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私達、『パーティ鷺宮』です。  作者: ai-emu
第5章 鷺宮商会繁盛記
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第43話 事業拡大計画①

新年の神事も無事に終えた5日の夜、久しぶりに自宅のベッドで横になったヒカリ。自室の窓から見える南側の広大な空き地には、今、新たに大きなお屋敷が新築されていた。

「リョウコ、新居はいつ完成する予定だった?」

ヒカリは、侍女であり、有能な秘書でもあるリョウコにきいた。鷺宮商店の建つブロックでは、大きな屋敷が建設されていた。

ヒカリは、手狭になりつつある今の家を大きくするため、ブロックごと土地を購入して、新たに建物を建設していた。ブロックの大きさは、150メートル四方あり、そのうち、大通りに面した土地には、通り沿いいっぱいに、1階を食堂と雑貨店、2階と3階に、宿屋を経営するための部屋を配置した建物を建設。今の建物は少し改造して、ケンジが雑貨店から独立して始める、武器金物店と、その工房、ダイゴロウの馬車屋の事務所兼厩舎。従業員宿舎にする予定だ。

「新居ですか?順調に行けば、店舗部分があと1ケ月ほど、屋敷部分が2ヶ月後でしょうか。それがどうかいたしましたか?」

「だってね、ここカランに根をおろして、1年とちょっと。最初は、サトミさんの食堂から始まった商売も、半年ほどで、カランでも上から数えたほうが、いいほどに成長してしまった。

事業拡大のために、ジョルダンさんに相談したら、この建物のあるブロック1つを、買い取らないかと持ちかけられた。そして、安く譲ってもらい、新たな新居を建設している。カランのあちこちに点在する土地も、そこに建っている建物ごとついでに買わされたけど。

このブロックは、悪徳商人と貴族の誰かが、何かをするために買い占めてたらしいけど、そいつらが捕まって、カランの公有地になったものの、しばらく放置されていた場所でしょ。そいつら、この土地で何をするつもりだったんだろうね。貴族の方は、年末から新年の神事の時に、私につっかっかてきて、何か知らないうちに、灰になって死んじゃったわね。あれって、フレアが何かしたんでしょ。」

ヒカリは、膝の上で丸くなっている白猫の背を、軽く撫でながら聴いた。白猫は、顔をヒカリに向けると、当然だというようなドヤ顔をして話した。

「そりゃあ、ボクのヒカリちゃんに手を出したんだニャ。当然の結果だニャ。まあ、ボクがやらなくても、あの状況なら他の誰かが、あの貴族の命を奪ってたニャ。」

「フレア、何?その喋り方。」

「これかニャ?これは、マコトが『喋る猫なら、語尾は当然”ニャ”にするべき』という主張をボクとムーンに説いてな。なんか萌え要素というらしい。ヒカリが嫌なら辞めるニャ。」

「まあ、そのほうが、堅苦しくなくていいけど。私たちの前ではそれでいいけど、神様として仕事をするときは、威厳のある喋り方にしてね。」

「当たり前だニャ。」

3人で談笑しつつ、リョウコが話を戻す。

「それはそうと、なぜ、新居をこちらに建設しているのですか?その逮捕された貴族の屋敷に移れば、無駄なお金はかからずに済んだでしょうに。其方もここのブロックを安く購入する条件で、買い取ったんでしょ。」

「だってさ、リョウコ。其処、生活するうえでとても不便な場所なんだよ。貴族だと言ってもあいつは、男爵でも下の方だったらしいから、貴族街でも不便な場所だし。それに、内装や建物の形が、私の趣味に合わないし…。

ここなら、向かいは市場だし、南門に抜ける大通りに面しているから、人通りも多いし、屋敷を構えるなら当然ここでしょ。」

「それでは、元貴族の屋敷は、何に使う予定なんでしょうか。あちらの建物は、そのままにしておいででしたが。」

「あそこは生活していくには、とても不便な場所だけど、貴族街と平民街の境にあるでしょ。それも結構広い土地で、街の外れにあって少し大きな音を出しても、あまり迷惑にはならない場所でしょ。買い取る時に、ジョルダンさんに相談して、もう少ししたらそこで学校を開こうと思うの。今は、生徒と教員を募集中ってとこかな。

今屋敷は、倉庫として使っているけど、ここの新居が完成したら、屋敷内にあった家具や調度品を、新居で再利用する予定。建物に似合った調度品や家具を置かないと、家が可哀想だもの。でもそういうものは、総じて値が張る物。リョウコも一緒に見に行ったでしょ。あの豪華な調度品や家具を再利用すれば、そこらへんの購入費を節約できるし、学校を開くときは、そんなもの邪魔なだけだから。

まあ、そこの庭は、植えられていた物をこちらに移動して、更地にしてグランドにする予定。」

「では、そのように手配しておきます。ところで、まとめ買いした土地の中に含まれていた、ドメイクの屋敷跡はどういたしますか。」

「あそこかあ。たしか其処って、市場を挟んだ向こう側だよね。」

「はい、そのように記憶しております。」

「場所としては、ここと並んで1等地だけど、現在考え中。あそこの庭は結構いい感じに整備されていたけど、あのまま使うわけにはいかないしなあ。建物なんか、救出作戦の時に半壊しているしねえ。それにケイコにとっては、嫌な思い出しかない場所でしょ。いい案が浮かばないのよね。まあ、しばらくは放置しておきましょう。ただし、警備はしっかりしておいてね。」

「ではそのように致します。」

「それからリョウコ。」

「はい、なんでしょう。」

部屋を出ていこうとしたリョウコを、ヒカリは呼び止めた。

「店舗部分の完成とともに、食堂と雑貨店はそちらに移動します。上の宿屋の開業は、もう少し先になりますが、サトミさんと相談した結果、営業日と営業時間が変わります。それに合わせて、従業員も増やす必要があります。今の体制では維持できないので、新たに人を雇いたいと思います。

雇う人数は、食堂が、厨房に10人、給仕に20人。雑貨店の方が、魔法薬製作に5人、魔法具製作に5人、売り子に10人。金物店に鍛冶師が、見習い含めて10人前後、売り子に5人、ダイゴロウさんの移動馬車に御者として5人、御者の補助及び魔術補助として5人。厩舎での馬の世話人が10人前後、馬車の整備が10人前後。あと、各地の別邸の別邸の管理に20人くらいを予定しています。

去年の暮れにギルドに求人を出していますので、来週の頭には、面接が出来ると思います。ギルドの方の担当者は、前回と同じギルバードさんです。ギルバードさんの話によると、既にかなりの数の方が、応募してきているようです。」

「ヒカリ様、そのような大人数は、この建物には入りきらないと思いますが、何処で面接を行うのですか。」

「面接の会場ですか。今回は、人数が多いので、先日買い取った貴族の屋敷で行いたいと思います。この事は、すでに屋敷を管理しているトーマス島田という執事に伝えております。

今現在、トーマスの下に、メイドが20人、庭師が20人、料理人が5人、警備担当が10人屋敷の管理のために常駐していますが、こちらの屋敷が完成した時、全員こちらに移動していただきます。この方たちは、既に私に雇われております。それに伴い、鷺宮家のみんなには、別邸の管理をしてもらおうと思います。そろそろ侍女として、一人前にやっていけるでしょう。それにいつまでも、私に甘えて生活させるわけにはいきません。」

「承知いたしましたヒカリ様。明日にでもあちらの屋敷に伺い、面接時の詳細を詰めてまいります。」

「リョウコ、面接の概要は、既にトーマスに伝えていますので、細かな詳細を詰めてきてください。私の代わってよろしくお願いします。」

「承りました。」


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