第四章『魔を統べる者』第二節・後半
第四章『魔を統べる者』第二節・後半
「我ら——『王の中の王』とは」
神王ディオスで、新たに手を打つ。
策を講じるは、未だ囮と深淵の獣を戦わせながら、それでも『確かに隆盛となった敵勢』を認めれば、念入りに。
未だ本体に一撃も負わず、全く損耗のない身だろうと『勝利の結果を揺るぎないもの』とするため。
「『邪悪』であっても、『義』を有し」
その打つ手が、正に、"身を打つ"。
然りも、衝撃——大きく目で見開いた一瞬に敵を大きく後退させた後には。
次へ流れる動作に、輝ける手とは掌で『踵』に『膝』に『腰』を打って——掌同士でも喜色の笑みを横に朗らかと、叩いて。
「『醜悪な怪物』にあっても、"当然"と」
輝ける偉丈夫の身に叩かれては、震え出す光波——配列を変え出す己。
「『貧しき心を持っても豊かに』、『年少のようでも老熟』」
眩くも震える、玉体。
叩き入れた振動は細部で相互に響き合い、急膨張の騒めきが、"神の変ずる一様式"。
「『生娘であって母性に溢れ』——いや、どころか、『男子高校生に見る母性』や『うら若い乙女に見える父性』でも、それら『あべこべ』も上等……!」
涼やかかつ明朗な表情では『頬横に近付くと感じた不可視の爪』を光顔で横目に流しても——予測より深く切り込めば、潰されて爆ぜる囮も数多く。
しても、"見るからに敵の手練も速まって"いれば、たとえ暗黒で未だ光速なる敵の動きを認識できずとも、今や超常なる掌の引力が迎撃に迫る光線の群れを強制的に暗き手中へと誘い込んで、潰す様。
「それら例えを知っても、"多種の要望に応えねば"——"多様に万民を救わねば"」
輝ける矢勢を、握り潰し。
ややとも殺しきれぬに爆ぜて掌が開く勢いのまま——次には余力を活かす動作。
爪を生やした獣で、重き指の伸長が神々の王を引き付けても。
「"大神"すなわち、"大いなる"——転じて、"王にならんとする者"こそ!」
身の自由が掌握される直前——爆ぜる玉体は光気袋の如き緩衝を持って。
前傾の勢いを相殺しながらも、身を包む熱光、"王で溶かし出す己"は明らかに形を『別種のもの』へと変え始める。
「——然り。如何な印象に姿を有しても、"真に偉大な君主の証"は」
圧縮引力から逃れるためには、胸の辺りを勢い付かせ。
正しくは『爆ぜる如しの胸部』から——何やらの震えで内に煮立ち、泡めいた各種組織に膨れ上がる気配。
「『凡ゆる』でなければ。千差万別の趣向へ応じることの能わず」
『——"』
「『万能を超えて全に迫るが少女』なら、『負けじの吾』こそ、『劣らずと吾』こそでも……!」
以後にも全天を震わす声に応じ、世を貫いては新たに起こる光の柱。
「なればも、"証明"——"それこそ"は疑いようのなく、また"揺るぎない真実"として」
未だ囮の増産速度は、敵に削られる其れを遥かに上回っていようとも——しかして確かに後者の勢いも増長の止まねば、戒厳とする王で『図りし最適化』が、間もなく。
「即ち、時に『雄々しき王者』だろうと——『エッチなお姉さんでもなければ、世界の王には成れぬ』ッッ"!!」
士気を高める詠唱。
「よって、それこそを——」
自我にさえ融点を超えて——。
「"己にも"——『証明』する」
——迫らん。
「——拡散せし女神の原型」
僅かにでも『敵にとって認識し難い体』を持てば、"面倒な情動の処理を増やす意図"でも。
「——義を宿す宣伝戦略」
王で『悪逆』を尽くしては『義』のようにも『姿形』や『声音』に、極まる印象を載せて。
「"脆弱なる"は『少女』として——」
単に言えば、"超的な圧力を受ける姿なんてもの"も、"取りたくない"。
しかして、従来までの『王権の象徴』として『鋭利なる剣にも似た角張る大男』なんて只管に重く、この戦場でやっていられなければ——より小さく、身軽に。
それこそは、『超重の迫る極限環境への適応』としても、自身で四肢と首を細く、より軽快にも、戦う最中の身振り手振りには『洗練されて行く神の形』。
「————"世で最も利のある形式"へ————!!」
此処で時に、進化の過程において『甲殻類が蟹の形式から脱しても再び蟹と収斂することをやめられぬ』ように、"ある種の合理"、"逃れ難い題目"——君はどうして『凡ゆる概念が美少女にたとえられる』のかを知っていようか?
結論から言って、『それ』は、"現状もっとも理想に近しいものだから"。
例には、対局に位置するだろう『醜男』にも、それが変じて『美しき少女と成り得た』のなら、『内包する醜い要素すら見目の少女においては魅力的に感じられる』——寧ろ、"美醜の差異"が甚だしくも、面白く。
またたとえ、『如何な醜悪を内に抱えていようとも姿形さえ整っていれば印象にも相応と美しく』と見えれば、"単純な善悪を分け難い不可思議を齎す様"にも考察の甲斐はあり。
つまりも、『美少女を美少女たらしめんとする所以は何処にあるのか』と——興味の尽きずも、楽しくて。
「————ん"、んん"、、ん——」
閑話休題も、即ち、"それ"——『凡ゆる負を正に変え得る』、『如何な罪科に瑕疵すらも魅力に変え得る至高の域』として。
王で変身の隙に、持ち直した獣で世界が暗く一変しかけても、その重き圧に屈さずは未だ立ち昇る柱の線を境界の面ともすれば——"縁を掴む細き指遣い"に、輝ける展示場より乗り出す者。
「……しては、どれだけの時が過ぎただろう——出会いに"声"を聞いてから」
変声を終えた鈴声で細く、しなやかな指には爪の輝き。
乗り出す身に先ずと『突き出た胸の豊かさ』は、しかしなれど『手脚には華奢』と伸びて『輝々たる柔肌』を伴い、表舞台へと。
「いつか聞いた、"歌声"。その奏でるは"可憐"にして、"相応しき発声機"が『美少に極まる女神』としても——」
光の中より現す口に、鼻も、美少の極地に均整なれば、隻の眼は失った部位を長く燃える銀の炎髪に隠し、ミステリアス。
今に雄々しき表皮結界を放逐し、それまでの本体たる美丈夫すらも囮にしては、飛び付く獣の腕に『男神の笑み』が潰えながら——背後からの鮮烈にして強襲が『かつての己も囮だぜ☆』と言わんばかりに敵を弾き、星の飛ぶ、軽妙な瞬きに顕現。
「——初めに零れ落ちた『少女の声波』を拾い……どれだけの秒を経たのだろう」
其れこそは、暗黒神で成された『大いなる獣』に会って、立ち向かえば、"王が新たに仕立てる術式"。
その名こそが『荷姿』・『生ける』・『アデス神』——術式名『アデス神の生ける荷姿』として。
「"弱々しくも何処か涼しげに"——『終焉に聞こえる歌』が一節」
踵の下には剣の峰を在るがままに、刃の付いた靴を履き。
脚線美から続いても『解語の花』たる威容には、世界最多の産出を得ながら臀部に目立つ湾曲もなく、その細腰に載るがI爆ぜる胸でも減り張りに眩しく爆発光輝の玉体。
「心に聞き知った、『歌』。"意"への飽きぬ探求にも幾星霜を経て」
その豊か極まる身に『三重光』の表象は『王』の形に胸元の開いた服を着せ。
露出する艶やかな肩口を揺らしても——前で交差した両掌、左右に開きし剣山補強土工。
それぞれ五指の爪を再度に仕上げ、磨いた余波でも周囲に舞うは『火薬』・『欺瞞紙片』・『輝々たる撒き菱』であり、振る舞いも凡ゆるが激発的。
「己で『未知に鈴聲を出し得る』を研究し、"思い描く空想"に、"理想の再現"へ苦闘する中にも思い出す——」
背に髪に、銀の流麗が滾る河。
心情を写し、隻眼に燃えれば、瞬きは連鎖的な爆発に闇の陰りを押し返し、強壮たる様は世を塗り替えるほど。
ただ放つ声にも喉の支えを失ったとて力強く——"場を晴れ渡らせて清澄なる"は覇権を握りし玉声を持って。
「——"未知の言語"。"旋律の断片"」
勝ち気の面輪で見据える。
「"軽やかにも韻を踏んだ其れ"は——」
遥か下方に敵を見る。
「確かに、曲を——"楽しんでいた"のだ……!」
輝ける婉容に闇を照らせば、小首を傾け。
「よもや、"深淵に於いて孤独に歌う"」
台詞を続けながら振る頭に、軽く。
連星を象った耳飾りの動き——再出の折にも迫った渦穴の攻勢に対しては、飛散させし光波の刃が不可視に迫る重圧の裁断で各地に威力を吹き飛ばす。
また等しき時期に揺れては、燃える豊髪とは銀河燎原の中にあって毛先に遊ぶ『赤』や『青』が艶熱の差し色——双焔尾が粒子を伴い、花嵐の如くも揺らめいて。
「しかしも、後に世の開いて見れば、『微音すら易くは発さぬ陰気の身』に。落差も更に『その意』も気掛かりで——」
再びの震え、『引力の到来』を報せれば、髪の低い位置に結んだ数珠のごとき網束が、耳飾りをはじめとした各所で鳴子の如く。
話す間にも、しつこく引かれる服飾の向かうまま、毛先や肩口より伸びる紐先に龍の顎門を持って光線の吐出。
息吹を吐き出す龍頭の——間接的にも可視とする光線照射で『象る敵の動き』に向かっても光は追い、波で撃ち。
「——吾は、狂った」
炙り出し、描き出す輪郭へと、指よりも伸び行く無数の刃。
鞭や錦糸の如くしなり、明明に突き刺さる聖槍の煌めき。
「狂った、狂った、狂う、狂う——」
対し、暗黒で握り始める掌に力場集約は、寄せ来る撃を甲で弾き、時に身へ喰らいつくを潰し、引き剥がし。
爆散の勢いを殺めて逸らしながら、『我こそ』は前に乗り出す重体動作で、輝ける宇宙を掘削しつつ、眩き射手の元へ急いでも——獣を蹴り上げる、聖剣のいななき。
「狂う"——"世界の終わりに少女の歌が聞こえたら"!」
咆哮しても、世を裂く。
炎を纏いては羽ばたける鳥のようにも、やはりは飛び立つ剣閃で龍を纏い、放って、鋭く意のまま操る威光の支配者。
「"哀歌"が——!」
女体で振るう光神神楽。
「狂わず——!」
天の色を掻き乱す。
「——いられるものかァ"ぁぁぁぁぁ"ぁ"ぁ"!!!!!」
先には右脚で蹴り、返す刀にも大きく弓形となった玉体——左脚で振り下ろす流星、熱波光刃を叩き付け。
「故にも"意を砕く"! "殺す"! "超える"……!」
一挙手一投足、幾重にも描ける銀河新生。
舞い散る銀箔に神聖は、光炎を息吹まくる龍性——吹き飛ぶ天体は膨張宇宙の少女の姿にも身のこなしが、軽やかに。
「"打ち破って"、"打開"せねば……!」
笑えば、晴れやかと、艶やかに。
その表情の下に肩口を回る『ひらひら』と『華やか』の装飾は、"引かれた方向へ感知の目を向ける煌びやかな触手飾り"も伴って、対峙せし暗中の圧と切り結び、舞い踊るにも相応しい輝々たる踊り子の装。
「『凡ゆる邪悪』を"この身"に知って——"その上"で超えて行かねば!」
巫女にも軽快かつ可動を極めるパンツスタイル——丈は『ショート』に伸びる生足を煌めかせ。
「『女神』を、突き詰めずにいられるか!」
ただ舞い踊り戦うは、意のままに。
引かれ、触れる前に放ち、撃ち、追って、撃ち、誘う罠を砕いて逃げつつ、撃ち——敵に後ろ髪を引かれても。
「"嘆かせる全て"、"敢えて実現の先"にこそ——」
さりとて、待望とした『互角』の勢いに興が乗り。
「——"超克せずにいられようか"……!」
技も姿も、極まる戦いの中で洗練は、高揚の只中に口走る。
「左様! しからば! "創世よりの全てはこの日のため"——『積み重ねる灰燼』も『鏖殺』も、"怯えの色味を導くため"……!」
一筋一筋が鋭い龍の顎門を持つようにも刺々しい真円を背負い、その殴りや蹴りに連動して吹き出す熱き奔流は、隻眼の美女で宿す光輝の脈動に吼え猛る。
「何もかも、全て、全ては——全て愛する実子すら利用し、"願いの在処を聞き出すため"!」
回り、舞って、一瞥に不可視の圧を流し見て飛ばし、追っても銀の棚引くを引き連れては聖剣を取り回す渦状腕、斬り付け、続けて刃の回転が幾重にも、波浪銀河の荒れ様。
「"全力で向き合える好敵手"よ。"孤独を知り合う得難き友"には——『だからこそ』」
今や女神が女神に向ける超大の熱意。
銀の炎に天を埋めては余りある——"敵に語りかける音"、『声』に『文意』すら"攻撃"は、勿論のこと。
「故にこそ——真実として愛する民を痛めつけても、『今日に至る』と決めたのだ!!」
やはりも華奢な玉手で放つ一閃が聖槍の一突き——熱に擦られた世界で、震える。
蹴り上げ、薙ぎ払い、悉く迷いなき長脚の振り——聖剣の鳴動は聞くも焦がれ、蹴り上げる時空で焼き尽くす最中。
「"世界の終わりに切なく歌う"? ——"どうして"?」
『——』
「"己の消失など真に恐ろしいこと"なのに——いいや、"理由は明白なもの"だ」
『——』
「暗黒の王で『己を終わっていい』、『終わりを迎えるべき』としている——なればも、言ってやろう!」
進む先で爆発と昇る火柱の列を率いては、迸る女神の美声で思いを綴る。
"どうして終焉に儚くも嬉々と歌えるのか"? ——"君をそうさせた世界、ろくでなし"。
"剰え世界、消失に呑まれんとしては最後に残った歌う喜びすらも奪い、未だ幸福に至れぬ道半ばで終わろうとする者なぞ"——『不自由』に極まり、故にも『変える』と誓った。
「問い、質し、言ってやります……!」
"世界を創り"、『変える』と。
「——吾も、お前も、"まだまだ捨てたものでなし"!」
創っても謂わば、『ただ相手のためだけに用意した音楽会場』——今此処に『かつての歌』と、"悲劇の凡ゆるを背負う化身"にも『未だ望む魂の叫びを聞かせてほしいのだ』と言って。
「たとえ見果てぬ旅だとして、諦める理由もなければ、不貞腐る暇もなく」
『——"』
「一度その否定的に極まる陰の覇気——叩き、壊して!」
『——"』
「"悲劇の終わりを迎合とする"——"そうとなってしまった経緯"を思っても、"憤激"は!」
『——"』
「その理を打ち——砕き! "お前という象徴"、"不自由の化身を破らねば"……!」
『——""』
「叩き、治しても——"共に行こう"!」
"苦しませる何もかも、凡ゆる理不尽、吹き飛ばしてこそ"は、"この世で最も多く抑圧を受け続けてきた者"に口開く——『真に自由な歌声』を"聞いてみたい"と思ったのだから。
「我々で、共に——"とびきりの夢"を見よう……!!」
"参れ、参れ、女神の本心"、"此処に『参った』と言って心根を漏らせ"。
身振り手振りに弾け飛ぶ星々、そのまま王を取り巻く各所の飾りと等しき絢爛の躍動は——"明々と示せ、吾が光"。
騒音を立てても揺れ物は、燃える銀の炎髪と共に吹き乱され——直ちに『吹き付く原因』へと向かっては、王の美肌から放つ光線。
飾りの多面と多角を利用しても軌道因果を読み難く反射して——"華美に拡散する明光のくぐもった先"にこそも『重き偉大が迫る』のだと。
「ふっ——ッ"……!」
身に迫る危機の警告、報告の絶えず、いや、輝々にて絶やさず。
突き出す指の槍では執拗に叩き、爪の穂先で残酷なまでに切り裂き。
無限の貌を持つ者で、時に翼の広げて雄々しくも。
また時に、細緻で編まれる円らの形は凛々しくも刺々しき花弁——回る閃光で切って、尽きぬ刃で寄せ続け。
「はぁ"っ——ッッ"……!!」
そうして未だ、『暗黒の障壁に罅の走らず』は敵する印象に音もなく、未知なる重量の不気味に闇の実存が禍々しく。
だがして、寄せ来る光を叩き落とす超重の圧と相対しては『破顔で撃ち続く美女』にも損耗の色が一切なく。
「フ——ふっはっはっ……!」
棚引く光の軌跡には『囮』にして『感知』を務める尾を連れて、勝ち気な容貌が宇宙を走り続ける。
「っ——ハッハッハ……!!」
その様も、『天に描く流星』、白紙に染み出した汚泥の如きを瞬時に切り裂く一陣。
翔ける才気は、髪も眼も銀に燃える炎髪隻眼の美女。
堂々たる威容は、未だ全容を明かさぬ獣で『敵の喉元を潰さん』として拳の揺らいだ動作と同時には——引かれる髪の、その張りつめたものを細かく粒子で切り飛ばし、弾く勢いは光弾の放つ射出のように。
また、一つ一つが敵の重圧防壁に触れ、爆ぜる衝撃——遠巻きに身を押す波を受けては重力圏からの退避にも利用し、光芒一体、自在に吹き飛ぶ一柱。
「くっくっくっ、狂うものよ——"狂わずいられましょうか"……?」
両者で戦技の極まる此処に、暗く重ければ当然に落下する質量の速く。
輝き速くても当然に加速する質量は肥大化する重さのような威力も伴って——傍目には何方も絶大な、無限。
絶えなき力学の、競り合う場においては女神ディオスで服裾を振り、長い無限色の爪が見え隠れする程度にも萌ゆる袖口を振って、粒子の舞う軽快に。
あと一瞬の僅かな時でも現在の座標に留まれば光も呑み込まれ、圧縮され、潰され、壊されてしまうだろう未来——隻眼の意識内に予測を流し見ても、怖めず。
その現実と成り得る寸前に、揚々と飛び退く間にも無駄な口を叩く暇などは——いや、『音の波も出せる時に出しておこう』と。
即ち、少しでも多く敵を絡め、焼き取る系の如きも『光線』や『音波』で務めなら、"触れては撓み"、"音も歪む鳴子"めいてを絶え間なく。
「事実、"歌う在り様"に惹かれても——"どうして歌う"?」
『——』
「"終末に歌う君は誰なのか"?」
『——』
「『もっと知りたい』、『聴いていたい』を——即ち"此処で終わるにも惜しまれる"」
『——』
「なれば再び、『相応しき場』に『世界を創ろう』としても——"不明"が」
『——』
「——"未知"が……!」
時に、光の線で、空間に焼き描く紋様、幾重にも飛び出る光輝円環は『ねじれる帯』や『壺』のようにも作り出す形をあしらって。
「真に狂わずいられましょうか——いや、"狂わねばならぬ"」
また、捨て置かれては、暗き敵の領域を見出す為にも雑と使い潰す物々。
生産され、潰れ、闇に呑まれる間際には激しく明滅を伴い、その『何度も自作を打ち捨てる』如き様が『未だ理想に至れぬ熟練工の苦悩』を現すようでも、担い手の王で自嘲気味に。
「その事実、我ら大神——"祈る先"を持てず」
身悶えする中にも己を燃やして闇を撃ち、『全てを壊さん』とする衝動も、今はただ只管と敵に向け。
「実物が『不備の如き』と知っているなら尚のこと——ただ救いを待つにも、待ちきれず」
眼差しの先に、白銀と暗黒。
互いの領域同士で削り合い、しては『攻防に摩耗した睫毛を仕立て直す』ようにも、眼前で横切らす手刀を『砥石』と扱う動きさえ、瞬時。
「しかして——"永遠という停滞"の最中」
刃物のすれ違いに照らし出される美女の面輪で、研磨されしも星々の飛散。
「思えば——"どうして世界が我らの望む形をしていないのか"?」
それら破片、視線にも乗って眼光の余波で押せば、宛ら『散弾銃』にも使いつつ——"弾丸の最も早く呑まれた先"へと『間接的に浮かび上がった暗黒大神』を目掛けても指で突きし、閃光。
「"何故に我らは斯様に不自由な世界へ"——"望む間もなく生まれ落ちてしまったのか"?」
光線の群れに撃って、突き上げ——引き戻らんとする晦冥の意気へは。
「幾ら悩めども——"正答すら置かれてなく"」
飛び掛かる剣戟が回し蹴った踵の勢いから生まれる。
「しては、"在るがままの理不尽"へ苦しめども——"永遠の時を聡明"に過ごせば、『理性で狂う』他にもなく」
爆発的な光の豪雨が敵に向かって降り注ぐも、瞬時。
「だとして、"そうまで成っても未だ求める自身"が——"既存の何であっても満たせぬ無限の欲望"として……!」
輝かんばかりを浴びせ、休む間も与えてなくば、何度だって晴れる舞台。
「求める先が『真に広がる自由』——『叡智の齎す安寧』と——『幸福に満ち足りて嘘偽りのない楽園』!」
振り落とすも熾烈、突き上げるも激烈に、敵勢を撫でて鋭く行き交う光の山々。
「お前にとっての『約束がされた時』……!」
『——"』
「『命の安らかに眠る場所』は……ッ!!」
『——""』
「『いと尊きは"至上"こそが理想』として……ッ!!!」
超速移動の峰に乗りながらは、艶やかにも吠え立てる美女にさえ、溢れ出す眼光が険しく。
「それら——"夢の究極"!」
『——』
「『ない』なら『ない』で、『それでもほしい』——」
音の光波で撃てば、慟哭さえも武器として。
「——だったら、"創るしかない"な……!」
『——』
「故にも我ら——"創造主でしかありえない"!!」
救われぬ胸中、絶え間ない衝動、それこそも無限に湧き上がる力。
たとえ敵が暗黒の渦の中に身を落とし、正しく姿を"晦まそう"と——なれば、"異界にも及ぶ熱意"を以て。
「それも、"他者の求めに応じ続ける従事専業の生業でなく——"己が欲望を突き詰める"!」
そうして、恐らくは闇の隠者にも『己だけの時空』を創出すれば、"その断絶によって身を守る時空防壁"を有し。
だがして、"宇宙に広がる無限の光輝"。
僅か一時にも同じ場に存在し、王で相手の存在を認識したのなら、いずれに光の線は対象を追い、凡ゆる領域に広がり続け、遂には『届かせる』が真なる力の証明。
「他者の要求に応じ、大衆の需要に向きすぎても——"違う"」
その限りなくは、"自由"——それこそ、膨張宇宙の目指すもの。
熱き光の津波が直ちに異界の神へと追い迫り、波の裏からも広大によって降り注ぎしは飛沫の一つすら爆弾——逃避行中の闇に追い付いては爆発が幾重にも、連鎖せし衝撃。
「"総体"に向けては『己』単一とは遠くなりすぎて——『個』を向いてはくれない、向いてはいない」
巨大な銀の奔流は敵を押し出しながら、次元の壁ごと突き破っても止まらず。
剰え、過去既に王で振り上げていた腕では全天を貫く槍の捌きに撃ち上げ、左にも、右にも、絶えない嵐の刺突。
「よりても『創る』と願えば——『自分だけ』の」
激突せし光の勢いに左右は勿論、上下にも、過去に放てば、今に脅威で、未来においても等しく。
「『己』が求めて浮かぶ——"それこそ"は」
降れども、降れども、渇きなき王の落涙、刺々しくは剣山として。
「"誰に縛られるものでもない"——『己が解放されていたい』、『満ち足りていたい』、『幸せでありたいのだ』と……!」
未だ目にも留まらぬ造山の、瞬時に聳えた剣が峰。
銀と黄金に輝く、『生ける刃物』の如くも鋭利の線は流動によって場を駆け巡り——不明瞭へ向け、晴れ上がる。
「願いを懸けるは『父』でも『母』でも、"違う"。それら『親』に、たとえ『血肉を分け合った兄弟』でも——"違う"」
その一投手が剣戟、一投足に閃光。
世界に刻む傷跡は輝き、犇いて、動き続けるものであり、熱で描く峻岳に荒山は版画の如くも、微細の集まって厚みある線に力強く。
また手で抑える面輪の線から複雑怪奇にも撃滅の眼光は漏れ出して、溢れ出しもすれば——翻弄される獣で、幾重にも世を貫く光の熱波に『反撃の糸口』なども決して、熱で埋め尽くされる世界に見出す暇のなければ。
「剰え——『己が信じる神』でもなく」
されど、晴れ上がる中にも"奇妙な彩り"。
撃たれ続ける中にも、"濃度を増す暗闇の一点"——周囲には『山を捻じ曲げる重圧』で以て、次第にも『光の奔流を掴み始める』ような素振りがあり。
「"厳格な宗教"、また"文化観"で表される作品は『秩序の齎す美』であって——"そんなものも自由でない"」
"圧縮"にして、"集約"。
恐らくは『手中に収めた敵の攻撃をも利用せん』とし、『片手で作る不出来な綾取り』の如き作は、『見るだけで魂の汚れる感染性の病原式』をも間もなくの形に取ろうとして——瞬刻。
「『混沌の美』それでなく——"予期された調和"に、己が求める『更なる理想』もなくば」
迅速に撃ち払うは、閃光——刻印が結び終わるのも待たず。
「"他者の願う"、『それ』は——"本当に自分なのか"?」
真面に取り合わず、読まず——見ずにも膨張の重なりで破砕。
「——"否"! "真に願いを形とすべきは前身となった世界の誰でもなく"」
拡大を続ける衝撃、散る呪詛の残滓をも吹き飛ばし、"時空に居座る最大の圧"を追って、場当たりな細工なぞも拡散させる声の波で切り捨てて向かえば。
「今や己が構成要素の誰も、『私じゃない』、『俺でない』のなら——」
無数の斬撃、打撃、射撃——その受け続けて尚でも両者、互いに戦の極地。
凡ゆるが統合され、かつての凡百とは異なる次元にて、究極。
「たとえ最終的に『他者と同じ帰結へ至る』のだとして、『理解』を通し、『真に納得を得る者』が——『己自身』でなければ……!」
二神、瞬く間に絶技を続けよう。
「即ち『己が己たる理由』を突き詰めるものは『己』でないと『自由』になく……!」
片や、即応に生み出す異界に身を隠し、暗泥の中を浮き沈みするかのようにも身に当たる光勢を捻じ曲げ、殺し、無数の被弾に怯みなく迫る重圧の勢い。
「そうする故にも、他の誰にも、世界の何にも阿《おもね》ず——」
"異次元を制する暗黒の力"は甚だ驚異だが、それは光の王とて同じく。
「——"自由奔放を愛する己が一柱"。『吾』という『個』で、"真逆にあって他なる民の全て"、"多く不自由すら慈しみ"、"愛せなければならなくて"」
身振り手振りに、揺れる髪。
瞬く睫毛にも、繰り出す波状。
銀の閃激は多面にして多線、滑らかなる膨大多数の攻撃に闇を晴らせば——間もなく『引き戻しの圧』で呑まれんとする此の場にも、"立つ瀬がなくなるなら創ればいい"。
「それこそは、"何もかも能う"——『自由』!」
瞬間、移動。
囮の群れたる残光を弾幕的に引き連れ、先まで立っていた磁場に暗黒の質量が陥没を作り、登場しても——"既に不在"は遠方からの偏差射撃で絶え間なく。
「——『誰にも縛られず』……!」
続け、続けて、多段の爆轟。
後発の波では重圧に堰き止められる弾丸の背を押し、蹴る勢いに『貫通を狙う』も流麗なる脚の捌きで、その指先にも描く縁取りが——新規に塗り広げた光輝空間そのものとなっても、神で立つ。
「『際限のない』——"その意義"とは……!!」
しては間もなく、超的引力に誘われ続ける身も自己斥力で吹き飛ばし。
光の触手飾りを棚引かせては常に敵所在を探りながら、『羽衣を負った』まさしくも舞う姿が踵に履いた刀身で領域を刺突しつつ、爆発的に飛び跳ね——相剋する『明光』と『暗闇』の出会う場には、白夜の湖面を点々した飛び石の如くも揺れる波。
「"意義"——とは……"?"」
また現に眩き権能は彼女を中心とした放射の円に広がり、捉え所のない姿は『茫乎とした飛行物体』にも。
また『激動を経て息一つ乱さず凛々の表情』に、凡そ『この世ならざる』は『明美に踊る天女』のようにも、幻想が現実に根を下ろす仕草。
「幾星霜を経て、"わからない"」
『——"』
「未だ理解できず、難解に過ぎて」
『——""』
「幾重にも問い、"誤った答えの続く今"に——狂う」
しかして、今は戦いの場。
求められるは『舞うのみ』でなく、敵を撃ち続く『武』の方策。
「分からなければ、当初起点に立ち返り——そもの『己』とは何であったか?」
しては、あくなき戦意が雪上走法のようにも、踵に履いた聖剣で滑り、切り裂いた闇との境界から熱され、膨れ上がる宇宙。
「"万事に通じてないものねだり"が——『我儘気随』」
行動で表す意が『自由の欲心に垣根はない』——"妨げられて"など、『あってならない』。
よりては『未知なる敵』に対しても豪胆に、『乗り越えて見せん』としては自らが難敵に向かう様。
「『未だ何であっても足りぬ』のだと……!」
『——"』
「『何時においても息吹』くのは、『全身逆鱗——龍の鳴動』……ッ!」
向かう最中にも、闇は音なく迫り、周囲に畝る暗黒の大津波は、叩き付ける面を揺らして地震の如く。
その地平の面や線に、また各特異の点状の如きにも発生させる歪曲次元の群れで『一斉に触手を伸ばす』ようでも、中途に暗闇を通して射線ごと存在を隠す暗渠が、幾重にも介在せし出所不明な狂圧。
「剰え『奇神』、『変神』、『偉神』にも——」
しかして、それら一つ一つが異なる世界法。
同時にあって微細に異なる重力波、身の潰れて、また浮くような緩急にも、甚だ狂気的な飛沫と波を——光は飛び越えて。
「過去には『艦船』や『城郭』、時に『銃器』はじめ『武装』に——」
荒れる深海を踏み、刺すようでも爆発の勢いに乗り、更に飛翔しては艶やかの回し蹴りが多世界の両断。
文字に起こすなら、『びし』、『びし』と。
回転の終わる際にも、靴の爪先より出でた光周波ブレードが背後より忍び寄った闇すら剣撃に伏し、不敵な笑顔。
「"当然として生ける者の凡ゆる"は——『蟹が蟹化を得る』ように」
また同時に、鋭い余波での散髪、散らした銀の細くも拡大させれば、宛ら宇宙には『飴細工で作る蜘蛛の巣』を張り。
その、結界、夥しく迫る不明瞭の力にも縁で触れては自動で起爆するインフレーション。
限りない光勢が凡ゆる方位に拮抗し、正に『胸元で撓む衣服』のようにも張りのある表面が引き付けられ、それこそ『玉体胸部で丸い形の揺れた光景』を受けても『敵の接近』を鋭敏に認識。
「我ら。『現状で考え得る最も理に適した形』から——逃れられず」
しても、『揺らぎ』を纏いし光の王。
敵の存在を感じた方向へ即座に『鱗』の如くも振り飛ばしては、たとえ暗黒の大敵が『見えぬ』ならで『見えずとも』——ただ全天に降り頻る閃光の雨足。
「即ち、『美男』も兼ねては、いつかの、いずれに——『美女』か『美少女』」
瞬時に飛び交い、噛み付く龍を模って光の乱射と——闇の触手が顎門へ絡み付いて呑む印象にも、同型の縁取りを示す暗き圧壊。
共に神技は、互いの一小片すら触れて荒ぶる性質を宿し。
「我ら大神——『美少女なだけの凡ゆる』は……!」
それもやはり、破滅を振り撒く化身たちが互い互い、己のためだけに時空を創り、一瞬の攻防に使い潰す。
神王ディオスでは、未だ一撃の威力が計り知れぬ不可視の暗黒質量を笑って流すほど、狂い。
つまりも、運動や位置のエネルギーが己が身に減損となって伝わる前に、それより速く威力低減の行動にも能うものが超光速度の化身。
例えるなら——いや、今まさに『足場を刈り取られて引き落とされる姿勢』でも、暗黒の針山に打ち付けられようとする背面や側面から己で爆ぜる推進機構で攻撃範囲からの離脱。
また同時には、進行方向から『迫り来る爪』の一つへと対処で見せるように、一度では重みの逸れずとも二度、三度——『秒の過ぎぬ間に五千兆以上の斥力熱波』を浴びせることで、脅威が己の近辺へ至る頃には殆どに無力化を果たす。
「『全能に非ず』と、己で理解せし万能」
だがして、光で爆ぜる宇宙の創世権能、その五千兆超を打ち続けて——"さしては怯まぬ怪物"とて、難物。
輝々たる奔流の中では『何処に』、『何が』攻撃として、また『偽装として在る』かも瞬時には見て取れぬ激烈無限の渦中で凌ぎ——その上で『誰より速き敵に一撃を届かせねばならぬ』と知って、未だ戦意を失わぬだろう暗黒存在。
「よりても、賢しき自意識に『理解できぬ』とあっては甚だ不快の、未だ苦しく」
両者、限りの無い力を以ては狂った御業に応じ、互いを『乗り越えん』とする今。
それら、『立ち向かう世界の全てが脅威として迫る』も、ある種は悲観すべき極地にあって、未だ悲鳴もなく。
表情の見える王で涼しげは、飄々とも。
見目に分かり易くも燦然を顕とする者で『満ちたる余裕』を表層のみならず、現に『難局へ対処に能う形』としても示し——その意とて、『不安に惑う民の全てを鼓舞できるものこそ、世界を飾るに相応しいのだ』と。
見目と言動を重ねては、『深刻』に『恐怖』に『身の震え』に、『凡ゆる不安』に"悲劇的な状況のすべて"——『喜劇に変えて見せ得る者こそ儘ならぬ世界を導くに相応しいのだ』と、狂いの極地で大胆不敵に、神々の王は幾度も『笑んで』見せるのだ。
「だがそうして、『生来からの複雑怪奇』では、『抜け出すための解』も見えぬ間に、雁字搦め」
その感情的制御の先に、王の遠望は何処までも。
"狂っていながら、どうすればいい"——『如何にもしてみせよう』と。
「『本来の己』など、何もかも分からなくなったまま、溶け合い——」
宛ら望む意を体現しようとした『自在』には、光で弾性を持った『高分子化合物』のようにも撓り、『漫画じみても無敵!』が『彼』にして『彼女』の、"祈りながらも戦う"様。
「"本願"の、遠く——」
——"凡ゆる事態に事はなく"。
——"それら儘ならぬ理不尽に負けないでくれ"、"現実に凡ゆるを可能としてくれ"、切に祈るは『自由でいたい』、『自由を教えてくれ!』と。
「——けれど、"今この瞬間"は、違う」
叫ぶ祈りの、"実践"は『己こそが』と——また『己へ肉薄する者』に対しても、『光輝の最高術師』にして『最速の王』たる所以を輝ける実力で示さん。
「今、吾において、"不自由そのもの"——」
『——』
「——"抑圧そのものを前にして"!」
『——"』
「"立ち向かう姿"は、『自由への求道』に相違なく……!」
過去に自らが放った光弾、光線を足蹴にも、転瞬。
攻撃の軌道を不意に変えて意表を突きつつ、今には『満ちる眩さ』を擬装に世界へ潜んでいた己で擲つ光の一打、二打——足蹴にしたものと挟み撃っては、鋭き線の急激な角度を描いて合流の様が『暗黒域の割れる大光雷霆』、防戦に果てなき無限の裁き。
「『未明においても足掻き』こそ——『理想への肉迫』に違いのなくば……っ!」
対し、暗黒。
当初から変わらず『速度』と『攻め手の数』で劣れども、『異能を蹴散らす基本原則の力』は迅速数多の小細工を踏み潰し。
またして、被弾の折に飛び出す物が『光に寄せる暗黒の渦』で、それら微細に浮かぶ『不可視の機雷』は其処に在る筈なのに明白の情報照会を許さず——たとえ"寸分にも触れた"なら、地平の彼方に引き込む敵を『永遠に不帰の客とする』だろう沈黙の技。
「——立ち塞ぐ、"お前"は……っ!!」
それら音なく、闃然にも、闇で『追い付けぬ』なら『来い』とも、強いて必中の間合いに入れようとする超重圧に——対し、瞬時瞬間に除けては進む自由の翼。
「『友』でなければ、『恋仲』でもない——」
幾重にも残像を伴った光の螺旋機動。
重圧を振り切りながら光を落とし、空間に貼る輝きの塵滓が円筒状に回っては巡る『光の柱』も打ち立て——蹴り・飛ばす・光暈!
「対峙しては——!」
『——"』
「より、鮮明に——!」
『——""』
「"自己を浮き彫りとする"——『好敵手』へ……!!」
間髪を容れずは柱を追い、世界を貫く燐光拳——即座には、『伸ばし続けた光線の掴まれて引き落とされる未来』を拒否する、険しき眼光。
直ちに攻防一体の膨張蹴打が、推定暗黒本丸の『謎めいた動作に移る時ごと』を弾き飛ばし——なれどはしかし、再び狂気じみた重量によって巻き戻る如くも獣の前足。
「故にも——『敬敵』へと、"感謝"を」
この踏み潰す勢いには、神王では踵の剣先に残していた膨張の力で五千兆発に蹴って後退。
しては間もなく、囮の数多が潰え、その『僅かにも対応の遅れていれば圧殺の免れぬ事実』を目前にも——己を包む炎が震えごと、底冷えとした心を燃やして。
「"——"」
武者に震い立てば、勝ち気な面輪に燃えて振り撒く覇気。
こと此処に至っては、孤独な王で『関係性への喜び』にすら震えつつ、暫し陽光の美女で真一に結ぶ口文字。
絶え間なくは脇を締める構えから、胸を中心に多段の熱波を放ち——直後に、吹き飛ばした筈の重圧が『背後で尾を千切るような未来感覚』には、飛び退いて前方、次には頬の横を掠める時空圧の連続。
「——"!"」
対しても、銀に迸る隻眼の光。
引かれるままに分離させては、煌々と燃える炎髪、ほつれる衣の触手飾りでも、凡ゆる包囲に龍頭輝々。
その索敵および攻勢を兼ねた超的熱量の渦巻く世界に——また輝々を歪め、食い破りて現れる尋常ならざる暗黒質量は、『慣れ』の次第にも龍の群衆の中で学び知り始めた敵の力を模倣し、『暗き一頭の顎門』——『それでこそ』と笑おうとする口を固く結べば、表情の色を変えるよりも速く、放つ。
「——っっ"……!」
轟ける光波で、しかし、殺しきれぬ圧力。
今に闇が齎す絶え間なき時空振動と全天を揺るがす一撃には、王で支えとしていた光輝の足場も引きずられ、思わず転倒をしかけても——止まることを許されない、止まれば自身も潰される脅威に対しては、絶えなく。
前のめりでも即座に下へ張り出した両の掌、新たに立つ瀬の時空を開けば、残る両足の左右に振り切って放つ聖剣付きの踏破舞踊。
「"——!" ——!" ——!"」
忽ちに作られる嵐が厚き鱗を切り刻み、暗き装甲ごと爆ぜさせる熱波。
だが、すると、その輝ける暴威に晒されても『垣間見える陰影』を喩えるなら、"丸みを帯びた肩口"に、"重き装甲を捨てた小さな掌"が——次第には『少女の華奢』として。
「"——"」
しても『浮かび上がる形』に認め、王では『未だ顔も知らぬ相手』、獣に浮かび上がる"未知の素性"。
何よりは『彼女の実存』に、『真なる女神の痕跡』に、身だけでなく心は惹かれる、『今なお、深く知りたい』とすら思えるのだろうけれど——。
「"——!" ——!" ——!" ——!"」
——戦いにおいては、容赦なく。
蹴り出す光の中にも滑り込ませる異界の面に幻想輝術——敵を取り巻く惑乱の波で電子工学的音波合成。
上には、闇の輪郭を炙り、燃える空の夕色。
下には、踏めば電流の走る金網のごとき光格子を走り、側面に立ち並んでは落ちくるココ椰子。
『"——"』
また暫しを進めば、遠方からは無機質なビルの倒壊が群れ成して襲う、災事多難の中でも。
されどの闇は、今し方に見え出した『己の最も小さな指一つ』、『その僅かに傾いただけ』でも——"巻き取られる時空"は震撼に捻じ切れ、幻惑の術式を突破する。
「——"!"」
して、『なれば』と、光姫。
右脚、左脚、その横薙ぎを繰り返した先に、倒立からひねりを効かせる手捌きが飛び上がっての空襲態勢。
敵の頭上から眼で降らす雨の閃光と、蜻蛉返りに描く円弧よりの奔流が撃って、『闇に見えた厄介な腕』を叩き——しかしは、『五指を畳み始める仕草』が、暗き自身を撃つ光の線へと『撫でるように触れただけ』でも、遥か遠方にすら寄せる超振動、開始。
「"——!?"」
宛ら、琴線を弾くようにも一つ一つの爪を立て、歪める磁場に印象は、けたたましく。
闇で『敵の光が音の波をも頼りにする』と見ては不協和音を掻き鳴らす、暗黒色の爪々。
対し、輝ける聖槍とて絶えず送る刺突の勢い。
両者で描く互いに光波や光線、重力波に磁力線で弦を巡らし——引力を伴ったピアノ線を鼻先にかわしても斥力の視線で切り付け、爪の延長上には鞭で掻き回す炎舞にも周囲で罠を焼き尽くす少女と。
だがして、無数に伸び来る光の鞭に何度となく、殴打されようと這い出ては——遅まきにも強熱へ指で触れて潰す暗黒に『敵の痕跡を執拗と追う様』が未だ止めず、凄まじく。
「——っ、は——っ"!」
光で同時には——"楽しい"。
逆らい、抗い、求め続け、"不自由を断り続ける今"、たとえ僅かでも『理想に迫る感慨』が。
また、『偽りなき狂乱の宴』と、『熱戦への高揚』としても、"今や難儀な諸事を忘れざる得ない程の激戦"——これには、『ただ瞬時に最適の方策を打ち続けなければならぬ』とあって、純粋に極まる技の冴え。
「——ッッ、う"お"ぉ""——!」
凌ぎを削って、幾度にも。
絶技を繰り出した先にも分かるのは『己の未だ攻略しきらぬものがある』と、また、互いに『相手を上回らんとする意気』で衝突し合い。
その気に逸る見せかけだけでもない実力を以ては、技を繰り出す度、応酬で幾重にも洗練されてゆく戦い、最強の頂きに立つ者にも『永遠に楽しんでいたい』とすら思える『ひととき』で——けれど。
「——う"お"ォォォォォ……っっ"!!」
"疾く永世と万民を治めるため"には——"決着を"。
「"——"」
輝ける神で『王の責を果さん』と。
「——"!"」
打って。
「——"!!"」
撃って。
「——"!!!"」
討ち続け。
「——ッ"!」
斬り、祓い、剣閃は弾幕へと変えても鋭光の白雨、暗鯨怪獣の向かわんとする先に。
時空を巻き取る不可視の触手——歪む領域を切り——詳細な位置を見開き——溢れる呪詛ごと弾いては——再起の間にも切り——再び生え出す手管を落とし——削り続ける印象には漸くと、『無敵』に思しき装甲を剥ぎ。
「——"!" ——"!" ——"!" ——"!"」
銀と暗黒、互いに領域の色を背負いても。
「——"!" ——"!" ——"!" ——"!"」
"決着に向けて変化の見え出す潮目"は——。
「——"!"」
——"遂に剥がれ出した暗幕"から。
『——、——』
先触れの光線の描く形で"蛮行の獣"からは、"より小さく"。
影の印象で、"より均整の取れた"——『■■』へ。
「"——!"」
闇を串刺す聖槍に削がれ、次第に頭頂よりも『白き長髪』。
熱波の暴虐に打たれても、『下方で棚引くスカートの印象』すら——目に見えての変化が、"深奥に見え出した女神の面影"にこそ。
『——』
だとして、"それでも未だ敗者とは潰えぬ小柄の影"。
「"——!"」
先からは朧げにも、"左手に握らんとする拳の表象"。
"閉じ行く指遣い"に超光すら隠れる影の気配を持って——"力の集約"。
「"——!"」
つまりも『不穏な動き』の見え出せば、蹴り上げに切り、"何やら集まる"のを開いて、阻止。
また、"右手付近にも同様の翳り"を感じれば同様に、指よりの照射で撃ち抜いて、即応の光勢で阻み。
「"——"」
しかして気付く、『膠着する状況』とは。
「"——"」
そう、"今までと同じこと"。
此処に『光は敵より速く動ける』のだから——開戦から今まで敵の所作、"その全て攻撃に起こり得る動作をも阻み続けて"。
「————よもや」
で、あるなら——"今こうして打ち合っているものは何なのだ"?
「よもや——」
"少女の形をした"、■■は——何なのだ。
「"悪辣に極まっても絶対的な力"。"最有力の仮説"で正しく、女神にこそ——『重いだけ』」
事実、目前に獣の覇気は矮小となり、徐々に見え出す『小柄の正体』が間もなく。
遂には、『敵の防策も削れてきたのだろうか』と、王で抱く期待は——いや、『焦る』が故の『逸り気』だろう。
「"これ以下には紐解けぬ最小階位"」
戦いで間もなく秒の過ぎ去らんとする、今。
整わぬ内心の気は大きく——"未知なる敵の強大"、いや、"凶悪さ"、『その予想が遥かに上回って甚大なもの』でも。
「宛ら、"ただ重き天体"が、"より小さな星を隷属させる"ように——」
思えば、"垣間見える少女の仕草"、"殆どは打たれても耐え続く防御の様"で——言い換えては、"今にただ一つとて攻撃を放ち切った末の明確な隙のなく"。
「——"振り回す"のに『神秘』も『奇跡』も必要なくば」
まさか、いや全て動作の起点を潰したのだから遅い——いや、"遅すぎる"。
仮に、もしもだ、敵は今の今まで十全たる構えはおろか、"一撃たりとも放てていない"、"放っていない"のだとして——『災厄への予感』、"その的中が真実味を増してゆく最中"にも、"まさか"。
「よもや、"今の今まで戦っていない"」
"重圧"、在るだけで敵を殺す。
「"未だに下準備"。"重たい身で振り回されるだけの——」
特化された『殺戮』以外の全ては"加減で齎す副次的動作"に、"権能"——それこそは、"見開かれし魔眼の力"。
「"鈍重に過ぎる"——"お婆ちゃん"っっ!!?」
即ち、『追い付くように見せる素振り』は全て、"それらしく"。
光の奔流を受けては、"勢いに飛ぶだけ"——『吹き飛ぶ己を引きずっていただけ』の?
つまりも、『輝ける王を襲っていた』のは、単に『前触れ』として。
あくまで王でも、時空の揺れに震える神の心は『前震を恐れていたに過ぎぬ』のだとすれば——"今に見える構えの仕草"、"たった一撃を練り上げるため"。
『——』
暗黒の大神は現時点に至るまで、"その事前動作のみ"で戦わん。
「——っ"!」
剰え、『形を現す陰影』には『より確か』となる存在。
その認めざるを得ない王で『何やらの備え』を見出しても胸に抱く"恐怖"、明らかとなれば、なるほど。
揺らぎ続ける白波を纏って爆発的膨張の正拳に対し——闇で右の腕に光線を引き付けても、暴流の只中で少女の身は刃の洗礼を受けて止まらず。
纏う極限の圧が波の食い込む前にも威力を殺しきり、何よりは『左手に拳の引いただけ』で、次第に強まる権能。
つい先まで光の束ねて厚みのあった攻撃を、宛ら"細糸を巻き取る"ようにも難なく潰し——ただ『完了』へ向かう動作。
『————』
ねじり伏せられる威光に照らされ、浮かぶ光景には"渦を巻く拳"。
それも、"光が敵を追撃する"のでなく。
もはや、『光線が敵の手振りに追わされている』——脚や、胴や、追従せざるを得ない方角に撃たされて、『威力を本命の外へと逸らされるまま』では。
「"——"!"——"」
焦燥。
王で『目にも留まらぬ超電撃戦』が信条の身にあって、『此度の競技規則にも最低限の十秒で仕留める』つもりが、『未だ勝利を能わぬ』ことに。
また、認め難くも"真実"として『手をこまねいているのは未だ決定打を与えられていない自分自身』と声を呑めば——それこそ『耐久性能で上回る敵に持久戦へと持ち込まれれば』と、『暗黒にこその勝算』を見て、己を燃やす火急の意気。
「——ッ"」
だがして、『腕の構え』を狙って急造に送り出した五千兆も、顔貌の横へと収束。
暗き薄靄の装甲を削りながらも逸れ、"その軌跡を見つめる一対"——『露光する赤色』は徐々に光線の源を辿り、宛ら『振り返る』ようでは、"既に"。
『————"?"』
間もなく——『敵意』を感じた王で心の冷えは深部に至り。
「————"終滅のヴァレル・バーストッ"!"!"!"」
光熱に炙られる暗黒で遂には光景を返し、『拳大の空間』が目に見えるほど、身近にも。
なれば、"今まで握られてゆくのみ"で、"この殺神的な重圧"なら。
果たして、"引き絞る拳の構えが完成"すれば、『どうなってしまう』のか——『己が畏縮を思うより前には、敵の万全を崩そう』との決意、髪に燃ゆる双頭の炎と共に激流を爆熱放射。
「——"!"」
しかし、咄嗟に撃ち上げても。
畏敬よりも恐れの色で濃く、『遠避けん』とすれば——『外部に攻撃の意思』は認められ、"定まる標的"。
『"——"』
即ち、吹かれても去り行く刹那に『敵』を見据え、映る印象に視線を重く感じさせた厚手の睫毛で補正。
紅の眼が捉える——"初めて目線が合う"。
交差する視線——"見られている"。
遂には此処で『凝視』をされてしまったなら——その瞬間、"視座に送られた事実"は語るようでもあった。
『"————"』
"何も『洗練されてゆく』のは貴公のみの特権でなし"。
剰え、『永久無限に時を与えた』なら『悠長』にも、『そうして君が教えてくれたのだ』——『ただ少女の身でも、此れなる領域に至れるのだ』と。
「——……」
さすれば、無限に吹きまくる筈の豪風。
小柄を炙り続ける炎熱を『真に無敵』と近しい少女原型で受け続けても——多段に纏う層の隙間は『自重』と『自重』の押し付ける暗黒地平の面で威力を殺し、炎を沈め。
「……|宇宙三つ分に増長した膨張結界でなければ——"既に"」
その『本格始動』に相対せしは光輝で次に、心でなく——"外的要因で身の震えた感覚"。
「『本命に向かう余波』で、"これ"——まさか、吾はいつから『暗黒こそ劣勢』と錯覚していた?」
隻眼の美女は己が胸に手を当て——『自身に生じた破れ目』には、指で撫でて縫い治す仕草。
それも、"つい今し方"に王の鼻先は、宛ら『至近に重機関車を見送る』ような超的の圧と擦れ違い——警戒の先触れとする豊かな乳房に傷は走っても漏出する光輝血球の泡で弾け、"辛くも退けた女体の身でなければ此処で終わっていただろう"。
即ち、『間違いなく十秒は舞台へ押し込まれていただろう決定的な威力』を間一髪は胸囲の一つ分に避け、しかして『囮でなくば本体に負った損壊』を拭えば、眩き美貌の驚き、緩慢と見上げる先——。
『"——"』
獣でなく——『少女』の影。
装いに暗くも敵の光勢を殺しきり、なだらかな胸板を張って立つ。
「仮に『闇が絶対の防壁』だとして"後手の先"——吾ながら、気付き、動きも、遅まきにも程がある」
その堂々たる様にも示す、"揺るぎない覚悟"。
眼下を眺め、開眼せし威容は『姿勢を堅持した身の振りだけ』で『先の必殺』であり——即ち、『光の王で恐れた事実』にも分かるのが、"今や此処まで重ねた膨張宇宙の数多より"、"女神の気量"で、"なお重く"。
「"暗黒の通った軌跡"——"未だに引き連れる呪詛に汚染"は、『周りを囲む鉄条網』として、"尾を引く龍の軌跡"じみても」
しては、間もなく。
先には『意味深な腕の構え』で一点に視線を引き、注意を引き。
また、"王の狂熱を利用しては描かせた術の軌跡"、最後には『敵へ届かせるもの』として——"秘されていた奥義"へと。
「これまで女神が移動した道の全てに『重圧の鎖』を伴い、未だ引き続けては大いなる神を源として——"収束せし因果結界"」
然りは、たとえ『己が素早く動けず』とも『君に運ばせただけ』のこと。
「生来よりの、力。たとえ相手が己より優秀で速く、より多く挑戦に試行回数を稼ぎ、幾ら偉大な業績を成したとて——『構わず殺すため』の」
数多の光勢を身に受け、然る地点での直立は。
「『いつ』の、『どこ』で、『誰が相手』だろうと、"問答無用で潰しきる"——『殺戮の王』」
膨張し続けた世界の数多を以て、此処に『重い神体を引き落とすための位置』へと浮き上がり——"充填"、完了。
「……まさか、『この後に及んで逃げも隠れも出来ぬ』とは——」
暫し佇む静寂には、今まで再生されていた暗黒の靄が周囲へと直りきらず、不気味にも。
いや、今になって舞い戻り、集められる破片、その向かい、漂う軌跡には宛ら鉄塊が幾重にも彼女の周囲で斜線を描くように——もしや、『少女の周囲全体に浮かぶ円』と、加えては『闇に秘された内部でも数多の渦』を持って展開し、"加速している"?
「——『追い込まれた』のは、"吾が方"か」
つまりも、重き己を構成する細部一つに至るまで、『引かせることでの駆動』を?
ともすれば、遍く世界を照らす光には、秘密の一端が見えたのかもしれない。
それも『光の及ばず暗いものがある』という間接だが、女神の纏う粒子の全てが相互に引き合って回転を続ける『渦巻粒子』のようであって。
また、その多分に含んで『不可視に描く無限の軌跡』は、各部に回転方向の微細な変化を司り、入り乱れても上下左右に力の働く角度や方向を調整し続ける『斜線のような何か』を纏い始めるのだ。
「……ふふ。それ、よもや」
しても、その『X』じみた力場に在って緘黙は、重々しき動作に弓を引くよう。
少女で『脚線美を誇る』ようにも艶かしく膝を折り、左脚を引き上げては脹脛から最下部へ、なぞる指での術式を添加とし。
更には、周囲を回り続ける斜線から踵に向かって衝突する塵が増すたび、華奢な脚は押し上げられて、暗く。
突き上げる膝でも静かに、引き波へ呑まれて行く世界において、先まで『引き絞る拳』に集約していた決して晴れきらぬ力の残存は——今で脚部の質感に『重く』、『厚く』と移行し、多重多量の破片を『踵に組み敷く靴』として。
「"はなから劣勢でもないもの"は、『返しようがない』とでも……?」
即ち、『武器を組み敷く仕草』にも洒脱にして洗練の様が、宛ら正しく『光の王で成した』ように。
魔眼の有する一権能に『真実を写す眼』——いや、『悪しく模倣』で弄ぶ者は、敵の優位にして特権を奪い、『尊厳を踏み潰すため』の形を持ち。
その『靴』こそは、王が用立てた『敵の権にして腱を絶ち、穿つ刃は挫くため』の『聖剣』と比しての『魔剣』であり——いいや、『ただ敵の気位を折らん』とするは『闇で構えた鉄槌』にあれば。
「……真実どうあれ、血に汗と涙の凡ゆるを重ね、『悪辣において未だ理想を求むる』と向き合い」
間もなく、掲げた仕草の、巻き上げる時空。
引き寄せられる敵に向かい、正確には『向かわせつつ』も。
技を担う神では陥没する空間、掘削し続ける場に落ちて行き、瞳に交差せし斜線を浮かべた紅き魔眼の明度すら、更に暗く落ちても己で重く——視線も闇に呑んで姿を隠した瞬時には、軋む宇宙の遥か上方。
『"——"』
光へ向かって、下へと。
自身と敵との間に置いた暗黒の渦への降下が、幾重にも門を潜る度に加速を甚だしく。
「——ふっ、やばい。よくわからん罠に嵌って終わりやも」
全方位に気を巡らせた王の直上より、『無情なる踵』が迫っては。
「……いや、"この世で最も重い何某"とも全力で打ち合ってみたくば——『逃げるに能わず』」
だがして、"嵌められた"。
過去の如何な記録にも『未知なる重量』と対する王で、"逃れられぬ立場"にあっては『却って課題も明確』に。
「——"やらいでか"……!!」
狂気の中、冴え渡る。
「悠然たる暗黒よ、君は紛うことなき究極の——」
即ち、こと此処に至っても真理なのは『己で力を尽くす』に相違なく。
しかして、たとえ苦境でも、生涯万事、"いつにおいても最善"は——『己が本願へ向かい、全力を尽くすのみ』。
「しかしは——『吾、最強』! 示してやらねば、"自由"でない……!」
此処に幾億、幾星霜に膨張宇宙の内部で蓄えられていた総熱量を『攻撃』として使いきり、『敵が必殺の一撃を放ちきる前に倒す』のだ。
「この慧眼に二度目もないぞ! "絶好の機"に来るがいい……!」
よりても、保身に於いても最低限は、王で今現在に『美女』を除いた己の凡ゆるを燃やし、"攻勢に焚べる薪"として。
『『"——/——"』』
睨み合う最中にも、輝々たる身で己の流管、細胞同士、凡ゆる微細な組織に起こす膨張の数々——永久機関に罅も走る勢い、漏れ出す光が、赤く。
「珠玉の細工、その全ても『出力』に変じ、以て『吾』という"世界最速の永久機関"——"過負荷の先へ"……ッ"!!」
豊かな肢体に深く、根本の下腹より、枝分かれする流域に色濃くは全身の龍脈が騒めき出す。
宛ら、"全身の血中に誘爆させる膨張宇宙"を持って、循環の理路に辛うじて己を保つ軋みすら、見目にも悲鳴を上げて『危険域』を報せる赤色神性。
「五千兆——ッ!」
染まる次には、右腕を掲げ。
「五千兆——ッ!」
全身で赤の迸りながら、左腕を掲げ。
「無量大数——ッ!」
両腕で作る円の二つに、真中の隻眼一つも加えて"三つの光輪"と、"その中軸を貫く己"。
「——"限り無し《インフィニティ》"ィィィ"——ッッッ"!!!"」
背負う紋様が王権を示し、『無』を超えて『無限』、『限り無しは光』——『自由』の表象を背負いて孤独の王は身に服従を強いる引力へと抗わん。
「"ビッグバン"——!」
暗き地平に昇り、構える。
開いた腕から——正中で打ち合わせる左右の掌に、力強く。
「"ケラウノ"————"""」
突き出す、腕。
左右それぞれ中の三つ指を外に伸ばして開き、残る親指と小指を上下に真直として張れば、やはり『王』の象形に集められる『雫』。
向かう先を『不可視の領域』に定め、また、その身の内に留めきれず背後に夥しい数の光輪を溢れんばかりに背負いても、それら数多の弧を描いた先に光芒は輪の縁を滑り、行き着くが手中。
複雑な鏡面反射の連続によっても、熱を運ぶ気流は回り行く道すがら、肘で寄せて作る豊かな谷間の道にすら先鋭され、圧縮され、加速し続ける無数の光線が両掌の中央へ『極小』の形で集いても——今より放つ『珠玉』の技として。
「————ストォォ"ォ"ーーーム————"!!!!"」
間もなくは全方位に開いた花弁の如しが暗重の引力に引き付けられるままでも、瞬時に狙いを修正し、一方向に向かって収束せし熱線。
掌に浮かべる一滴、その火種を支える王で、超々常速度に滾りし熱は、『開花』と共に溢れ出す——"|無限遠斥雷嵐山《インフィニティ・ビッグバン・ケラウノス・ストーム》"。
「""「"——"/"——!"』""』
光の神花で、撃ち出せば。
女神ディオスで敵の明確な姿が見えずとも、自身と闇との間に敷いた『幕の形』で多くの『次元』に『時空』、それは『世界そのものの障壁』を幾重にも潰されながら——ごく僅かな時の狭間で、拮抗。
「""「"っ、——"/"——!!"』""』
両者、理論上は無限の力をぶつけ合う。
片や、超重にして不可視の神秘が確信的情報を外部に漏らさぬ圧縮性、緊密性にこそあって暗黒の蹴爪。
片や、超速にして不可視の連続衝撃波を伴い、銀に逆巻き爆ぜる姿は天に昇る龍じみても輝ける大輪の花。
大神二柱に無敵の権勢を持ち出せば、衝突に削り、鬩ぎ合う——『赤くも燃える銀の熱情』と『無慈悲に迫る冷淡の暗闇』。
「""「"っ、ッ——"/"——!!!"』""』
激しく推移する状況では『熱波に霧散する闇』、『重圧に砕かれる光粒子』——『睨み上げる射手』と、『踏み付ける踵越しの少女』で暗黒を中心としては暗く、光を中心としては眩く。
平易には、互いが半々に背負う『白』と『黒』——両者の接点から世界に『膨張』と『収縮』を幾度となく繰り返し、徐々に混ざり行くそれら色調も、果てには、かつての『無』に喩えられる『灰色』じみて互いの権勢を殺し、薄め合えば、極地。
「"""「""「"っ、おぉ"——"/"——■!、 !!"』""』"""』
見えるのは——殺しきれぬ重みに光の歪曲。
聞こえるは——殺しきれぬ膨張の波に重石の響いて惑乱。
宛ら、『色の異なる海と海が互いを呑み合う』ようでも混沌たる只中に無数の爆発や反応、それら衝撃や実存をも直ちに滅ぼされ。
しても瞬刻、幾度にも『宇宙の創造』と『破壊』を繰り返し、なお余りある狂熱と重圧で『己こそが秩序をもたらさん』として覇者たる領域を示す塗り合いが、行き着く末に——塵ひとつすら、残さず。
「""""「"""「""「"っ、、お"お"ぉォォ"ォ"——!"/"——!、 ■、!!!■■"』""』"""』""""』
何もかもが壊れては、実存の一切を許さぬ清浄の。
「"——————
色のない宇宙は、ただ広く。
真新しく口を開けた空虚は、次なる事象を待つのみの——。
——————"』
されどは、未だ——決着でなく。
今や二者の背景、綯交ぜに移り変わった宇宙の色を何と言おう。
"澄み渡る黒色"? "穢らわしいばかりの純白"? 得てして言葉でないものを落とし込む言語化という形では表し難く——兎角、相殺しあっては力の空白期間。
「——"!"」
ただ広くは故にこそ、先んじて動く光輝の女神で真空に等しき場にも、互いを遮る壁のない時空。
爆発に吹き飛び、広大な空間を飛び出た両者で、守りの多くが剥がれ、曝け出された存在は脆弱の象徴たる『少女の形』へと見定め——絞り出す、残量光。
「——"!" ——"!"」
睨む眼力で、一度、二度。
立ち直りすら光速と先んじて速かった美女で追い、撃ち、未だ仰け反った小柄の印象と共に向かうべき一点は、"勝敗を決する武舞台"。
このまま下へと暗黒の気配を、『現存する唯一の星に見える頂上へと押し込める』ようにも衝撃を放ちながら、降下。
星の空にて押し続け、だが——対しては片やの神も闘気を失わぬ美貌の花で、重力の香る身に起こす引き付け、『食い付く光の線を捻る左手』は。
『——"""』
少女の懐で集約せし、熱量。
曲がり形にも強熱の力を『敢えて無理に掴んでも起爆』とし、体表面で僅かに残っていた深淵なる装甲の剥離損壊と同時には——天を仰ぎ見ていた姿から惑星地表を視野に入れ、振り返る体勢でも、急上昇。
「!? ——っ"!"」
空に向かい、高く。
追い撃っていたディオスをも追い越して、即座に隻眼の振り返る先——既に、視界を占め始める影の色。
『——""』
「ぐ、っ"——!」
重圧と質量の右手で、襲い。
その『握り潰さん』とする気迫——対し、寸前で見開けた眼光が、残る斥力で正に眼前の、目と鼻の先に拮抗。
『——"""』
「ぐ"、ぬ"ぬ"——っ"!」
『——""""』
「ぬ"、ぬ"ぬ"ぬ"——っっ"!」
しても、大神同士で消耗の果て。
今や、"互いに少女で身の浮いてしまうような不安"を覚えれば、"足場の安定"を求め、流されるまま。
落下しながらの攻防は、密接の距離間で掴もうとする細腕へ、抗う両手から波動を放ち。
後者の輝ける玉体では顔から舞台へ背面に叩きつけられるような姿勢でも、細身に豊かな長身が我武者羅に放つ突風——しなう脚捌きも、今や熱量に乏しければ只の振るう曲線美に小柄を打ち続く風の威力として。
「っッ"——"!!"」
風に暴れ続けても、舞台へ叩きつけられる寸前。
累積した波の勢いでは、熱にも爆ぜて重みを撥ね飛ばし、その反動で飛び退き——。
「——"!" "開戦から間もなくの一秒に"、"何"が……——」
開戦の合図に鐘を鳴らしたばかりのガイリオスの神前では、ごく短期間であった星外活動からの帰還。
先んじた女神の着地は足裏を削るようにも、靴を失った素足に舞台上を滑り——踏み留まっては『一呼吸』の、僅かな間を置いたのち。
「——"永久機関に息切れ"とは、なんたるか」
王が息衝く。
『————』
"一つ"、"二つ"——逆賊は倒れ、秒針が進む。
「……『自由な王であれ』との、宿願……吾が身に負う祝福で、限りなく——」
物語るは、刺々しきまでの尊容。
各種の装身具を焼失したとて輝々たる様では頭上に幾線もの光で描ける『針葉の樹冠』を掲げ、それも『未だ降り掛からんとする呪い』を磁場ごとに串刺して押し留めた砂鉄の如きを負って、銀河円環の乙女。
「だが、それでも、"胸が重い"……『肩で息をする』とは、斯様にも——"こうも息とは苦しい"のか……!」
初に試した限界稼働を終えては、今に各所で罅割れて引き裂けんとする美女の姿に、走る稲妻の如き錦糸の縫合を施す。
血流の重要拠点たる腿の内側から股を通り、下腹に向かってなぞる指の動きは糸を通した針の軌跡としても、『仕上げ』と吹く息に載せて輝々たる粉末は『防呪の白粉』を全身へ宛てがわせ、瑕疵のない体面を繕う。
「……『気道を潰さん』との重撃に、逸れても……吾が龍脈で不調のあり」
しても、『未だ降り掛かる収縮の圧力』へと『抗う拡大の気』では、たとえ不規則な律動に上下する肩と長い髪にあろうと——精彩、欠かすことなく。
「各種の衝撃で『ちゃっかり』と、"毒"を、散布していたな」
今や瞳に灯った銀の光源さえ、明滅は途切れるように弱々しく。
さりとて、未だ余熱に燃える拳は『己に絡む不可視の鎖』を掴み、力強くは引きちぎるような意気を持ち。
「それも、かすめただけで……不可視にして絡み付く、磁力のピアノ線」
暫しに『解呪』で苦闘の姿が身を『引っ掻く』ようでも、間もなく。
王で現状に幾つかの『諦め』を得ても『今に消せぬ傷』として、『首飾りを巻いた己』という典麗なる美女の緩やかな喉を撫でる。
「……喉を引き絞っても、息が詰まるようだ」
それこそは怜悧な白銀、未だ闘気の冷めやらず。
「まったく、吾が煌々ぬるりとしているから……凄惨にならず済んでいるものを」
比しては、その対角に照らされ——"倒れ伏していた事実"。
「しかして両者、『明らかに微弱』なら。遂には怪物のお前でも……"重いだけの少女"らしく?」
威勢を示す軽口の目前——インフレーションの連打、乱打、滂沱を受け、持ち直すに遅れても。
針の"三つ"進んで止まるなら、その根拠は声の波で晴らした爆煙の先——顔の上がらずとも緩慢に片膝を立てる者。
「——……」
「今し方に見せた"急上昇"にも、そう。"お前で強みたる世界一の重みは薄れ"? "軽くなってしまっている"?」
「……」
「分からんでもない。"世界を躍動させるに大喰らいの我ら"、それが追加のエネルギー生産もなく」
「……」
「ひたすらに消費へかまけても、"痩せ細る"、『か細く枯れ木は倒れてしまう』というもの」
喪服のそれで、指摘された内容は事実に相違ないだろう。
暗黒では自重が自重だけに、女神の一挙手一投足が鈍くも、仮に『指先一つを折るだけ』でも『必要な熱量は如何な単位とて優に五千兆を超えるだろう荷重』で身を起こさんとし、"背筋を吊る"。
(……老耄に、『動け』と言っている)
その様も宛ら、『残存する呪詛の力で己を縛るもの』。
疲弊に倒れた自己を半ば強制的にも再起させれば、謎めいた引力で扱うに正しく『強引に操る傀儡"の操作者』。
今際の淵より引き戻す——少女に『不変の呪い』で戻されても、意識は朦朧と。
とうに熱波で獣の装いは失せ、華奢な肢体が蹌踉めいて。
(何度だって——"死に飽きた筈"だ)
しかしても、緩やかに立ち上がっては神王ディオスと比して不動の肩口。
なだらかな胸に乱れる息の一つもなくば、『永年建築』こそは『不朽の少女』で呼吸のなく、脈拍もなく。
宛ら『生ける屍』には『既に事切れた少女を弄ぶ』ようにも開いた瞳孔で——たとえ今に斥力の余波が権能の邪魔をして重力錬成の気も削がれていようと、おくびにも出さず。
纏う喪服にも衣装の綻び一つさえなくは、未だ超極細残滓による爆発の小連打を受けながらも外観にて、怯みなく。
(……敵の余力は、如何程か——)
見目に若々しくも、老いた少女で毅然と立つ。
間を置かずは、覚束ぬ足腰にも強制的な引力を纏わせ、疲労に霞む老眼でも『視線の先に沿う』ようと、自ずと持ち上がる白髪の一部が、"角質"。
傍目には『側頭部から生やす巻き角』こそ、『即席に用立てる照準器』——視界の左右より前方へ伸び出るように進めては、ねじれた一対の暗角を構え。
それこそは、『射程距離の調整や感覚補助に向けても物理量的なもの』として、原始的な形の両角に発生させる重力場でも、"揺らぐ視界の補正"が謂わば『即席の老眼鏡』としても努めて、確かに。
(——いや、どうあれ少女の、"手の届く範囲"へ)
生じさせる磁場に、虚な女神の眼差しを引き上げる。
間に通す『眼力の補助』ともしては——見え出す敵が"銀嶺の如き容貌魁偉"。
「そうを言っての実際、吾でも"流動する気の不安定"、"神の視界に揺れ動く酩酊の様"は——」
見定めた所で『余力も僅か』では、魔眼の弱まる今に至って『易々と引き付けられず』——以後には"自ら小さい歩幅に歩み寄り"、『接近せざるを得ない』とも。
「けれど、斯くもは……"神々の戦い"」
「……」
「これこそは——"これこそ"だ」
「……」
「"私欲のために永久無限すら使い切る"? "珠玉の機関で競り合う"ことの、なんたるか」
「……」
「より速く、より質の良く、より多くの物量で押し切らんとする"鋭悍気迫の境地"……!」
「……」
「即ち『永遠にも思える責苦へ抗わん』として、強靭なる玉体に、精神、偉大に過ぎる技量は——」
「……」
「今、間もなく、この舞台に。"確固たる信念"、"遂には折れぬ義の在処"——『その相応しき担い手』を明らかとする!」
判断も終えて、さすれば。
立て膝の峰にも手を当て——いや、"翳して引き上げる"、重量。
「しても、仮に『暗黒』が『少女』なら、"自重を負う体も華奢に過ぎる"のでは?」
「……」
「先までは『深淵に悍ましく』、比して今や『可憐を象る花の仕草』……宛ら、"水面下のバタ足"」
「……」
「たとえて『造山帯を引き摺る』ように、多大な労苦を伴うものか」
「……」
「どれ。流石の大神も困憊なら、"多少は権能も弱まるもの"と——」
対し、『敵の残存領域を探る先触れ』には、神王より足裏で熱し、溶かす大理石。
流体とした物を手掴みに拾えば、投げ、『鋭利な針』と変えての間接的な攻撃——"威力偵察には少女の眼前で粉と散る様"を認め、飄々にも気を入れ直す。
「——そう。"本体の重さ自体は然う然うと変わらない"か。単純な能力は、これだから良い」
すると、その話術が漂う間にも打ち立て直した脚では大理石の床に罅を走らせ、揺れる山頂。
少女で振動と共に踏み込めば——既に敵の懐、"反響すなわち防護結界も少なく"。
「凡ゆるに応用が効いても、"基礎として完成している"から——」
しかして、細身に残る柳のような腕は『幼気な少女』の様子で敵の下腹から喉元へと駆け上がるように狙っても、突き出した指は空を切り。
「——だがして、お前も"極限"だろう?」
間髪を容れずは、横に薙ぎ。
持ち出す手刀にも、単に身を後退とされ——先まで次元の壁を引き裂いていた切削機のような鋭さはない。
「——今はどうした、"拳が軽い"ぞ……!」
つまりも、"女神の一挙手一投足に空間が陥没していない"のなら、"その担保するための重みが万全な制御に確保できていない"という事実。
見目にも『膂力の不足が著しく』は、少女で追って突き出す動きにも、美女で軽快に横へとかわされ、ただ虚しく聞こえるものが大気を震わす轟音のみ。
「——攻め手に、"先までの引力を感じない"……!」
しても、単純な突きの動作をかわしつつ。
王で己の指一つより引き抜く付け爪の拡大、抜刀——直ちに側面からは熱の刃で切り付け、たとえ不可視の防御に両断できずも、圧で刀身の砕ける爆破衝撃によっては少女の身を二馬身ほど先へと打ち飛ばし。
「頭上にも宛ら『手指で操る糸の引き』、『少女を操る糸吊り』は——"手形の暗暈も透けて見える"ようだ……ッ"!」
続け様にも二本目を流麗と抜いて、立ち位置を変えずに切れば、熱を載せた斬撃が飛ぶ。
狙いは『暗き女神』と、その頭上に反射で輝かせられた象形が『玉体を吊るであろう雲のような印象』の間——"それらの媒介を成す"と思しき『糸』を目掛けた熱波。
「……"!"」
向かう先にも、暗黒神で『開いた距離を戻さん』と駆け出した折。
熱波の斬撃を白髪の頭上に送れば、更に上で冠の如くも斜線交差の降着円盤に何らかの不調をきたしたものか。
不意にも、身の働きを阻害された少女の形で正しくは『糸の切れたような動作』に躓き、"前へ倒れ込む仕草"。
「っ……————」
しては、"見せかけ"にも、前方へ倒れ込む老妖妃。
半ば『片足のみで立つ姿』には、"思わず触れて支えてあげたくなるような仕草"を持ち。
蹌踉めきながらの前傾姿勢——"身の裏に隠した後手から"は、『踵より外した質量』を振り抜く。
「ふふん——"隠しきれなくなってきました"か?」
けれどは、不意を打つ質量すら再び空を切り。
しかしは、倒れ込んだ先の立膝。
屈んだ姿勢にも残る脚より艶かしく、『脱いで外す一連の所作』は、"今に履いていた靴"の筒状部位を手に持ち得ても——滞りなくは『田に苗を植え付ける如く』も振り下ろす。
「"垣間見える動作"、"魔眼の発動"にも——"重厚な音が聞こえる"ゾ……!」
その暴威に対しても横に転がる回避から。
回る中にも爪を引き出して手には二刀が、暗黒女神の背後からを切り付け——しかしは狙いで逸れて『暗き神の側面へ誘導される』のは何故か、いや、"靴槌の質量"ゆえだろう。
不自然に引き付けられる二刀と、彼の女神が片手に持ち上げ直す得物とが打ち合い、弾け。
また、その間にも『敵の行動未然となっている残りの手』では『反対側の槌にも引き込まれる危難』を恐れた王で——爪弾きに、もう一つ。
「——ぬ"!」
付け爪の一つ、衝突面に撃ち込んだ可燃性では、爆風の規模を広げて後退。
同時に爆ぜて飛散する『白粉』と『熱可塑性の合成樹脂』でも隙を少なく、彩り。
「——……恐らく。"機関に再始動を果たす"のも、『吾の方が早い』と見て」
「……」
「しかし、"現状の威力"では、『暗黒』に」
それら撹乱を済ませては、舞台の端に着地の王。
今し方の"得物で打ち合って悟る事実"に——『未だ敵の方が頑健』と。
「……まぁ? 此度は『ルール有の戦』ですから、『どちらが絶対優位』とも言い難いのですが」
また、『単に爪を使うだけでも不足』と見るや、『たかが一本の無加工では即座に弾けて大した威力でない』としても、並びの良い歯と歯で噛む中指と薬指の先端。
固定した顔の前に線を引き延ばすような手の動きから、摩擦の熱と圧力で起こす鍛造にして研磨が付け爪の二本を束ね、『剣聖』と『鍛治神』とを兼ねる大神の仕草。
「けれどは即ち、吾が方には『テンカウント』と『逃げ回る』——"二つの勝ち筋"があって」
その左右両手で鍛え終える動作には、大技以後に結びが解けたままの銀髪で揺れて。
衣で脇腹や肩口の節々に食い破られた形跡が目立つ美女でも、熱刃の二振りを持てば、やおらに胸を抱えて持ち上げるような構えに腕を組む。
「貴方には『短期決戦テンカウント』の"一つ"と相成れば——」
その悠然とした隻眼に眺める先——立ち上がる少女、薄靄に包まれた槌の二振り。
戦況は今や、語る前者に『電撃戦の化身で時を望み』、黙々と動き出す後者においては『遅滞戦術の鬼で急ぐ』。
「当然——"会話に時間もくれない"か……っッ"!」
さすれば、悠長としていた話し込みも、『撹乱されていた暗黒が再び敵影を捕捉するまで』に終わり。
その薄暗い眼力で再び合わせた照準へと、槌の振り被るような仕草の——直前。
銀の美女では、豊かな乳房の下や裏に隠した指の微動や後手で『クルクル』と練っていた"熱量円盤"——勢いよく組んでいた腕を開き、振り抜く刃では数を投げつつ、その熱と回転する暴風で作る幻影に合わせては技を放った当事者でも死角から、駆け出す。
「そら、そら、そら、そら——そらっ"!」
身を低くは、勝ち気顔。
正方の舞台上で大きく回って駆け巡り、己の前に交差した聖剣を擦れば、熱して、弾き、飛ばす火花。
「"——"」
対し、掲げる右手の槌で宛ら『盾』の構えが飛来する攻撃を寄せて、受け、潰しつつ。
残る片手には照準補正の間に貯めていた膂力も込め、二者に未だ距離が開こうとする中にも左を振りし、迎撃態勢。
「——"「——っ"っ"!!」
迎えて、打てば、『重みある振りで引かれた先にこそ敵は吸い寄せられて現出』——対する王では『引き付けられる予見』からの即断に極まる動作が、二刀で一斉に振り込み、
絶妙な間合いで放った連撃も左の槌に対して刹那で数多の剣戟を刻み込めば、それら衝突の瞬間に脆くなった得物が双方の武装で爆散。
「おお"ぉ"ぉ"ぉ"——ッ"!」——!"」
舞台上を激しく風が吹き荒れ、その衝撃によっては再び開く距離。
しかしは、間を置かぬ暗黒で敵を狙わぬ粗雑な動作に『未だ王の動きは捉え難く俊敏』なら、『狙えず』も。
既に少女の身で『会心の極意』なども常とした神が残る右を振って、引き付け——対しても読み切っては振りかぶり、既に手足の付け爪を束ねし二刀。
先からの引きつけられる度にも、女神ディオスでは『高速の連撃』、女神アデスでは『重く一撃』で搗合、爆ぜ——前者の軽快にして勇猛の様が、徐々に爆破で吹き飛ぶ退避先を『身の浮く上方』へと修正し続ければ。
「おお"ぉぉぉぉぉぉ"——ッ"ッ!!"」っ"——」
斜めった上から、爪の二つずつを束ねる神が二刀で下へ臨むように。
引き付けられても敵を舞台へ叩き伏せるようには何度だって舞い戻り、烈火そのものと振り下ろされる聖剣。
燃え盛る刃が、少女の辛くも振った右の槌と相互に実像を消しあい。
されどに殺しきれぬ勢いと爆風では、敵の小柄を傾け、組み伏せる如くも再三に衝撃の波を浴びせ掛け——秒針が差す、"四つ"。
「互いに得物を使い切って、"君には振り下ろす蹴爪もない"——」
喪服の少女で押されるまま、傾くまま。
横へ倒れ込むようには『右肘』と『右膝』の接地で多段の波に押されても、"五つ"。
荒波の終わりには『直ちに身を立て起こさん』と、片膝のみに戻って計測を止めた所で——『追い撃つ』が、必然。
「——"だが"……!」
掌に迸る——電光。
「しかして、吾には——"信仰"がある……!」
その電撃攻勢に先んじては、今まで手足の指から計十六の付け爪を消費したのち、足に残った四本を使う。
爆風に滞空している神で、眼下に少女を眺めた頭上から、両足の薬指と小指に外した余りを振り落とし、敵を『箱型』に囲むように舞台へと突き刺す配置。
「"閉塞に走る罅割れ"——"宇宙に駆ける稲妻"の如き」
四方で繋げば、包囲網。
配された『杭』を"媒介"として。
「儘ならぬ世界、たとえ漠然と進んでも——『打ち破れ』との"祈り"が……!」
王の降下と共には、敵へ被せられた電磁の網。
着地の後にも翳す掌より、稲妻を注ぎ、結界に縛る拘束術。
自由を標榜する神の意思で『蛇』のようにもしなる自在電熱の連続体を以て——秒間に二十四億五千万回を超えて振動せしは、身の小さき神へと煮立つ嵐を齎さん。
「その"代表者たる"に注がれて、"民で信じねばならぬほどの圧倒的器量"は、『最も真に迫った神』へと宿るもの」
異なる形容では、"熱を帯びた薔薇の棘"。
鋭利に身を撫でる小刻みな衝撃に『ハイパープラズマの鞭』が打ち、たとえ未だ傷一つ付かずとも防御の薄まった少女の身へと外部からの権勢が荒々しく。
「即ち、『皆の抱く希望』には"実現への可能性"を思わせ、『やってのける奴』だと示せねば——心を如何な鬼神にしようと、"いずれに全てを与えねば"」
語り掛ける者には意気軒昂が輝々たる様。
銀に燃える隻眼の内でも『無限に輝ける星々』こそは、"民に託された願いの証左"として瞳の中に『夢見の光』を宿し。
「つまりも『親を超えること』、『王殺し』、『神殺し』すら——"我らに見果てぬ世界"さえも含めて」
対し、両膝が折れても、"六つ"を差す秒読みに。
眼力の色を対比しては、宛ら『空の弾倉』の如くも赤黒に込める力は失われ、次第に濃度を薄く。
「"先んじての抑圧"には『反発を生む土壌』としても、育み——"大神を超えた先"には、"我ら万能に与えられぬもの"も含め、『全て』、『凡ゆる』を無償に開かん」
痺れ続く身に肘も落とされ、"七つ"。
深紅の魔眼で今や、装丁を薄紅とする虚脱の色すら何処かは艶かしく。
「つまりも『無限の奉仕があって然るべき』。それこそは吾の示す"最大にして最高の"、『愛ある親』の形なのに」
だとして、四肢に伏して、"尚も"。
両肘に両膝、"細腰すら上げられぬ超高圧の電流に逆らい"、"網を抑える掌に未だ抵抗が伝わる"のは——『なぜ』?
「よりては、斯くも意図して『悪逆にさえ相成れる神』が」
「"……っ"」
「時に『禁忌を恐れず突き進むべき』も、『最速最高にして自由を標榜する吾が身』だと結論も出よう折に——」
現に王では『念入りに気勢を削がん』と。
炙る玉体への"降伏勧告"じみて『逆らうに大した理のないこと』を詳らかに説いても、疑問。
「——"なぜ"?」
「"……、"」
「それでも尚、意を抗して——『世界に立ち上がらん』とする?」
疑えば、己に理解し難くも『未だ予測を超えて狂気じみた挙動』に『恐怖』したのだろう。
語り掛ける先には、電熱に燃え、旱魃に渇き、世界の燃焼する圧で以て頭から押さえつけられる如き調伏術式の中でも——"失せはしない執念"へ。
「既に身を守る不気味な装甲も、貴方に失せて久しく」
「……——"」
「何より"秘匿主義の貴様"が、"斯くも危険に身を晒して"……"立ち上がる"、"立ち向かう"?」
「"——、、」
「"どうしてそうも再起に向かう"? "立ち上がれる理由"は?」
湧き上がる畏敬によっては『恐れも多い未知を晴らさん』と、"疑念"の形で問えば。
「我ら大神、既に失意を経て幾久しく。生誕を受けて直ちには、仕様もなく複雑の側面で『救いきれぬ』と悟ったもの」
「……っ"、、」
「過去の全て、捧げられて尚も満たされぬ。剰え、何もかもが『理想』や『完全』に至れず、"いつにおいても未熟"が、"憎らしくすら思える身"で」
「"……、"」
「"終わりなきも自己嫌悪"。今この時にも"破滅の願望"は、『永遠に続く努力や苦悩へ真に終止符を打たん』と『諦めや終わりさえ喜んで迎えたい』とする筈なのに——」
「、……"」
「——"どうして"?」
だがして問われた者に、委細を語り明かす筈もなく。
「吾では『儘ならぬ己を殺すため』。『己の産み出した皆に超えられてこそ』は自身の存在した功績を誇らしく」
「"っ、……"」
「また、『真に果たすべき大役』を終えれば、『解き放たれた自由の瞬間』に、『自在の感慨』こそを待ち侘びて」
「"……、、」
「"待ちきれず"は——"自分のために"」
「、……——"」
「史上に最もな高みで、"孤高"は誰にも理解されぬ。誰彼の浅はかに分かりきった顔なぞ、されたくもない」
「"——"」
「よりても"孤独"は、『自らに尽くす』しか在り得ぬのに」
その『答えさせる』も『時間稼ぎ』と明白なら、意に介する訳もなく。
「お前では——"なぜ"、"戦える"」
「"——"」
「"何故"に、『他者のため』で立ち上がろうとする?」
しても、内で完結した心の働きを、今に悠々と並べ立てる暇もなくば。
「——"王意"を示せ、暗黒の王」
己に理路を整えるは、誰に語るでもない傍白。
「っ——」
立ち上がるためにも内部の議決に理由を持てば、閉じようとする瞼を引き上げ。
霞む暗き魔眼を構え続ける——ともすれば遥か昔から光のなくも、生来の色は『死産』であったのかもしれない。
彼の女神の内では呪詛に満ち満ちて『生誕を祝せぬ己』は、『生まれ出た自己』の"矛盾"に耐えきれず。
よっては、目覚めることのなく、直ちに意を閉じようとしても——宛ら『生まれ落ちての水子の魂』は、『未だ誰にもならぬ』、『なれず』、『己の夢を描くことすらできなかった身』で——何もかもが恨みがましく、妬ましく。
「……——"」
羨ましくもあって——"それでも"、"私だって『■■』になりたかった"。
「、っ"……——"」
即ち、『私も夢を見たくなった』のだ。
たとえ今にも胸の奥底で燻り続ける『邪悪な思念』が、『怨念』とも言えて『数多の呪詛』が『己の抱える本質』だとしても。
殺し、犯し、奪っては、壊し、滅ぼすことしか出来ぬ己で——『もしも真に理想が実現できたなら』、『いつか私さえ救われるかもしれないのだ』と。
「、、——……"」
故にも未だ、瞼は閉じぬ。
闘志の滾りは、止められぬ。
けれどはしかし、『邪悪なる己の真意で目を覚ましたことは一度だって有り得てならぬ』も、必然——"自らを殺せば"、"他者の夢に与る"。
それも、『とうに永遠の停滞で諦めた己』でなくば——『それでも』と言った、誰かのように。
過去には『限りなくも真に理想へ挑むのだ』と"夢を見せてくれた者"への『憧れ』によって駆動しよう。
「"……っ"——」
それとて、偽れぬ邪悪では——"皆の全てを使って式を描く"。
私で理想に成り得ぬなら——"理想に成り得た皆から奪う"。
"そのため"に整える、"筋道"——『どうあっても救いきれぬ己』を『皆』に重ねても痛ましく。
進めては『他者の心情』を『凡ゆる多面を有した大神のもの』ともすれば——『同族への嫌悪』や『共感から見るに堪えず』で悩ましくも『己が苦痛から逃れるため』と。
即ち、論理の式で『真』にして求むるは、"それら過去にどうしようもなく傷付いてしまった魂を救い上げる方法"——『誰も傷付かぬ世界のため』に。
(『——聞け。世に生きとし生けるものどもよ』)
よっても、指揮に命じた己自身。
語るべき言葉は——『民』へ。
(『我は暗黒の化身。皆に本願を問う』)
電熱の嵐に焼かれながら、"同様に焼かれ続けた民"へ聞く。
(『前提として、"真に理想を確約は出来ない"——』)
民意、伺ってこそは義を保持し。
(『だが、"今より唱える約束のため"——【神で努める】と誓おう』)
近しき我が身へ——"信仰を"、"寄越せ"。
(『——"私が皆を匿ってやる"。光の狂熱から遮り、"他者の差し込めぬ暗黒の裏"で、【安らかに君は微睡む】のだと』)
それこそは、『契約』の時。
(『我が領域では、"実在の他者と関わる其れ以外"、"凡ゆる全てを認めよう"』)
光に溢れる世界を、闇へと誘う悪魔の言葉。
(『宛ら、以後に、"実の子を産み落として関わることも禁じて"——【関りを持たぬ】それのみへ応じる日々に、私が皆の生活を保証する』)
黙して語れば、伏した魔眼——"血濡れても夢見の眼差し"へ、"小さな星々"が集い出す。
(『君たちの如何な行い、如何な物思い、思想、持ち得る如何な思索の全てを、何れに認めよう』)
今此処に"他者の願い"を瞳へ宿し、何よりは『受け持った契約の証』として、今この瞬間に刻むのだ。
(即ち、『君たちの存在へ誰で文句も言わせない』——『安穏とした暮らしの中で貶させはしない』と"約束をする")
未来のいつかは見据えた鏡で眼差しの映るなら、己で『約束の事実』を"忘れ難き自明"と、何度だって再認が出来るようにも、決意として。
(『確証は与えられずとも、"努める"のだ』)
力強くは、『凡ゆる危難へ対処に能う』と信じさせる自力を見せよう。
"如何な場面でも民の願いを負うに不足のない"——"不屈の心"、"至高の御業"、"強靭なる肉体"を兼ね備えた者こそ真に『相応しい』のだと証明する。
(『【皆の安息が未来永劫、永遠と続くために大神の力で努める】と——』)
さすれば、その、動き出す姿。
(『であれば——"力を貸せ"』)
秒針は"八つ"を指した折——伏したままでも、再び両肘、両膝を打ち立て、緩慢に『身を起こさん』としたならば。
「さもなくば、"黙して待て"」
「————」
「『本質を示すに能わぬ』なら、汝、王朝に組みせよ——」
輝ける美女で途切れる声——耳には"軋む杭の騒めき"。
「——"!"」
秒針に"九つ"は数えられ——しかし、遂に四肢で舞台面に片膝を残すのみとなれば、再び数の計測は停止する。
「なんだ——"今になって周囲が仄暗く"」
続け様にも、立ち上がらんとする者で右手が磁場を掴めば、"干渉"は網目伝いに杭へと至り——焼き尽くす、"炎"。
「"何をしている"——"よもや"」
しては、その未知なる恐れに極まって強める電撃にも、"電光の進む射線を割いて込み入る現出"とすれば——波を遮る、"氷柱"の落とし。
「"その力"は——"信仰の"……!?」
今に、"魂の安息たる暗き世界"で期待されるのは——『不浄を燃やし、清める炎』と、『不義を戒める氷結』を持って。
「では——"まさか"……!」
揺らめいても、立ち上がる。
連動しては網で引き剥がされ、炙られた杭で脆く、かつての爪は粉と散っても——正しくは、"再燃の威容"。
「"暗き瞳に願いの星々が宿れば"——『お前』が」
"新たな熱意"を持っては上げられし顔の、"その瞳で宿る光彩"を認め、神々の王は瞠目する。
「『御身』、『貴方』が——"他者の意を汲む信仰の方式を利用"して……?」
眼前には、極限で無気力に沈んだ筈の瞳に、"宿る冷光"。
真紅の眼で『躍動せし魂』の表象たる輝きの星々は——今に対峙せし神や、かつての青き女神の如くも『内に抱いた夢見』を模倣し、象るもの。
「どうしてっ、いいや——"嫌"……っ!」
それすら、彼女の手製に独創的。
あくまで『借り受ける夢の形』としては自前に有する円形の重力源こそを中心に、その周囲で宿した星明りによって瞳の輪郭を照らし。
真中で間接的に証明される印象が『水平に囲む降着円盤』の如くも、『暗黒の渦穴』で星光との対照的にも『より鮮明』となった、陰影。
「"永遠なる処女が僅かとも他者に信を置いては"——ごく僅かとも、"身を預ける可能性"を見せては……!」
しても、その重圧的な眼差しが王の視界で大きくなり——『歩を進めん』とする足運びに、未だ衰えぬ気迫の様。
「よもや、『不信の神』が、"他者を頼る"ことなど……!」
対しても、張リ張リ雷鳴、喧騒。
煌めきの美女で一層に、がなり立てた所で変わらぬ緘黙は——たとえ氷壁の砕かれようと。
「——あっては、"ならぬ"……!」
今や放たれる電撃を、正面に翳した左の掌に抑えながら進み出す。
「——"叶わぬ"と知れ……!」
余す右手には——"光景を歪める不可視の拳"を構えて。
「"吾が身で油断なくウィルスプログラムすら仕込んである"というのに——"そうまでの危険"を冒しては……!」
緩やかにも着実な、足取り。
輝ける茨を掌握して進み、加勢に王で睨み飛ばす眼剣すら——同じく睨みで相殺せし、黙して魔眼の冷厳。
「馬鹿です——いえ、いいえ、嘘ですっ!」
次第には、電撃を調伏する圧力。
徐々に握り込む箇所から輝線を鈍く、塗り固めるように、剰えは線の繋がる先で『担い手の王を縛り上げる』如くも逆算から、翻っての対抗術式。
「そんなことが、っ……ある、わけも——」
しては、電撃を放っていた手元から足元に至るまでを『氷像の蛇』に絡め取られ、"身動きを固めた敵"へ。
「『至上聡明』にして『多知万能』、『偶像完成形』は『艶事の全てを知り尽くして』も——"永遠の乙女"であって……!」
速まる、足取り。
「"孤独"、"その象徴たる御身"——それを『全て万民の為にの吾が打倒する』からこそ、"此の身は誰より正しくて"……!」
既に枯れた電線を払い潰し、両の手を腰の横に低く構えても——。
「『全てを知り、全て能わすに迫る尊いもの』だと"証明"が、"対比が映える"というのに——」
——"駆け出した"のなら。
「これではっ、"只の圧政者"! 『ただ民意によって退く暗愚』とは、"吾"に——」
即ち、『時を急ぐ少女の、直線にも最短距離で向かわざるを得ない状況』で——"吾に最後の秘策あり"。
「輝ける下暗しの、吾が方に——"!"」
しては、銀の花貌も狂い、惑う口振りから、一転。
喚き散らしていた女神の印象は『超然たる王』へと巻き戻り、美女の肢体で縛られ、首から上ほどしか機敏に動かせぬ身でも秘していた発揮が散らす、上半身の拘束と——『雫』の残り。
その『秘策』において、十秒と少しの前には『胸を抱えながらの考察中にも小刻みと貯めていた熱量』で、此処に『動力分』を確保。
熱で生じる勢いのままには正しく胸奥から谷間を駆け上がって、物言いが吹かす風にも、服に開けていた『王』型の字形から飛散とするは飛沫——間もなくに弾けて薄く広がる『光輝流体の水鏡』は。
「"いいや"——」
"照準"——自然と引かれて敵の元へ。
多く枚数に並べても、左右の両辺に並ぶ鏡面たちで、その面の向かい合う間とは、"射線上で幾重にも繰り返す反射"。
つまりも、『凝縮せし光』によっては出口に捉えた敵に向かい、伸ばす兵装から、自若の面輪が『迫り来る敵』を見据え、正面に構え出す——兵器の輪郭。
「————"否ッッ"!!」
"輝ける砲身"は、『龍の顎門』としても——。
("——")
——"冗談ではない"。
こと此処に至って『炎熱』や『電熱』と『肉体』で競り合うこの後に及んで、銃身に込み上げる熱量が先刻までの『膨張世界』。
その煩わしさに何よりを思えば、性急と向かわざるを得ない時に『超光なる神の残像』なぞ、『大きく回避して立て直すも、時間の稼がれて負け』。
また『直撃に息吹かれても残り一秒の間に立ち直れず』は、『殆ど等しくの結果』を齎し——つまりも、そうして、"堪ったものでなくば"。
『——"!"』
選ぶのは、回避せず、時を割かせず。
退かずも待ち受けず——"成立の前に進む道"。
創世の光を浴びるより早く、"射程範囲であり熱源の中に角を突き込む"——突き出す左の肩と併せては『突貫のみ』が解と知れ。
「——っ"!?"」
その時空を圧縮して突き込む勢い。
磁場を巻いても貫く角を欠けさせながら——押して参り、砲身を破壊。
ならば、その撃ち出さんとしていた光勢へ使い損ねたエネルギーは、瞬きによって転換、防御に周る斥力鏡面。
だがして、"超重の神を相手に防戦"へ回れば——『僅かにも敵が怯む』と見て重量に押し切る神の御業。
『"—— "!" ——"』
右拳に宿した氷炎反応、打ち込んでは冷気と熱の静かなる波濤が守りに徹した壁面を滑り、吹き付け、割り砕き。
崩壊せしが不安定なエネルギーの誘爆、しかして、その爆煙すら残る拳に呑まれても——宛ら光景は集中線と吸い込まれ、舞台に一切の障壁が晴れる先。
「"——"/"——"』
神と神、再度に見合えば。
見下げる者と見上げる者で、白銀と深紅に目線は目線に重く牽制、権勢を抑制し。
"左手に秘していた暗黒の残滓は腹部"で——"既に王の本体へと少女の掌が到達している"。
「な"——」
間を置かずは——捻じ込む暗黒螺旋。
「う"——」
捻じり伏せる手——進む勢いの甚だしく。
「ぐ——ぁ"ぁ"ぁ"ぁ——!?"」
抜け目なくは氷結にて身動きを冷え固め、炎熱との反応が爆ぜる勢いに質量を載せ。
鋭い指の突きでは身を開き——秘匿していた暗黒ごと、重く。
『"——"』
神々の王に左半身を打ち付けさせ、舞台の石も軋み出せば。
「——、ぁ"……ぐ、っ"!」
"一つ"、"二つ"、"三つ"——左肘と左膝の接地により、『王の敗北へと迫る秒読み』で、針の振れに狂いはなく。
『"——"』
「——っ"……"な、ぜ"……?」
折れた角の補正で辛くも保持した重圧の眼力に、踠く敵の肘や膝に見える再起の気勢を潰し、倒した光体を押し留め。
突き刺した掌は光の身へ、内部に渦巻く暗黒潮流を持って。
『"——"』
「なぜ——"そんなこと"、が……?」
"四つ"、"五つ"、"六つ"——声が押すも、身は起こせず。
寡黙な少女で相互に睨み付く眼力も相殺すれば、たとえ熱き奔流の鋭く吹き出す返り血に尊顔を焼かれたとて傷一つなく——色も変えずは『毒』を入れ。
「『自ずと滅びた世界』なら、"皆が皆を呪いあっての心中"——」
『"——"』
「——"その化身"たる、"貴方"に……!」
切り口から注ぐ暗黒の波は王が有する光輝組織を謎めいた重酵素により、破壊。
また、後に細々となった構造の隙を突いては速やかに拡散とし、各種免疫や神経系に動乱を引き起こしても、如何に強大な神とて忽ちに気勢を弱めるもの。
「"悪辣に裏切りを重ねた疑心の果て"——」
『"——"』
「——"失意と絶望に沈んだ貴方"が、『他者の信に報いる』などと……!」
『"——"』
「——『再び儚い夢を信じる』ことなど……!!」
しても、時が"七つ"を読む折に。
玉体侵入を可能とするも『破壊神との接触』に起因せしは、かつて『自身という大神を削られた事実』に得た力で、貫いた身に流し込む呪詛が、夥しく。
「——"どう、して"……?」
『"——"』
「"共に誰より優しく慈愛の化身"、"誰より悪辣で無慈悲な神"は——」
『"——"』
「"今や同じ美少女でもある"のに——"こう"も、"違う"のは……っ!」
"八つ"にも時が進むたび、神の組成信号は著しく掻き乱されても。
現王の玉体で『自壊』に向かい、構造の式を書き換えられれば—— 間もなく、"勝敗は決する"。
「ぐ、っ!? 最早、その証左も維持が……っ!」
『"——"』
「"毒"は、解析を阻む、抗体を滅する——"暗黒仕上げの復種毒物"に『自由の方向性ないもの』と、意識を、っ……解体、され……っ"」
『"——"』
「若々しく見目良く、声もっ、良く! 『凡ゆる場面に正しさを見せる美少女の姿勢』が維持、っ、できなければ……っっ!」
よりても、"九つ"——即ち、両者共に累積した時間の等しく。
「こ、これでは——」
『"——"』
試合終了の間際。
"一層強く念入りに掌と眼力で押し込む少女"と、"身を完璧に押さえ込まれた王"で——残る一秒までに覆る目もなければ。
「こ、このままでは——」
『"——"』
「っ……今宵、"ここまで"、か——」
『"——"』
「あ——あぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ……!!」
『"——"』
「ぐ、っ——あ"ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ————!!!」
針が示す『十』の時——。
「あ"ァ"ァ"ァァァァァァぁぁぁぁぁぁぁぁぁ——————!!!!」
——此処に勝敗は決した。
『""——""』
「あ"ぁ、っ"、あぁあ"——!」
よりても既に武舞台で『決着』の鐘が鳴り響けば。
『""——""』
「く、あ、ぁぁ——」
『""——""』
「あ、あ"ぁ〜〜!!」
『""——""』
「あ、あぁ〜ん——」
『""——""』
「——……"?"」
『""——""』
「……」
『""——""』
「——…………"?"」
鳴り出した以後には——"十と一つ"。
「え"——"十一"!??」
真実としての計測超過。
なれど、勝敗を分ける秒数が過ぎても"暗黒の女神は敵の本体を放そうとはしない"。
『""——""』
「——な"……!?」
剰えは、"事の証明を務める大神すら沈黙を保ったまま"——『事の趨勢をただ目視するのみ』なら。
「——"貴様ら"——」
試合が終わり、"鐘が鳴り響いた後にも女神の毒手で止まることのなく"——即ち、『奇襲』の時。
「——"謀ったな"……!!」
王では陥れられても、見遣る先——審判役には『いや、裏切りというには語弊のあり』と言いたげな仕草が、首傾げ。
その故にも、ともすれば、第三者たる神では『単に二つの依頼を同時に遂行するだけ』のこと。
"ディオスから願われて"は——『暗黒を引き摺り出す』、『奴めの本願を引き出す』、『邪悪を容認するにも、当事者のみで議論は過熱の一途なら』——あくまで『仲介を立て』、『形式も立てる試合』を叶えた。
また、"同時にアデスと通じて“は——『光る荒神の■■』、『しかして、眼を見開くだけでも殺戮は無差別となってしまう』、『故には、ただ忍び寄ることでなく』、『光と正面から相対し、相殺し、余波も厳に処理でき得る仲介を立てた機会こそ』と——やはり、"等しき形式"を要したならば、共に叶えて矛盾のなく。
「——フ……ッ"!」
銀の眼差しに送り返されるは『不義はない』とした、無言の訴え。
さすれば、その"妙"を瞬時に理解した王でも『仕方なし』の"笑み一つ"——『律儀な者へは不問』としよう。
『""——""』
「く——っ"、こいつ……!」
しかして目下、いや、苦しく隻眼の見上げる先に鐘の響けども『離さず』の脅威。
とうに勝敗の決着は付けども、赤き魔眼と手が止まらず。
「大方、『諸々の事情で、よく聞こえませんでした』と処理する、"お婆ちゃん積もり"だろうが——」
『""——""』
「"都合のいい時だけ老婆ぶる"、この、『毒婦』が——あぁ……ッ"!」
試合の形式を定めた規則にも『決着と同時に全ての動きを停止せよ』とは上述もされていなければ、改め叩き込んだ毒手が『互いに困憊』で"勝敗の決した今"にこそ。
より一層の重みを増して続く掌は、王の左半身から舞台へと押し込んだまま、未だ輝きの化身を揺るがす少女とは悠久の太古より極まる『毒殺の名手』に在り。
その神の超重が齎す極限の濃縮が夥しい種類の毒物を瞬時混沌に掻き混ぜて、同時には秘法に満ちたる神の身すら捻じ切り、開いた敵の臓物へと、直に呪詛を注げば——『致命』と成り得る一打を持って。
『""——""』
「ぐ、っ、ぁ"ぁ"——!!」
形式を重視するガイリオスが、"決着の宣言を記録に残す音とするまでの間"。
「あァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"————!"!"!"」
より、破砕の勢いを強く。
『""——""』
呪詛を流し込む先を、深く。
(———— "!" ————)
永久機関——その『停止』を、目掛け。
『————分からん』
寸分違わぬ狙い、遂に"核心を目前"として差し込んでも。
『"未だ貴公が何者であるか"は——しかし』
撃ち出す拳に潰して、『機関を動かぬ粒子に変えようともした』のだが——しかして、"既に敵は手中にない"。
『"未知に判明したこと"の、"僅か一つ"でも』
ただ録する魔眼に見えていたのは、"機関再賦活化を闇より速く"。
直ぐさま切り離すに爆散、敗走が——脱兎の如く。
『心の内どうあれ、たとえ悪辣に極まっては——"故にも"、無限の悪意を想定し』
「……」
『"民のために努めるもの"が——【真に偉大な王】として』
以後に周囲で舞うは淡雪じみた白銀の輝き、極小の粒となって飛び散る王の破片。
"注入された毒物が全身を駆け巡る前の排出"では『己の身全てを解体』とされ——王で『繋がりを絶って』は『これ以上の侵食が向かう先もないもの』と、迅速果断の対応によっては『襲撃者で仕留め損ねた』、『逃げられた』という事実。
『——この苦しき胸の内を知る、"王友で認めよう"!』
つまりも暗黒の女神で『勝負には勝った』が——『暗殺は失敗』だ。
(——")
よっても、勝利に持ち得るのは『これから行う事業について直接的且つ詳細な調査を禁ずる』などの呪詛を刻んでも、要約して即ちが『敵の権勢の弱化』という『最低限の成果』のみ。
内心で舌を打とうと不変の結果には、破られた氷結の残滓も飛散し、"握っていた手の温い感覚"——他者の熱により『永遠の拘束に誘おう』としていた冷気が緩めば、『抵抗が成された事実』も明白に。
企てた『斬首作戦』も兎角、既に目の前には光の残滓で、"落とすような首がない"のだ。
捕らえるべきであった危険因子の本体も、完全に落とし切る前には自らで弾け、敗北を喫しても強かには『遥か遠く逃げ去ったばかり』で今に対処の仕様がない。
『より厳密に言って【認めざるを得ない】は畏れ多くも——"初めて"、"心胆が冷えた"ぞ』
"互いに伯仲"と打ち合って、"仕留めきるだけの余力がなかった"。
"弱体化を果たした今の彼女には重さが足りなかった"——"強大に極まる敵を引き付けて離さぬだけの圧倒的な力"が。
しかして同時に、『確信』も得た。
大神同士の極まる戦を実証に経て『互いに中長期の無限が大きく差を持たぬ』なら、『仮に他の諸神を始末してから邪魔のない状態で孤立させた王に臨む』より——『僅かでも他の可能性を生かした状態で【打倒神王の札】として利用する方が得策』と。
「……」
『だが、暗黒の齎す詰みを抜け出し、辛くも寸前で魂の封印は避けさせてもらった』
つまりも、『真に強大を打倒する為の更なる力』としては『他者という駒が肝要』と——暗殺を仕損じた、この時に。
「……」
『故にも、言いたいことは分かる——【疾く失せろ】と』
しても、超光が残した玉声。
『……して、吾に"負け惜しみ"の自覚もあれば、逃げ果せ、三下の如くが既に失せても』
「……」
『今は手短に、"勝者への祝詞"を置いてゆく』
澄み渡る女声が大気を震わせ、舞台上に木霊する。
『しかして——"示そう"。【自身】とは"己の枠組みに囚われた者とは違う"のだと』
「……」
『自身だけにとって好ましく、また都合の良いばかりを重んじて、非なるを軽んじた——"つまらない利己主義者"とは、"違う"』
「……」
『【我ら大神は異なるのだ】」
「……」
『たとえ我ら、"世界の化身で見渡す全てが既視感"だとして』
「……」
『生きとし生ける皆が己の似姿にあれば——それら全て万民万象を【己ごと】に捉えた者こそ【真に指導者たり得るのだ】と』
しからば、今には勝敗の決して、遂には逆転した力の証左が、世界。
大神に活力を戻す無限で書き換えられる宇宙の法則も、『熱く乳白の輝き』からは『冷暗』の色へと変わりつつを背景。
『つまりも訓戒として、【民を選んだものに真なる義は宿らず】』
「……」
『よりても【王の器】とは、"万民を思うもの"』
「……」
『とりわけ"民への報いを具体に示し"、"夢を現実に起こせる"ならば、"我ら王とて傅かざるを得ない"のが——"真に一つの取り零しもなく"」
空に遅れて見え出す、神々の攻防。
その余波は『暗色に呑まれゆく満点の流星雨』として方々で砕ける塵芥が、いずれ星々と変わる場にも寡黙な神で動じず。
『"その万民"、"万象の幸福を思ってこそ"——【王の中の王】』
"欠けた角"で、『歪な王冠』のようにも。
『其の、大義を』
「……」
『今日という日に"奪い取って君臨せし"は【もう誰も傷付かぬ】という"次善の策"でも——"正しき理想を目指す者"よ』
玉座を背にして頂に立つ、"新たな覇者"。
『"世に喧騒を憂う"なら、"孤高が為すは自明"の理』
「……」
『なれば同じく、【永年問題】に挑むがいいさ』
「……」
『思い描く【真に苦痛のないもの】とは——おおよそ等しく【皆が幸福の世界】へ!』
敵を抑えて屈んでいた姿勢からは、緩やかにも華奢で身を起こし。
『しても、"同胞"に。其の【新たな門出】を祝そう』
決着の事後で揺らめく細腰にも——"ひと呼吸"が、回復の間。
『今宵に顕すは、【静謐なる楽園の守護者】、【暗黒の聖女】』
薄れていた紅色に戻る、確固たる眼差しで星々を宿しても暗く。
『【誰にも黙して語らず】を除いて他を求めず、"真に慈悲深き偉大の王"』
消耗の終わりに際しては側頭に添える両掌——押し込む角を、収納。
『言葉の裏には、"他者を害する毒心"。即ちが【悪】を悉く浴びるよう、飽きるほどに知って——』
「……」
『——それこそが【魔】であり、その性たる【魔性】を知り尽くしても』
「……」
『成し得るは"無限の悪意を想定"し、時に"殺したがりの己"、"奪わんとする自己"すら——"悪害の化身で其の全てを律して支配に能う者"なら——』
そのまま下方へ流す手付き、艶に溢れる髪を撫で付け。
『"殺意にも通じれば己の殺意すら殺せるよう"——"魔なる物"でも、"其の統制者"』
先まで炙られていた白き流れ、手櫛に整えても立ち直る。
『即ち此処に【魔を統べる者】で戴く、"新たな冠の名"は————』
暗き喪服の少女。
『——【魔王アデス】降誕の時である』
祝詞で響き渡っても、粛然と。
舞台上の勝者と外の審判で残る二神が立つ場には、『美女然とした光波干渉記録』が敬意の表明に首を垂れていた姿勢から、身を高く。
『祝おう。新たなる王の成立を』
「……」
祝いを終えた後には、上げる顔の、細めた目付きで妖しくも。
先には『計略へ陥れられた事実』にも寛容の様は『感謝こそすれ、恨むも筋違いに、よかろう』と各位に電子郵便を残し、隻眼の瞬きが散らす星々。
『……祝う——それでいて我ら、"独裁への危惧"は重々承知のこと』
「……」
『よりても持ち得る"対抗馬"の意に、論をぶつけ、"真に理想へ至らんとする試み"を続けても——』
「……」
『つまりは【君たちとの共存を諦めたわけでなし】に——"また"、"お会いしましょう"』
しからば、過去の記録で吊り上げた口角。
『しても、事前の取り決め通り、貴公の言った【お前の子らを含む、生きとし生ける者の処遇は我が領分に預るとする】についても——"いいですとも"!』
「……」
『なれば最後に、【命の起源】と【その行く先を語る神話】としては"月並な物言い"だが……吾で敢えてに言い去らん』
事の締めには、打って変わって明朗快活の笑み姿。
『お前に殺されるより、速く、より多く——』
「……」
『——我が光の生む命が、いずれに世界を満たすであろう』
粉と散る輝々を置いて、光の残思は過ぎ去らん。
『果たして、"真に万民の幸福を祈るもの"——我らは己を"そう"と定義できるのか』
「……」
『暫し、"暗黒の挑戦"を見守る』
「……」
『では、な————』




