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仕上げもしっかりやっていく、手抜きはいけない

 だが、不審者は人間とは思えない存在だ。

 男は全く油断しない。

 買った手斧で、不審者の体をばらばらにしていく。

 これくらいはやらないと安心出来ない。

 傷口がふさがって生きかえる位はするかもしれない。

 それくらい不可解な状況に置かれてる。

 用心をするにこしたことはない。

 どれだけ警戒しても全然足りない。



 そうして分断した不審者の体を、紐で縛って引きずっていく。

 ガソリンスタンドまできて、そこでガソリンを手に入れる。

 さらにそこから離れた所まで行って、広場を見つける。

 火を付けるのだから、安全に気をつけねばならない。



 処分をする前に死体をあらためる。

 財布や身分証明になるものを持ってないか確かめる。

 問題を起こそうとするものが、そんなものを持ってるとは思えなかったが。

 だが、恐ろしい事に不審者は財布も携帯電話も免許証も持っていた。



 壊れた自転車や、購入した道具の分として財布の金を奪う。

 それから身分証を見る。

 知らない人間だった。

 接点などどこにもない。

 なんでこんな事をしてきたのかさっぱり分からない。

「ふざけんな」

 理由もなく襲われた事に、憤りが再燃する。



 そんな奴なので、何の躊躇もなかった。

 ガソリンを死体にかける。

 少し離れて、火を付けて死体になげる。

 ガソリンに引火して盛大に燃え上がる。

 その日が消えるまで、男はその場で様子をうかがった。

 燃えてる死体が復活する事を警戒して。



 幸い、燃えかすになったものが生きかえる事はなかった。

 それでも油断出来ないので、コンビニから持ってきた幾つかのビニール袋に灰を分けて入れる。

 灰になると小さくなるので、袋はさほど大きくは無い。

 重さも大した事は無いので、持ち運ぶのも楽だった。

「しかし」

 それでも異様ではある。

「こんな簡単に燃え尽きるか?」

 死体はそう簡単に燃えない。

 それがあっさりと燃え尽き、わずかな灰になってる。

 これはこれで異常だった。



 その灰を持っていく。

 灰が集まって復活するという漫画やアニメやラノベや映画の展開を警戒してだ。

 その灰を、途中にあるドブ川に捨てる。

 幾つかある袋の一つ分を。

 さすがに全部は捨てない。

 流された灰が集まって復活するかもしれないからだ。



 適当なコンビニに入って、そこのトイレにも流す。

 ゴミ置き場においてあったゴミ袋にも入れる。

 途中にある公園の土に振りまいていく。



 あっちこっちに分散して灰を捨てていく。

 最後の一袋は自室においておく。

 気味が悪いが仕方が無い。

 全部をこの近くや水に流すのもどうかと思った。

 水に流せば、結局は川や海で合流する。

 そうなったら復活する可能性がある。

 それを避けるために、一部は地面の上に捨てた。

 家に持ち帰ったものは、あとでどこかの山の中に捨てるつもりだ。

「電車で終点までいけば、適当な場所くらいあるだろ」



 ここまで来て、男はようやく人心地ついた。

 とはいえ、警戒は出来ない。

 今日は徹夜を覚悟しておく。

 寝てる間に何かあるかもしれないからだ。

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