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私達、『パーティ鷺宮』です。  作者: ai-emu
第8章 再開の宴
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第60話 精霊魔法

「そういえば、さっき話した事、考えてもらえた?」

屋敷に戻って夕食を食べながら、ヒカリが猛に言った。

「さっきの話というと、『家族になる』と言う話か?」

「そう、その話。別に家族として、『鷺宮』に変えないといけないんじゃないけれど、私としては、『青木猛』じゃなくて、『鷺宮タケル』として私たちの仲間になってほしいのだけど。無理に変えてくれとは言わないわ。まあ、『家族』って言っても色々な形があるからね。私が思う家族は、1つ屋根の下に住んでるのも家族だろうけど、今の鷺宮家のように、各地にばらばらに住んでいても家族だもの。『親戚』も、家族の1つだと私は思っているから。」

夕食の会話としてはどうかとは思うが、話し始めてしまった以上、誰かが話題を変えるまでは続けるしかない。

「…、そうだな。元々ヒカリたちのクラスメイトだった、俺たち4人はどちらでも構わないと話していたんだが、ここに来てから知り合って仲間になった、コリンスとワイスの扱いがどうなるかによって、話が変わってくるな。」

「2人は今年でいくつになるの?」

ヒカリは、コリンスとワイスに年齢を聴いた。

「来年で10歳になります。」

「来年で10歳という事は、今はまだ9歳よね。それにしては、剣技も魔法も上手かったけど。」

「剣技と魔法は、俺たちが教えたんだが、奴隷だったせいで、文字の読み書きが書けなくてな。暇を見つけては、少しづつ教えているんだが、なんせ根無し草の冒険者暮らしだ。教材もないし、あまり教えてあげれないんだ。」

猛が、悔しそうに話す。ヒカリは、少し考えると、コリンスとワイスに話した。

「コリンス君とワイスちゃんは、学校に通ってみる気はない?」

「学校ですか?そりゃあ一度は通ってみたいですけど、さっき猛さんが仰っていた通り、僕たちは奴隷だったこともあり、あまり文字を書けません。ぼくたちの年齢だったら、それだけで学校には通う事ができないんじゃないですか?」

「その言い草だと、学校には通ってみたいんだな。」

タケシの問いに、猛が悔しそうに話す。

「…そうだな。コリンスとワイスが、学校に行きたそうにしていたのは知っていたが、俺には何もできなかった。学校に通わせるとなると、何処かに腰を落ち着けなくではいけないからな。」

ヒカリは、猛の様子を見ながら、提案を1つしてみた。

「猛、あなたたち、カランを拠点に活動してみる気はない?私たちの家族になると、本店と支店を結ぶ『転移ゲートワープゲート』を使うことが出来るから、遠くの依頼でもコロラド王国の中なら、関係なくこなせる。紀子は『精霊の神子』だから、『瞬間転移テレポート』も使うことが出来るから、カランに腰を落ち着けていても、何処にだって、簡単に行く事が出来るわ。ついでに言うなら、コリンス君とワイスちゃんは、学校に通わせることもできる。」

「そんな事、簡単にできるのか?」

「鷺宮商会が経営している『鷺宮魔法学園』に通うのなら何とかなるわよ。なんなら、あなたたち用に部屋も貸してあげる。Aランクだったら、お金なんて腐るほど持っているでしょ。

コリンス君とワイスちゃんは学校に通いたいの?通いたいのなら、猛にお願いしてみれば、いい結果になると思うよ。」

ヒカリの問いかけに、コリンスとワイスは猛の方を向いて、一斉にお願いしてみた。

「ボクたち、学校に通って、同年代のお友達を作りたいです。てけるさん、どうかおねがいします。」

「分かった!しかし、ヒカリよ、さっきも話したが、2人はあまり文字を書けない。そこのところはどうするのだ?それにその前、『瞬間転移テレポート』なんて魔法、一朝一夕で覚えれる魔法じゃないだろう。」

「文字の読み書きについては、こちらでどうにかしてあげる。、『瞬間転移テレポート』については、私たち神子の特権みたいなものよ。」

ヒカリは、あっけらかんに、『瞬間転移テレポート』について答えた。神子とは、何でもありだなと、猛は笑うしかなかった。

「学校に通うとしても、今のままじゃ授業についていけないことは解っているわ。半年後の5月から、学校に通ってもらう事になる。来年で10歳だから、高等部からの編入ね。それまでの約半年間、学園で教えている初等部の教育内容を、しっかりと勉強してもらう事になる。遊ぶ時間が無くなって大変だと思うけど、それでも学校に通いたい?」

「「はい、通いたいです!」」

「ヒカリ、何から何まで世話をかけるが、俺からもお願いしてもいいか?」

猛が、ヒカリに申し訳なさそうに言った。

「別にいいわよ。とりあえずあなたたち6人の事だけど、姓を『鷺宮』に変える事は、問題ないわね。」

「ああ、そんな事は、些細な問題だからどうでもいいことだ。明日から名前が、『青木猛』から『鷺宮タケル』になるだけだろ。」

「そういう事。明日の朝一に役所に行って、名前の変更届と、住民登録をしてくるから、そのつもりでいてね。あなたたちと私たちの関係は、本家と分家の関係にしましょう。その方が面倒臭くないから。ちなみに、コリンス君とワイスちゃんは、『鷺宮タケル』と『鷺宮ノリコ』の子供として登録するから。明日からは、『鷺宮コリンス』と、『鷺宮ワイス』になるから忘れないようにね。

あとは、住む処だけど、来月の頭に、新しく建てているマンションが完成するから、そこの管理人として部屋を貸してあげる。それまでは、この屋敷で暮らしなさい。

コリンス君とワイスちゃんは、明日から早速ここでお勉強ね。ノリコも、精霊魔法を極めたいのなら教えるけど、どうする?」

「…、精霊については何も知らないから、教えてもらえるのならお願いしたいけど。」

突然の振りにも拘らず、ノリコは、ヒカリに頭を下げた。

「ぼくたちも、よろしくお願いします。」

コリンスとワイス、ヒカリに頭を下げる。

多忙を極めるヒカリたちに代わり、コリンスとワイスは、執事のトーマスに任せる事にした。学園に入るための勉強を屋敷内で行なう事になっている。冒険者として暮らしていたため、魔法や剣技と言った事は出来るので、その辺は日常の鍛錬程度に抑え、読み書きを中心とした勉強が大半を占めている形に収まった。

翌日、タケル達の鷺宮家への変更を終えたヒカリたちは、再び浮遊大陸に来ていた。現在ここにいるメンバーは、ヒカリ、タケシ、タケル、ノリコ、サトヒサ、ヒトミの6人。今いる場所は、昨日ノリコが精霊の神子になった湖の畔だ。ここまでは、ノリコの『瞬間転移テレポート』魔法練習のため、ノリコが、『瞬間転移テレポート』魔法を発動する。ヒカリの教えて貰ったとおりに、頭の中で移動先をイメージする。そして一言。

瞬間転移テレポート

ノリコが発動キーカオスワードを唱えると、昨日来た湖畔に、部屋にいた全員がテレポートした。

「ネ、簡単にできたでしょ。」

ヒカリの一言に、実際魔法を発動したノリコも、一緒に来たタケルやサトヒサ、ヒトミは、今起こった事実に唖然としたいた。真っ先に再起動したタケルが思った事を口にした。

「…ノリコが何時でも、『瞬間転移テレポート』を使えるから、カランに腰を落ち着けていても、何処にだって一瞬で行く事が出来るようになったのか。それに宿に泊まったり、野宿したりしなくても済むな。そういえば、ヒカリ、『瞬間転移テレポート』は俺にも使う事は出来るのか?後、疑問に思ったんだが、ヒカリ、お前はなぜ自由に此処に来れるんだ?

浮遊大陸サンマリオスと言えば、年に一度だけエンダレス山山頂に10日間だけ接岸する大陸だ。その10日間でしか、空を飛べるもの以外は、大陸に渡ることが出来ないはず。それなのにヒカリは、この大陸に何度も足を踏み入れているかのように、平然としている。」

タケルは、思い出したかのように、ヒカリに聞いた。

「そうね。『瞬間転移テレポート』については、少し多く魔力を消費するけど、タケルでも使えると思うよ。『瞬間転移テレポート』が使えれば、命が危険にさらされた時、その場からすぐに離れることが出来るからね。サトヒサとヒトミも覚えてみる?」

「消費する魔力って、どのくらいだ?後、ノリコやヒカリは、『瞬間転移テレポート』を使っても、平然としているみたいだが、そこのところはどうなってるんだ?」

「私たち神子は、ここテラフォーリアで使用されている魔法なら、たいていの魔法なら、片手間で発動させることが出来るの。もちろん複数同時に発動させても、あまり魔力を消費しない。『瞬間転移テレポート』は、私たち神子の中で言えば、簡単な魔法の分類に入っているかっら、それこそ小指の先ほどの魔力しか消費しないの。

タケルたちが、『瞬間転移テレポート』を使うのには、詠唱次第で結構な魔力を消費すると思うよ。」

「詠唱一つで、そんなに変わるモノなのか。まあいい。あとで教えてくれ、ヒカリ。それでもう一つについてはどうなんだ?」

「ここについては、少し前に、ミライ…、アースドラゴンと契約した時に、ミライの知識と共有してね。ミライが言った事のある場所なら、空間転移テレポートで私も行けるようになったの。

この大陸は、もともとドラゴン族が暮らしていた場所だっただけ。今は、ドラゴン族が食料としていた動物以外、誰も住んでいないはずよ。隈なく調べた訳ではないから、詳しくは知らないけれど。ちなみにもうドラゴン族は、絶滅してテラフォーリアには存在していないけど。」

タケルは、ヒカリの話の中に出てきた単語に飛びついた。

「ヒカリ、その…、契約したドラゴンを見せてくれないか?」

「ここなら、私たち以外誰もいないから、見せてもいいわよ。具現化せよ『ミライ』。」

ヒカリの放った言葉で、ヒカリたちの前方に、巨大な魔方陣が現れ、そこから一体のドラゴンが姿を現した。タケシは既に一度見ているので、少しの感動だけでいたが、タケルたちは、初めて見るアースドラゴンに、驚きと感動を隠しきれずに、呆然と立ち尽くしていた。

『久しぶりだな、ヒカリにタケシ。今日はどんな用件で呼んだんだ?』

「とりあえずは、新しい仲間を紹介するわ。タケル、ノリコ、サトヒサ、ヒトミよ。

それから、ノリコの精霊魔法の練習に付き合ってほしいの。」

『お安い御用だ。我が主よ。』

「それじゃあノリコ。」

ヒカリに呼ばれて、我に変えるノリコ。

「はい!なんでしょう。」

ノリコの反応に、微笑みながらヒカリは話していく。

「昨日は、試しにあそこの岩山を吹っ飛ばしただけだったから、今日はミライを相手に、精霊魔法での攻撃を練習していこうかしら。ミライは私の召喚獣でもあるから、どれだけ攻撃を受けても、私の魔力が無くならない限りは、何度でも復活するわよ。

タケルはここに残って、戦闘経験のないノリコのサポートをしてくれるとありがたいのだけど、いい?」

「ああそれは別に構わないが、後のメンバーはどうするんだ?」

突然降られたタケルだが、快く返事をした。

「戦闘の邪魔をしなければ、この大陸の中なら何処にいても構わないわ。なんなら、大陸内を探検してくる?私とタケシは、『電信指輪』を常に付けているから、タケシから離れなければ、何処にいても連絡が付くから。

タケシ、昼になったら、空間転移テレポートでここまで戻ってきてくれる?」

そういって、ヒカリは、左手の薬指に填められている指輪を見せた。タケシの左手にも同じ指輪が填められている。それを見てヒトミが言った。

「それならお言葉に甘えて、私たちは探検に出かけてくるわ。」

「昼飯時に一度、ヒカリの元に戻ってくる。」

タケシ、ヒトミ、サトヒサの3人は、探検に出かけていった。それを見送ると、ヒカリが、ノリコの方に向きなおす。

「それじゃあ、ノリコ。早速特訓を始めましょう。まずは、何でもいいから、倒す気で精霊魔法を使ってミライを攻撃してみなさい。ミライは、全力で避けていいよ。とりあえずは、反撃は禁止ね。

とりあえずは5分間頑張ってみなさい。タケルは、5分間はアドバイスは成しでおねがい。」

『承知した。』

「わかった。」

「がんばってみる。」

タケルとヒカリは、100メートルほど離れた場所で、ノリコの戦闘を見学する。

それから暫くして、ノリコの攻撃とともに、ノリコとミライの戦闘訓練が始まった。

戦闘を開始した直後、ノリコは、風の大精霊シルフィードを召喚して、幾重にも重なる風魔法でミライを攻撃する。ミライはすべての攻撃を紙一重で躱してく。ノリコが勝利する条件は、ミライに一撃あてる事だ。その応酬を見ながら、ヒカリとタケルは、野球の解説者のような口ぶりで、攻撃の採点を付けていく。

「空を飛ぶ相手に、風の魔法を使ったのは合格点だけど、魔法のコントロールが少し雑だね。それに、攻撃が単調すぎる。」

ヒカリが辛口の採点をする。

「まあ、初めての戦闘にしては、いい線行っているんじゃないか。そこそこ大精霊に自分の意志を伝えれているみたいだし。」

精霊魔法については、それほど詳しくないタケルは、地球で遊んだゲームの内容を思い出しながら、精霊魔法についての予想を立てた。

「何も前情報なしに、あそこまで使いこなせれるとは、…どれだけ精霊たちに好かれているのかしら。あなたの奥様は。」

5分後、先ほど行われた戦闘についてのダメ出しが行われる。

「ノリコ、空飛ぶ相手に風魔法を使用したのは合格点よ。しかし、攻撃が単調すぎるわね。なぜ、上空の気流を乱すくらいはしなかったの?」

「ヒカリさん、『上空の気流を乱す』って、そんなこと可能なの?」

「貴方が使役しているのは何?すべての自然を司っている『大精霊』よ。上空の自然どころか、その気になれば、惑星全体の気流を変える事すらも出来るはずよ。そうでしょ。風の大精霊シルフィード?」

ヒカリの問いかけに、顕現したままの風の大精霊シルフィードが頷く形で答えた。まあ、そんな事をしたら、天龍エレメンタルが黙っていないだろうが。あの子は、たとえ『光の神子』であるヒカリの対しても、黙ってはいないだろう。

次の訓練では、水の大精霊アクアマリンのみで行うように指示される。先の戦闘では、何も言っていないのに、風の大精霊シルフィードだけで戦闘をしており、それならば、一体ずつ使役していこうという話になったのだ。昼食時になり、タケシたちが帰ってくる。このころになると、ノリコの魔力が切れて精霊を呼び出すことが出来なくなった。しかし、ヒカリは、ミライを具現化し続けているのにも拘らず、魔力切れを起こさずピンピンしている。

「ノリコの魔力が切れたみたいだから、今日はここまでね。続きは明日にしましょう。

どう?初めて精霊を使って戦った感想は?」

ミライを無に帰して、ヒカリがノリコに尋ねた。

「何か、私がしてほしいい事を、あまりうまくできていないように感じる。それに、一度の命令?で、持ってかれる魔力量が、とんでもなく多いのが気になる。風の大精霊シルフィード水の大精霊アクアマリン火の大精霊サラマンダー地の大精霊アールエルはそうでもなかったけど、光の大精霊アグネシア闇の大精霊ダリエアスの時は、一気に持ってかれたのかな。あれで魔力が枯渇してしまった…。」

「それは多分ノリコの考え方が、精霊に伝わっているからだよ。精霊に『命令』して魔法を使うにではなく、精霊と『協力』しながら、魔法を使うように考え方を変えなくちゃいけないね。それから、もっと具体的にやろうとしている現象をイメージしないと、精霊も何をどうしていいのか解らないと思うの。特に今回のように、協力してもらう精霊を指定して魔法を使う場合はね。あとは、精霊ともっと仲良くなることかな。」

ヒカリの講義を聴きながら、ノリコは昼食を食べていた。

話の矛盾点を修正しつつ、加筆しています。

話の内容を、大幅に改稿しました。

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