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第9話 宿屋「エスリープ」へ

 魔法書を買ったあと、俺は一般書コーナーでこの世界のことが分かりそうな本を数冊、それからウェスタ村周辺の地図を一冊購入した。

 地図、売ってるのかよ!!!

 これでアイテムの【地図帳】がただの地図だったら怒るぞ……。


 どうにか人のいない路地に身を隠し、買った本を【アイテムボックス】へと収納した。今日の夜は、早めに【ポータブルハウス】にインハウスして勉強だな。

 食材や調理器具も確保できたし、食事に困ることもなさそうだ。


「いらっしゃい。さっき予約してくれた人だね」


 宿屋「エスリープ」に着くと、予約したときと同じ、青い髪をポニーテールにした青い瞳の女性が声をかけてくれた。キリっと整った顔立ちで、かなり美人な部類ではなかろうか。


「部屋は二階の五号室だよ。はいこれ、部屋の鍵と朝食券一ヶ月分」

「ありがとうございます。朝食がついてるんですね」

「ああ、うちの朝食はおいしいぞ。楽しみにしててくれ」


 この宿屋「エスリープ」の宿泊料は、一泊5000ボックルが基本となっていて。

 一週間なら30000ボックル、一か月なら120000ボックルと、長期滞在者用の割引サービスもある。


 宿泊することになった部屋は、簡素ではあったが掃除が行き届いていて、男一人が一ヶ月暮らす分には申し分ない。

 ベッドや布団の類、棚、机など最低限の家具も備え付けられていた。

 そのあたりは【ポータブルハウス】よりちゃんとしている。

 掃除は三日に一度のペースでしてくれるらしく、タオルはあるが、それ以外の必要なものは別途買う必要があるらしい。


 俺は一通り確認したのち、【ポータブルハウス】にインハウスして今日買ったものを確認することにした。

 改めて全部出してみると結構な量だ。


「まずは忘れないうちに、ここまでのレポートでも書くか。ポイントも枯渇してることだしな」


 買い物は外でもできるが、この世界で売られているものは、正直言って食品以外は質がイマイチだ。

 服や下着、タオルは生地がゴワゴワしているし、石鹸も一種類しかない。

 これしかないなら我慢できなくはないが、手に入るならやっぱり良いもの、使いやすいものをほしいのが人間ってものだろう。


 俺は今日ウェスタ村で見たこと、体験したことを思い出し、できるだけ詳細にレポートに記していった。

 それから、購入品と金額をまとめたものも提出してみることにした。

 一日1000ポイントでは、数万ポイント必要な家電までの道が遠すぎる。


 *****

 アサヒさん

 レポート受け取りました。ありがとうございます。

 報酬のポイントは、ショップ画面からご確認ください。

 それでは、引き続きよろしくお願いいたします。

 良い生を過ごせることを願っています。

 *****


 テンプレ的なメールの返信を待って、早速ショップを確認してみる。

 ポイントは、6010ポイントになっていた。

 どうやらレポートの文字数や内容によって、もらえるポイントが変わるらしい。


 俺は食器用洗剤(250ポイント)とスポンジ(150ポイント)を買い、買ってきた調理器具や食器を洗ってタオルの上に並べ、買ったものを一通り整理して魔法の取得に挑むことにした。

 食材も買ってきたことだし、最低限水、火、氷魔法は覚えたい。


 *****

 所持金:4,767,100ボックル

 ポイント:5610ポイント

 *****

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