第49話 レポート受諾のテンプレメールに「P.S.」が!?
「サンドイッチをするとなると、やっぱりあれがほしいよなー」
「あれ? あれって何?」
もったりとしたクリーミーさ、程よい酸味とまろやかさにコクを合わせ持つあれだ。マヨネーズだ。
サンドイッチでは、味つけとしてだけでなく、パンを挟む具材の水分から守る役割も担う。
――まあバターでもいいけど。
でも、個人的には圧倒的にマヨネーズ派なんだよな。
「……よし。エルル、ちょっとやりたいことがあるから、野菜と燻製肉、それからパンをサンドイッチ用に切ってくれるか? コンロがないから、焼くのはあとで俺がやるよ」
「? うん、分かった。任せて!」
俺は作業をエルルに任せ、パソコンを持って自室へ入る。
さっき机と椅子を作っておいてもらってよかった!
「今日は本当にいろんなことがあったな……」
まず、宿屋エスリープを出てギルド登録をしに向かうところから始まって。
『風の初級魔法①』を買いに行ったら魔法書担当者が実は変態で、そいつに弟子か下僕にしてくれと迫られて。
そのあと女神にもらった【地図帳】に転移機能があるのに気づいて、菜の花畑へ飛んで、そこで風精霊のウィンと契約して――。
「そこから薬草採取でもしようと北西の森へ向かいがてら、精霊たちからドロップスの存在を聞かされたんだっけ?」
ドロップスの存在を知ってから一日も経っていないなんて、信じられない……。
で、何やかんや話してたら、フラムの【誘惑】とやらでエルルがきちゃったんだよな。しかもフラムいわく、エルルの身に危険が及んでいる、と。
だから仕方なく合流して、そのままビスマ村へ向かうことにしたわけだけど。
まあでも、そのおかげでドロップス――セインにも会えたし、旅も順調だし、結果的には良かったのかもしれない。
けどガラルとかレスタの女将さん含めた従業員とか、こんな突然エルルを連れ出して怒ってないだろうか……。
突然手紙一枚で町を出るなんて、本当に大丈夫だったのか?
次会ったとき殴られませんように!!!
「――まあ、レポートはとりあえずこんなもんでいいか。細かい内容はまたあとで追加で送るとしよう」
俺は、今日あったことをざっくりと大まかに書き記し、メールで送付した。
しばらくすると、いつも通り返信の通知が入る。
どうせあのテンプレメールだろうと思いつつ一応目を通すと、今回は「P.S.」がついていた。P.S.長いな!?
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アサヒさん
レポート受け取りました。ありがとうございます。
報酬のポイントは、ショップ画面からご確認ください。
それでは、引き続きよろしくお願いいたします。
P.S.
エルルさんの件、お疲れさまです。
旅人として新たなスタートを切ったばかりなのに、早速女の子を救うとは。
さすが魔王を倒した元勇者ですね!
そういえば神谷旭の死亡理由も、通り魔から女の子を助けた際に刺されたことでしたっけ?
ほっとけない、断れない、ついうっかり助けちゃう性格のアサヒさん、私嫌いじゃないですよ!
彼女いない歴=年齢以上なアサヒさんには女の子との生活は大変でしょうから、ポイントをサービスしておきます。
私、優しい女神ですから!
ただ定時で帰るだけの女神じゃないですから!
それでは、引き続き良い生を過ごせることを願っています。
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メールの正体おまえ本人かよフィーナ!
いや、まあ今回はたまたまってこともあり得るけど……。
――ったく、悪かったな彼女いたことない優柔不断で残念な男で!!!
そう思いながらもポイントを確認すると。
なんと「50060ポイント」と表示されていた。
これは助かる! ありがとう女神様!!!




