やるしかない
ある程度走ったところで足を止める。
息が切れてしまった。
これ以上はさすがに走れない。
速度を落として歩いていく。
これからどうしようと考えながら。
目的もなく歩き回るのも得策と思えない。
小腹も減っている。
少しでも人目のある所にいた方が良いとも思った。
足がコンビニへと向かっていく。
近くにあったコンビニは、いつも通りに明るい。
自動ドアを超えて中に入る。
残念ながら店員はいない。
客の姿もない。
ここまで人の姿や気配がないのは珍しい。
手持ち無沙汰なので、立ち読みでもしていく。
少しは気が紛れると思って。
ほとんどの雑誌は別のコンビニなどで立ち読み済みだったが。
それでも暇つぶしにはなる。
今はそれだけで充分だった。
ただ、こうしてると不審者もやってくるだろう。
その時にどうすかも考えていく。
出来れば接触はしたくないのだが。
(そうも言ってられないのかも)
何となく覚悟を決めていく。
警察も頼れない。
他に人もいない。
見渡す範囲にいるのは自分一人。
あとは不審者だけ。
こんな状況で助けを求めるのも無理だと思った。
ならば、自分でどうにかするしかない。
かなり危険な事になる。
相手がどんな奴か分からない。
下手に組み合ったらどうなるか分からない。
だが、どうにかするしかなかった。
不審者がなにをしてくるか分からないのだから。
(やるか)
腹をくくっていく。
次に出てきたら、どうにかしてやろうと。
それがどういう結果になるのかは分からないが。
最悪、指名手配される可能性もある。
だが、危害を加えてくるなら、それなりの対応をしなくてはならない。
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