似て非なる世界説
評価ポイントありがとうございます。
想像してください。
基本能力設定で、パンチ力5トンとされているアポロクロスさんの攻撃を。
普通であれば、大惨事ですよ。
でもなぁ、耐えちゃったんだよなぁ。
まぁ再度、殴ってきたので自然な具合に吹っ飛んでおきました。
その後、戦鬼獣イユリーバットさんとアポロクロスさんが良い具合に絡み始めたようです。
まぁ悪の組織に所属しているので、イユリーバットさんに加勢しても良いのですが。
ゲームのシナリオから逸れてしまえば、何が起こるか分からない。対策が立てにくくなるので却下。
実際、俺の耐久力がおかしかったし。これは、似て非なる世界説かもしれぬ。
で。俺は匍匐前進で、戦線離脱をしている最中なのですが……。
ええ、巻き込まれました。
力及ばず、未知の力で砂利の沢山ある人気の無い場所に転送されました。
……ゲームの元ネタが、爆破の影響力が少ない例の場所にいきなり移るように、こう、シュパッと転送されましたよ。
ああ、ここはゲーム設定通りなのか。
ええぇ……。なんか、聞き覚えのあるBGM鳴ってんだけど、どういう事?
どこだよ音の発生源。
って、やばい!このメロディー。処刑のテーマだ!!
って事は、イユリーバットさんのピンチ。最後は大爆発の予定!!
おおぉ爆発に巻き込まれないように、逃げなけれ……いや、まてよ。
ここで、俺は寝っころがりながら一考するわけだ。
このまま爆発に巻き込まれれば、さよなら今世できんじゃね?
大地が揺れて、それはそれはド派手な爆発。戦鬼獣が消滅するほどの破壊力ならこれは期待できる!
そうと決まれば、アポロクロスさんの必殺技に吶喊しなければ!
イユリーバットさん、今行きますぜ!!
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その後、イユリーバットさんはゲームのシナリオ通り爆散されましたが、俺はというと……。
えー。体が上半身と下半身に分かれただけでした。痛かったです。
まぁ多少、運命力が働いたのか……下半身はくっ付く事無く、お亡くなりになりました。
幸い、生き残った(満身創痍でしたが)戦闘員GとHに担がれて組織の基地に帰還できましたが。
偵察機(小型のドローン)に俺の雄姿が映されていたおかげで、褒めてもらえました。
いやいや、嬉しくねぇよ。
で、しばらくして親父に下半身を作ってもらったんですが、微妙に強くなってるなぁ。
今回の作戦で得た情報を報告しながら、俺は今回の状況を振り返った。
ゲーム運命力を利用した自滅は有効と判断。しかし、そこはゲーム運命力。
俺が死に損なうと、ますます千年縛りが現実味を帯びてくる。どうしたもんか……。
とりあえず、まだ今の所は様子見だな。
あ、そうそう。作戦は80%成功だったって。ゲームシナリオでは停電目的だったんだけど、この世界では違ったらしい。
じゃぁ、なぁんだ?って偉い人に聞いても下っ端の俺には教えてくれなかった。
親父も知らないらしい。なんだろうな……。