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私達、『パーティ鷺宮』です。  作者: ai-emu
第4章 『鷺宮』の名のもとに家族になりました
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第29話 ダイゴロウの仕事

『鷺宮商会』のメンバーが家族となり、テラフォーリアで暮らすことを決めた翌日、ヒカリは朝早く、厨房に立っていた。ヒカリは、冒険者としてカランからいない時以外は、メンバー全員分の食事を作ることにしたからだ。

ヒカリの独白から、家族になり新たな一歩を踏み出した後、ヒカリは、皆の前で言った。

「これからは、私がカランにいる時は、みんなの食事を作ることにするから。サトミさんは、食堂で忙しくしていて、メンバーの食事までは、手が回っていないみたいだから。

今までは、苗字か名前で呼んでいましたが、家族になった事なので、皆名前で呼び合う事にしましょう。苗字だと、何か余所余所しい感じになってしまいますので。…それから提案なのですが、バラバラな苗字を一つに纏めませんか?家族の結束の意味を含めて『鷺宮』と。」

ヒカリのこの提案は、すぐに受け入れられた。『鷺宮』の名を名乗ることにしたのは、ここに集まっていたメンバーが、『鷺宮学園』の生徒と教師、そして、たまたま鷺宮学園年1組を乗せたバスの運転手とガイドだったからだ。その後、テラフォーリアで名乗ったパーティ名が、『パーティ鷺宮』であり、サトミさんが開いた食堂名も、『鷺宮食堂』。何かと『鷺宮』に縁があるため、そのまま『鷺宮』を名乗ることにしたのだ。

「こちらでの名前の変更は、明日以降になりますが、私は、この瞬間より、『今宮光莉』ではなく、『鷺宮ヒカリ』と名乗ります。他のみんなも、これからは私と同じように『鷺宮』を名乗ってください。名前の部分は、『漢字』ではなく『カタカナ』に統一していきたいと思います。『鷺宮』の名のもとに、一致団結していきましょう。

これからさらに忙しくなると思うけど、みんなしっかりと働いてください。家族とはいえ、働かない者は出て行ってもらいます。」

「ヒカリちゃん、俺のする仕事なんだけど、少し相談に乗ってもらいたいんだが。」

「何ですか?相談とは、鍵…いや、ダイゴロウさん。」

「ダイゴロウは、呼びにくいだろう。これからは、ヒカリちゃんたちの父親になるんだから、俺のことは、『おやじ』とでも、皮肉を込めて呼んでくれると嬉しいのだが…。」

ヒカリは、ダイゴロウの提案に、苦笑いをして答えた。

「そう呼んでほしいのなら、せめて私ではなく、男子どもに頼んでください。男子たちなら、喜んでそう呼んでくれると思いますよ。私は、親しみを込めて「お父さん」と呼ばせてもらいます。目上の人に敬語で話してしまうのは、地球にいた頃の癖なので、どうか許してください。」

「まあ、俺は構わないから別にいいが。…それにしては、サトミに対しては、やけに崩れているのはどうしてだ?」

「…サトミさんは、私の『母親』になりますが、なんか、『母』というよりも、『姉』と言った方がしっくり来るというか、なんというか。そんな感じです!

それよりも、要件は何ですか?お父さん。」

「おお、そうだったな。ヒカリちゃん、俺は、ここで馬車を1台買って、乗合馬車をやりたいんだが、…、馬車って、結構高いだろ?実は、俺の手持ちでは、予算が足らないんだ。娘に言うのは何だが、少しお金を貸してくれないか?」

「それが要件でしたか。ところで、お父さんは、御者の経験はあるのですか?」

「御者は、地球にいた頃に少しかじった事がある。練習すれば乗りこなすことも可能だろう。」

「それでしたら、私から、馬車を1台プレゼントします。サトミさんから、お二人が結婚すると聞きましたので、何かいいプレゼントはないかと思案しておりました。馬車は、私からの結婚祝いとして、お父さんにプレゼントいたします。」

「ヒカリが馬車をプレゼントするなら、俺は、親父にそれを曳く馬をプレゼントしよう。」

そういったのは、タケシだった。タケシも何か、プレゼントをしようと考えていたらしい。他のメンバーも、手持ちの金で賄える範囲でプレゼントを渡すようだ。

「これで要件はすべて済みましたね。女子たちはサトミさんのお手伝いをお願いします。リョウコは、私と一緒に賄作りをお願いします。夕食の準備が整ったら、呼びに行きますので、それまでは、自由に過ごしてください。」

ヒカリは、そう言うと厨房の中に消えていった。ここ『鷺宮商会』は、宿屋だった頃の名残で、厨房が2つある。サトミは、表側の食堂に隣接している厨房を普段使用している為、裏側の従業員用の厨房を、ヒカリが使用することにしたのだ。

その日の夕食は、久しぶりにヒカリの作った料理が並べられた。サトミの味付けとは違い、何処となく洗練された料理は、皆に好評で全て完食された。

翌日は、ダイゴロウとの約束で、馬車やに出かけたヒカリとタケシ、ダイゴロウは、まず、役所に出向いた。メンバー全員の名前の変更をするためだ。役所でジョルダンを捕まえて、名前の変更理由を伝えると、奥の部屋に通されて、変更用紙をメンバー全員分分担して記入していく。ジョルダンの話では、ヒカリたちのように、まとまってテラフォーリアに来た場合、義理の家族を作って暮らす人が多いそうだ。なので、こういう変更は比較的簡単に出来るらしい。

役所を出たヒカリたちは、目的である馬車屋を訪ねた。荷馬車や箱馬車など、大小合わせて数多くの馬車が売られており、馬車の性能に応じて、値段もピンからキリまである。ヒカリは、値段に上限を付ける気はさらさらなく、また、やることに応じたものを購入することにした。結果、10人乗りの豪華な3頭曳きの箱馬車と、荷物の施用に後ろに牽引する小さな幌馬車、練習用に4人乗りの箱馬車をそれぞれ1台購入した。値段は、金貨4枚だったが、ヒカリにとっては大した金額ではなかった。次に向かったのは、馬屋だ。ここでは、馬車を曳くための馬を購入する。馬車の走行ルートは、ロンドリアとカランの間を予定しているため、長距離の行軍で、尚且つ大容量の荷物を曳いてもばてない馬を3頭購入した。金額は、金貨1枚、こちらもタケシにとっては、大した金額ではない。昼の鐘が鳴る前に、鷺宮家に戻った一行は、裏口から馬車置き場に馬車を止めた、さすがは元宿屋だけはあり、馬車を置くスペースや、厩舎まで完備されている。馬に与える餌代屋厩舎に弾き詰める藁代は、ダイゴロウが用意するみたいだが、最初の1回は、ヒカリとタケシ以外の子供たちが出し合ってプレゼントした。

昼食を終えたヒカリは、メイド服に着替えて、隣に立つ元鍛冶屋に顔を出した。メイド服に着替えたのは、これから掃除をするため汚れるからだ。

まだ、商品の陳列すらされていない店内は、ガランとしており、ヒカリは、とりあえず店内の掃除から始める。各地の購入した別宅の整備も大切だが、これから始める雑貨屋の開店準備も大切である。奥の工房にはケンジがいて、設備の整備を朝からしていた。

3階建てのこの建物は、1回は、店舗スペースとして、工房と売り場、武器屋としての設備として、剣などの素振りを行うための広い部屋がある。2階と3階は、いくつか部屋があるため、将来的には、ここを増えた従業員が使う宿舎にしようと考えている。もちろん、本宅である元宿屋の建物と繋げる予定である。1階の掃除を終えたヒカリは、夕食を作るために、一度自室に戻って着替えてから、目の前にある市場に買い出しに出かけた。「今日は何にしようかな。」と市場の中をぶらぶらしていると、後ろからヒカリを呼び止める声がかかった。

「もしかして、今宮さんではありませんか?」

その声にヒカリが後ろを振り向くと、そこにはもう死んだものとして忘れていた元クラスメイトの1人が、みすぼらしい服装で立っていた。

話の矛盾点を修正しつつ、加筆しています。

話の内容を、大幅に改稿しました。

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