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ちょ、ヒーロー(笑)

 まぁ、泣いたり嘆いたり憂いたり叫んだりしても時間は流れて行くわけでして。

 人体改造の翌日、同じ戦闘員として働く仲間にお披露目されています。


「川村 拓也です。えーっと、よろしくお願いします?」

「あー。リバーソン博士の息子さんなー。こっちだ、入って来い」


 親父……英語でリバー、音読みでソンって安直すぎるでしょ。


「なるほど、よく似てる。博士にはお世話になってるよ。よろしくな」


 あ、どうも。よろしくお願いします。指揮官型の装甲カッコいいすね!

 っていうか、思った以上にフレンドリー。悪の組織なんですよねぇここ。もっと怖いイメージがありました。

 設定資料集等々に掲載されているのって、ヒーロー側ばっかで戦闘員の仲間関係なんて無かったからな。

 意外な事実が明らかになりました。知りたくも無かったよ……。


 こんなフレンドリーな皆さんですが、やる時はやる。マジ外道。

 なんというか、本当にエグイ作戦が多いんだよこれが。


 浄水処理が終わった水を貯める……なんだっけ、あ、配水池。そこに、致死性の高い毒を投げ込むとか平気でやる。

 アポロクロスをうまく操作し、阻止に間に合えば良いモノの判断ミスやら制限時間をオーバーすると……後味最悪のイベント画が表示される。

 その画像がねぇ……軽くトラウマになるんだよ。なもんで、このアクションゲームをやりこみ操作を極め、ノーミスクリアが必須とされるんだ。切実に。


 んで、俺。ザ・小市民が、そんな悪いことできるはずがない。むしろ、全力で阻止していく心構えです。

 絶対に、ばれない様にうまく立ち回る必要がありますが……そこは、ほれ、この知識を使ってですよ。

 しっかし、この世界の行く末をこと細かく覚えているくせに、前世の自分自身に関してはこれっぽっちも覚えちゃいねえ。

 前世の名前だとか、家族構成だとか、なぜこの世界にいるのか。サッパリですわ。


 え、出撃ですか?新しい作戦??はぁ。あ、いえ行きます。大丈夫です。大丈夫なはずです……はぁ。


 ●


 戦鬼獣イユリーバット。こいつが作戦の責任者って事は、イベント2『発電所強襲作戦』だな。

 戦闘員は二十名。隊長が一名、班長が三名に四名ずつ班員がいる。俺のいる班が一斑で順にA、B、C、D。で、二班がE、F、G、Hと順に続いていく訳だ。ええ、俺が今後、戦闘員Cと呼ぶばれる下地が出来上がった瞬間ですよ。


 一見、何の変哲も無い……こともないか、黒塗りのバスで移動って。警察のパトロールで引っかかったりしな……あ、大丈夫なんですか。え?たとえ引っかかっても武力で解決?……それは、大丈夫って言わないっす。

 でも、これ、強制力とか運命力とかで、本当に何とかなっちゃうんだろうなぁ。

 あ、着きました?はい、すぐ行きます。


 と、言うわけで火力発電所の敷地に侵入しております。原子力の方じゃなくて心から安堵してます。

 だってさ、自分達は被害受けないからって、やりそうなんだもの……機械生命体だから。


 作戦通り、俺はプラスチック爆弾を付ける……ふりをして、周囲を窺います。

 行動開始から三十分経過。と、そこに轟くマシーンの爆音!待ってました、アポロクロスさん到着です。

 戦鬼獣イユリーバットさんを守るべく、わらわらと戦闘員が襲い掛かります!


 つっても、戦闘員の力なんざ高が知れている訳でして一撃即退場です。ゲームではマイルド表現だったのに、体に穴開けられる頭部は砕け散るとか、洒落になってないんですが……。いや、いやいや!これは、チャンス。

 この世とオサラバ、よろしく来世!痛いのは嫌だけど、これなら望みどおり成仏できそうじゃないか!

 よし、来い。次は俺の番だ!南無さん!!


「……え?」

「あれ?」


 アポロクロスさんのパンチを胴で受けました!結構いいパンチですやん。と、思ったんですわ、本当に。

 でも、俺、耐えちゃった。あかーん!これ、あかんやつやー!!

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