表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私達、『パーティ鷺宮』です。  作者: ai-emu
第11章 皇太子就任祝い武術大会
91/111

第84話 個人戦③

いよいよ準決勝です。ここまで勝ち進めた人は、タケルさん、近衛騎士団団長のオーガストさん、私、ノリコさんの4人。団長は、|私の剣技(コロラド王国騎士団剣技)の師匠なので、何気に準決勝戦と決勝戦はすべて私の関係者で闘う事になりました。

そして、タケルさんと団長の試合は、激しい剣の打ち合いから幕が上がります。

タケルさんは、剣技に無詠唱魔法を織り交ぜながら善戦していますが、百戦錬磨の団長さんには、今一歩決定打を与えることが出来ません。格闘を続ける事30分、とうとうタケルさんが膝をついて降参してしまいました。これで、決勝の相手は、近衛騎士団団長になります。

次はいよいよ私とノリコさんの試合です。ヒカリさんに言われた通り、6属性すべての魔法を使います。開始の合図とともに、私がまず最初に選んだのは地属性の魔法です。ヒカリさんには言われていませんが、各属性を加護する月の女神を意識して言霊を詠んでいきます。

「天空に輝く月の女神タリンよ

我の願いを受け、大地を穿つ一条の守りとなれ

大地は天にそびえる頂を想う

天上より見下ろすは、攻守の砦

堅守堅攻城塞シタデルリア』」

私の周りに展開した堅牢なる石の砦。砦は、先に出現した直径3メートルほどの魔法陣に沿って、1メートルほどの高さで造られています。高さが低いのは、視界を確保するためです。

ノリコさんは、火の精霊魔法を選択して、私の防御を破ろうと試みています。しかしこの砦は、ノリコさんが放つ火の精霊魔法を、難なく防ぎます。塀のない上空部分には、薄い防護幕が展開しています。私は砦を維持したまま、次の魔法を構築します。

「続いてタリンに願うのは、破滅の焔

天空を黄昏に染める大いなる火の化身

我願うは永久とこしえなる忘却

されど明日を夢見るは徒然なる聖炎

聖炎火炎球ホーリーファイアーボール』」

詠唱とともに現われたのは、青白い色の火炎球ファイアーボール。放たれると同時に、ノリコさんの放つ火炎球ファイアーボールをすべて飲み込みながら、ノリコさんに向けて飛んでいきます。ノリコさんは、すかさず水の再大防御である水爆防御壁アクアウォールを精霊魔法で作りで防ごうとしますが、防壁すらも飲み込み、勢いを弱めることなく突進していきます。そのままノリコさんを飲み込んで、観客席の壁まで突き進みます。そして、壁に設置されている絶対防御魔法の膜に当たり霧散しました。その際魔法の衝撃で、幕全体が虹色に輝いて大きく波打ちました。

ノリコさんは、壁に激突して気を失って…いませんでした。

私は、寒気を感じて大きく横に移動します。すると、今さっきまで私がいた場所を、鎌鼬が数条通過していきました。鎌鼬が通過した刹那、私は己の感覚に任せて、振り返りざまに剣を大きく横薙ぎに振るいました。途中で剣同士がぶつかる音。其処には、ノリコさんが、魔法剣マジックブレードを地面に突き刺して私の剣を止めていました。しかも無傷です。

「不意打ちで行けると思ったんだけどなあ。メーリアちゃん、感覚良すぎだよ。」

「前の一戦で、こうゆう感覚がすごく磨かれた気がします。ノリコさんこそ、よくあの一撃を躱せましたね。」

「壁に激突する寸前に、空間転移テレポートしたんだよ。気配を絶って、メーリアちゃんの真後ろにね。

でも、メーリアちゃん、無詠唱で放った鎌鼬を避けるんだから。事もあろうに反撃までしてくるから、私、少し焦っちゃった。」

「焦った割には、しっかりと受け止めていますが。」

「それは私の方が、メーリアちゃんよりも場数を踏んでるからね。それにしても、メーリアちゃんの剣、すごく丈夫だね。普通の剣なら、魔法剣マジックブレードに打ち負けて折れているのに。」

「この剣は、聖剣『月夜見の剣』と言います。元々は、私の兄様の剣だったのですが、ヒカリさんが龍神の加護を与えて聖剣にしました。まだすべてのスペックを理解していませんが、今の状況を見る限り、とてつもなく高いスペックを持っている事だけは理解できます。」

「龍神の加護を与えられた聖剣ね。下手をすると、私の扱う魔法剣マジックブレードよりも強力な可能性があるねえ。

まあ何にせよ、これで仕切り直しだね、メーリアちゃん。まだ2つしか属性の魔法を見ていないから、とてもた・の・し・みだよ。」

そう言って、ノリコさんは、大きく間合いを取りました。負けずに私も、挑発に乗ります。

「楽しみにしておいてください、ノリコさん。次からは、魔法の威力が跳ね上がりますので。」

ここまでの攻防を黙って観ていた観客から、大音響の声援がかけられた。

「メーリアちゃん、次は私から行くよ。しっかりと防いでね。」

そう言って、ノリコさんから無詠唱で放たれたのは、竜巻でした。私とノリコさんのほぼ中央に現れた竜巻。竜巻の中をよく見ると、無数の氷と岩塊が風の渦の中に見えています。あれに当たれば、大怪我では済まないでしょう。私は、竜巻をじっくりと観察します。そして気付きました風が渦を巻いて『流れている』と言う事実に。どんなものでも『流れ』ているのならば、その『流れ』を止めてしまえばいいと。そして私は、風の流れを止める魔法を構築します。ついでと言っては何ですが、ノリコさんへ、お土産として攻撃魔法も構築しておきましょうか。やる事が決まれば、早速イメージを膨らませて詠唱を作り上げます。もちろん、今回使うのは、『風属性』と『水属性』です。

「我求めるは第2の女神ガイアの抱擁

荒ぶる風神を鎮め、大地に再び凪を産む

静けさを満たせば、風神は安らぎを求め

遍く大地に恵みを返す

風雷鎮神ウィングレクイエム

再び我汝ガイアに求めるは水神の雄叫び

大地に戻りし恵みを奪い、大地の彼方に楔を打つ

永劫なる調べ、永遠無き漣

水神の楔アクアウェッジ』」

少し短めに紡いだ言霊からhな垂れた魔法は2つ。1つ目の魔法で、竜巻が徐々に勢力を弱めて霧散していく。巻き上げられていた氷塊や岩塊が、2つ目の魔法で再び1つに纏り、水の中に溶け込み渦を巻いてノリコさんに向かっていく。ノリコさんは、水の渦を、受けるのではなく受け流す方向で魔法を使う。どうも地属性の魔法で流れの向きを変えるみたいだ。

しかし甘い!この水の渦は、目標に定めたモノを執拗に追いかけるのだ。どんなに力の向きを変えても同じ事。現にほら、渦が向きを変えて、ノリコさんの背後を襲う形で進んでいる。ノリコさんは私の姿を視認すると、私に向かって駆け出してきた。このパターンはあれか?私の目の前で、進む方向を変えて自爆を狙っているな。私は、そうはさせるかと、手に持つ聖剣を、大きく横薙ぎに振り抜いた。刹那、剣より放たれる光の鎌鼬は、ノリコさんに向けて突進していく。

『この聖剣は、こんな事も出来るのか』と、感心している私を他所に、ノリコさんは、前後から迫る致命傷となる一撃に同時に対処しなくてはいけなくなった。ノリコさんの取った行動は、ギリギリで真上にジャンプする事だった。

そしてぶつかる水の渦と鎌鼬。鎌鼬は、魔法の渦を真二つに切り裂き霧散させ、そのまま観客席の壁を少し削る。ノリコさんは、ジャンプして躱した後、風の精霊魔法で上空に滞空すると、空気の塊を私に向けて落とした。そしてそのまま気配を絶って私の視界から消える。私は、次なる一手に備え風の障壁で受け止め、ノリコさんの気配を探りながら新たな魔法を用意する。

「我求めるは月夜見の3姉妹が長子、女神エクシアの加護

漆黒の闇はすべてを無に変える永久なる大海

深淵に眠るは永遠なる静寂、されど始まりの詩を謳う

刹那に交わるは、新たなる始まりと終わりなき終焉

我、大地に根付かせるは、悟りの極意

闇騎士の抱擁ダークナイトエンブレス』」

魔法の発動とともに、私の背後に現れたのは、漆黒に染め上げた闇の鎧に身を包む黒騎士。黒騎士は、私の持つ聖剣が地面に突き立てる動きに連動して、自身の持つ漆黒の剣を地面に突き立てる。漆黒の剣が刺さった地面には、黒く光る魔方陣が現れる。私とともに剣を地面から引き抜くと、魔方陣の中から一緒に現れたのは、剣に脇腹を貫かれたノリコさん。

「何処に隠れようと、闇騎士の剣からは逃げる事は出来ませんよ。」

「そのようね、メーリアちゃん。私の空間魔法が封じられたっちゃたんだから、この勝負はメーリアちゃんの勝ちね。」

ノリコさんの敗北宣言で、私の決勝戦進出が決まりました。

次はいよいよ決勝戦です。相手は、私の剣の師匠でもある近衛騎士団団長。私の剣技は通じない相手です。勝つ可能性があるのは、無詠唱で発動させる魔法のみ。それも、高出力型の魔法1発勝負です。詠唱していたら、その間にすべて終わらせてしまうほどの腕前です。

「さて、どんな魔法を使おうかな。」

私は、決勝戦が始まるまでの時間、脳内のストックを掘り返して、必死に魔法のイメージを固めるのでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ