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プロローグ
許せなかった。
許すことなどできなかった。
美しいお前が、
愛しいお前が、
醜いお前が、
憎いお前が、
消費され、傷つけられることを受け入れたお前のことを許すことなんてできるわけがなかった。
今この瞬間も痛みに泣き叫ぶお前の声は、誰の耳にも届かない。
許すものか。
許してなるものか。
「人間、これは契約だ」
これは全てを賭けた戦いである。
例えこの身を失うことになったとしても、
例えもう二度とお前に触れることができなくても、
お前を必ず救ってみせる。