愛の戦い?
そうして、マオとラブエルの戦いが始まったのだが結果は分かりきっている。そうマオの圧勝だ。これはラブエルが弱いという訳ではない。ラブエル達守護天使は、神界の門を守護しているだけあって上位神達よりは強い。実際ライ姉では勝てない程には強い。だが、マオはそれを遥かに上回る戦闘力を持っている。それはマオが閻魔大王だからである。
閻魔大王とは死者を管理する地獄の支配者である。そのため地獄の誰よりも強くなければならない。そう現状マオに地獄で勝てるものは誰一人として存在しない。ちなみに地獄と冥界は全くの別物だ。地獄は悪人を裁き罰を与える監獄みたいものだが冥界は死者の国という感じだ。とまぁそんな事を考えていると、
「地獄巡り。その一、灼熱地獄。」とマオが私の部屋でありえない火力の極炎を出した。この火力はフレイ以上だ。ラブエルはダメージを受け、私の部屋は燃えた。………後でしばこう。と私は心に決めた。
「あはは❗️素晴らしい、【愛】❗️ですね。閻魔大王❗️では次は私の【愛】❗️を受け止めて下さいね❗️」とラブエルは言っているが、「お断りします。愛の天使ラブエル。私はそのようなものを受け止める気は全くありません。地獄巡り。その二、極寒地獄。」そうして、今度は有り得ない威力の冷気を繰り出した。もちろんこの冷気もフリス以上だ。
しかしラブエルは倒れなかった。流石は守護天使といったところか。そうして、「【愛】❗️は素晴らしい❗️ですが少々図になりすぎでは❓貴方の【愛】❗️は一方的なもの。それが叶わぬ【愛】と分かりながら抗うのは無様ですよ❓」とマオを煽った。自分も太陽神に一方的な愛を思ってるのでは?と思ったが私はなにも言わないで置いた。そして、マオは怒った。
「私は小さい頃に❗️フー姉結婚してくれるって言ったもん❗️だから一方的じゃないもん❗️地獄巡り。その三、針山地獄❗️」と地面から巨大な針の山を出しラブエルを串刺しにした。
……私そんな事言った?と私は疑問に思っていた。確かにマオが小さい頃はよく遊んでいたし、マオにもちょとだけいかがわしい事は確かにした。でも結婚するとは言ってない気がする。そして、記憶を辿ると、一つ心当たりがある記憶を思い出した。
「ねぇねぇフー姉ー。私いつか絶対に閻魔大王になっていっぱい稼いでフー姉にいっぱいプレゼントを買ってあげるのー。」と言ってきた今でも幼いがさらに幼い頃のマオに、「ふーん。それはありがたいなー。でもそんなに稼ぐなら私の事を養ってほしいなー。」と返した筈だ。……つまりなんだ。私はマオにヒモにしてと言っていた訳だ。てかなんでこれを本気にしてんの⁉︎と私が思っていると、
巨大な雷が落ち、大雨が降り出した。そして、「あはは。そんな話聞いてないなー。フーちゃんの結婚なんてお姉ちゃんは認めないよ?」とライ姉。「私の方が前からフーカ様の事好きなんですけど?後からの癖に図々しくないですか?閻魔大王マオ?」とアフィー。
………ヤバい。なんか面倒な事になってきたと思っていると、串刺しになったラブエルが「素晴らしい❗️皆がフーカ様への【愛】❗️の為に戦うというのですね❗️あーなんて美しいのでしょう❗️」とラブエルが言ったせいで全員が戦闘体制に入った。
オイオイ。何言ってくれてんだ。これ以上私の部屋をボロボロにするんじゃないよ。と思ったがもう遅かったのであった。