう考えるとワクワクが止まらない。

 よし、今……


「――大丈夫!? 葵!? 」


 ――。

 ――――。

 ――――――。

 そうだ。

 そうだった。

 完全に忘れていた、一番大切なことを。

 

 りえがこんなに心配してくれているというのに僕はなんて言うことを考えていたんだろうか。

 本当に恥ずかしい。

 りえは、大切な友達なのだ。

 

 ふぅ……。

 一旦落ち着こう。

 今、僕がやるべきことはりえを(けが)すことなどではなく今この状況から脱出することだ。

 どんな作戦で行けばよいだろうか……。

 よし!

 この作戦で行くとしよう! 


「は! ここは? 」

「うっわ。びっくりした! 起きて早々どうしたって言うのよ」

「りえがいるってことは……。よかったぁ~」

「本当にいきなりどうしちゃったのよ。やっぱり葵って、……頭がおかしいの? 」

「失礼な! 僕の頭はとても正常ですけど! 」

「じゃあ、どうしちゃったていうのよ」

「――いやさぁ。メッチャ怖い悪夢見てさ」


 そう。

 作戦とは怖い夢を見てたから顔が真っ赤になり、顔もほてってしまったというものだ。

 決していやらしいことを考えていたからではないのだ。

 なかなかに言い作戦な気がする。

 僕の演技力も相まって、この作戦がバレることはないだろう。


「あぁ、通りで。なんか顔赤いなって思ってたのよね……。で、どんな夢見たの? 」


 ――。

 ――――。

 ――――――。

 ……考えてなかった!!!

 どうしよう。

 とりあえず適当なこと言っとけば良いだろう。


「えーっと。怖い夢って感じの夢だよ。とにかくメッチャ怖い悪夢だった……かな? 」

「なんでそっちが疑問形なのよ」

「ま、まぁ。夢ってそんなに思い出せないものじゃん。だから、しょうがないって言うか、なんて言うか」

「まぁ、それもそうよね。……じゃあ改めて、おはよう、葵! 」

「おはよう、りえ」


 なんとかなったな。

 よかった。それにしても、りえのさっきの言葉はどういう意味だったのだろうか。

 いや、友達として好意が持てるってこと以外の意味はないよな。

 りえを押し倒さなくて正解だったと思う。

 もし、リエも確定で僕に恋愛対象としての好意を寄せてくれているならともかく、友達としてならばそれは許されないことだ。

 

 ……ふぅ。

 それじゃあ、起きたことだし、女神様との遊ぶ約束についての話をするとするか。

ベッドでのシーンでした。

もちろん謝ることなどないとは思いますが、……すみませんでした。

『俺、僕、私はぜんぜん騙されなかったぜ! 』という方はぜひ、『ブックマーク』と広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしてそれを作者にお伝えしてくださるとうれしいです。

今日中にあと1話アップ予定です。

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