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両極、まんなか  作者: でーん
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どうにゅう

 夢を見ていた。雨の中、傘をさしている人を追いかける夢。大きめのコートを着ていて、後ろ姿からは男女の区別がつかない。その人は、傘も、コートも、黒。靴も、おそらく黒い。その黒い人は階段を上って行く。当然のように私も付いて行く。追いかけるのに、追い越そうとしてもそれは叶わない。私の足が規定速度を守り続けて、速く行くことも、遅くすることさえも出来はしないのである。コンクリートに溜まった雨を、その人は気にすることなく突っ切って歩く。どこに向かっているのか。そもそもここはどこなのか、それすらも分からない。すれ違う人々は皆私と、黒い人を避けながら歩き、時々店や家屋の窓から覗く眼は皆私たちを見つめていた。

 私は、黒服の人のことばかりを気にして、自分自身が傘をさしていないことに今さら気がついた。

「傘を買っても良いか?」

 私は立ち止まって黒服の人に質問してみると、その人も立ち止まるだけして、こちらを一瞥することもなく言った。

「それはいけない」

 そして、また歩き出した。私も機械のように付いて行く。歩きながら、私は「なぜか」と訪ねると、黒服は悲しそうに頭を振るのだった。

 そのうちに、私は腹が立ってきて、その人を追うのを止めようと真後ろに歩き出すと。その先にまたあの黒服の背中があるのだった。どの方向に向かっても、その背中。どこに向かってもその人のもとに繋がっている。やがて、私はその黒服こそが目的地に違いないと悟る。すると、その瞬間に眼が覚める。悪夢と言うにはあまりに落ち着いた夢。そんな夢を最近よくみるのだ。




 

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