四色のステンドグラス
推奨人数:3~5程度
想定プレイ時間:3~5時間程度(テストプレイ時はPL5人で4時間半でした)
推奨技能:戦闘技能・目星(必須)・投擲・アイデア・図書館
クローズド・戦闘あり
【導入】
探索者達は、町外れの廃墟の屋敷に肝試しに行くことにしました。
屋敷のある山を登る途中、晴れの天気予報は外れ、雨が降り出します。
雨は次第に強くなり、屋敷に着く頃には雷も鳴り出しています。
そんな中でも探索者達は無事に屋敷にたどり着きます。
探索者達は肝試しに使うつもりだった屋敷で雨宿りをしようと、扉を開きます。
(屋敷に目星を行うか、よく見ると宣言すると、苔の生えた壁などから多少腐敗が進んでいますが、雨風を凌ぐことは出来そうだとわかります)
扉を開けると、そこには人間ではありえないほど整った顔をしている、青年(APP20)がいることに探索者は気づくでしょう。
青年はこちらに気が付くと口を開いてこう言います。
「丁度いい」
その声を聞くと同時に探索者達は意識を手放してしまいます。
探索者が目を覚ますと、そこは玄関ホールのようです。
探索者達は何故ここで倒れているのか、思い出そうとしますが扉を開いたことから先は記憶にモヤがかかったように思い出すことができません。
ひとまず、この場所を探索してみることに探索者は決めました。
持ち物について
今回探索者達は肝試しに行くということで、持ち物のほとんどを家などに置いてきています。
なので、探索者達の持ち物は、サイフ・携帯・少量の食料以外は持っていません。
※これ以外に何か持ってきたい場合はKPと要相談
※このシナリオは非常に多く「目星」を使用します。基本的に成功をすることが前提なのですが、失敗しても、時間をかけて見つけたことにしてください。
【玄関ホール(1階)】
玄関の扉の他には正面に1つ、左右に1つづつ扉が存在し、2階への階段がある部屋です。
装飾品の類いも多く置いてあり、観葉植物や棚などが探索者達の目に入るでしょう。(正面の扉は鍵がかかっています。鍵開け不可。そもそも道具ないです)
(もし入る前に屋敷をよく見ていたなら)
屋敷をよく見た探索者が「アイデア」
成功で次へ
外から見た屋敷は蔦が生え、それなりに荒廃していたはずですが、今いる場所はとても清潔であり、荒廃もそれほど進んでいないように思います。
『玄関の扉』
探索者達が扉を開こうとしますが、固く閉ざされていて開くことができません。鍵は内側に付いていますが、回しても結果は同じです。
どうやら探索者達は閉じ込められてしまったようです。sc 0/1
(屋敷に付いている窓を開けようとしても同じように閉じ込められていることを確認するだけです。sc 0/1)
『棚』
棚には鍵はかかっておらず、簡単に開けることができます。
中には小物が乱雑に置かれており、目当ての物を見つけるのは難しいように感じます。
「目星」成功
棚の中を漁っていると、中から鍵(倉庫の鍵)を発見することができます。
【通路(左)】
左にあった扉には鍵がかかっておらず、簡単に開けることができます。
入って左側は窓が規則的に並び、その反対側、右側には扉が3つ存在しています。
(手前から「食堂」「厨房」「食料庫」。食料庫と厨房には鍵がかかっていて、開けることができません。)
『窓』
開けようとするとsc0/1
〈外を覗く〉
窓の外は暗闇です。
しかし、ただの暗闇では無く、本来ならすぐ外に見えるはずの森の木々なども、空に浮かぶ太陽か月、星といったものが全く見えない、そこには虚無だけが広がっています。sc1/1d3
【通路(右)】
右にあった扉には鍵がかかっておらず、簡単に開けることができます。
入って右側は窓が規則的に並び、その反対側、左側には扉が2つ存在しています。
(手前から「客室A」「客室B」。どちらも鍵がかかっていて、開くことはできません)
『窓』
左通路と同じです。
【玄関ホール(2階)】
探索者が階段を上がると、そこには扉が存在しています。
開けようとしても鍵がかかっていて、開けることはできません。
【食堂】
探索者達が中に入ると、そこには大きなテーブルにいくつかの椅子が並ぶ食堂のようです。
正面には壁一面の窓が存在しています。
部屋を見回せば、手前側の壁に棚とその上に置いてある金庫のようなもの、そして部屋の隅にテレビが見えるでしょう。
『棚』
棚には鍵がかかっておらず、簡単に開けることができるでしょう。
中には手帳などがいくつか置いてあります。
「目星」成功
何気なく手帳を見ていると、中から英語の書かれたメモが見つかるでしょう。
メモには「GBEF」と書かれています。
(答えは7256。アルファベット順に並べたとき、何個目かということ)
『メモ』
「アイデア」成功
これはアルファベット順に並べたときに何個目かを考えればいいのではないかと思う。
『金庫』
金庫には4桁のダイアル式の鍵が付いていて、数字を入力しないと開くことは無いでしょう。
〈7256を入力〉
金庫の中には鍵が入っていました。(この鍵は厨房のものです)
『テレビ』
少し前のモデルの薄型テレビのようです。
探索者が電源を入れようとあれこれ触ってみますが、全く反応しません。
壊れているという雰囲気でもなく、何故動かないのか、全くわかりません。
【厨房】
探索者達が鍵を使って中に入ると、そこはシンクや冷蔵庫、食器棚などが並ぶ厨房のようです。
『シンク』
綺麗に手入れされたシンクです。
棚が付いており、中にはフライパン等の調理器具が入っているのが見つかるでしょう。(包丁が入っているので武器として持ち出してもらっても構いません。総数3本程度)
「目星」成功
棚の中を物色していると、中から鍵が見つかります。(この鍵は食料庫のものです)
『冷蔵庫』
中にはいくつかの食料、ケチャップなどの調味料が入っていることがわかります。
特に不自然な点は見つかりません。
(中に入っている食料は食べても異常ありません)
『食器棚』
中にはいくつかの皿やスプーン等の食器が入っていることがわかります。
(中にはナイフも入っているので武器として持ち出してもらっても構いません。総数15本程度)
【食料庫】
探索者達が鍵を使って中に入ると、そこにはたくさんの木箱やダンボールなどが積まれた倉庫のようです。
〈木箱やダンボールの中を確認する〉
中にはものによって変わりますが、殆どの物に食料が入っているようです。
どうやらここは食料を貯蔵する、食料庫のようです。
「目星」→部屋全体に成功
倉庫を捜索していると、荷物の間に挟まるようにして鍵を見つけることができます。(玄関ホール2階の扉のものです)
【2階通路】
探索者が鍵を使って中に入ると、そこは通路になってます。左右の壁に1つづつ扉があり、正面には大きなステンドグラスがあります。
(左は書斎、右は寝室。書斎は鍵がかかっている)
『ステンドグラス』
紅や碧、黄や緑などで彩られた、素敵なステンドグラスだ。
人や風景では無く模様のみのデザインで作られているように見える。
(この通路を一度離れて、戻ってきたときに見ると色が無くなり、全て透明になっていることに気づきます)
【寝室】
扉には鍵がかかっておらず、簡単に入ることができます。
探索者が中に入ると、そこにはベッドや机、クローゼットなどが置かれた寝室のようです。
『ベッド』
2人は一緒に寝れる程のとても大きなベッドのようです。
荒らされた形跡などは無く、綺麗な状態で置いてあります。
ベッドのサイドボードには写真立てが置いてあるのが見えます。
「目星」→写真立てに成功
写真立ての中の写真には可愛らしい少女とその後ろに2人の男女が微笑んで立っています。(ここまでは失敗でも開示して大丈夫です)
あなたがそれを見ていると、写真の裏側にメモを見つけます。
そのメモには「私達の天使、レーナ」と書かれています。
『机』
引き出しの付いた、木でできた机のようです。
机の上には一冊のノートが置いてあるのがわかります。
「目星」→引き出しに成功
引き出しの中にはいくつかの小物に紛れて、鍵が入っていました。
(書斎のものです)
『ノート』
ノートは日記になっていて、この屋敷の主のものであろう文面が綴られている。
数日前の日付から空白のページが続いているようだ。
その中でも、探索者の気を引いたのは最後の日記が書かれたページだった。
「最近妻の様子がおかしい・・・
以前より口数が少なくなり、たまによくわからないことを言っている。
まるで私達には見えない何かと会話しているかのようだ・・・
娘のレーナも心配しているし、早く元に戻ってくれるといいんだが・・・」
「目星」成功か〈最後まで全て読む〉
すべてのページを見ていると、その中にまるで文字化けでもしたのかという程の、形を保っていない不気味な文字列を見つけるだろう・・・
これを読んだ探索者にはその文字から書いた者が苦しんでいると、何故か、根拠もなくそう思った。sc1/1d5
『クローゼット』
いくつかの服の入ったクローゼットのようです。
特に気になる点はありません。
【書斎】
探索者が鍵を使って中に入ると、壁一面の本棚が目に入ります。
正面には小さな窓と机があり、そこは書斎のようです。
『机』
鍵の付いた引き出しがある机のようだ。
〈鍵を使って引き出しを開ける〉
そこには鍵が2つ入っていました。
1つには「A」、もう一つには「B」とかかれたタグがついています。
『本棚』
壁一面に設置されたとても大きな本棚です。
様々なジャンルの本が並んでいます。
「目星」成功
何気なく本を手に取ると、チャリンという金属音と共に小さな鍵が出てきました。(書斎の引き出しの鍵)
「図書館」成功
探索者が本を眺めていると、本の中に「神話上の生物」と言う本を見つけます。
その本にはしおりが挟んであり、開いてみるとクラゲのような形をした生物の図が付いたページのようです。
しおりには文字が書いてあり、
「こいつだ、こいつが妻をあんな目にしたんだ」
と書いてあります。
〈図鑑の内容〉
Insert Jellyfish
(インサートジェリーフィッシュ)
その姿は宙に浮くクラゲのような姿だ。
基本は透明だがかろうじて人間にも見ることができる。
他の生物に毒を与え、毒の回った生物を洗脳し、操る性質がある。
さらに、操られた時間が長い生物は、毒によってその体を維持できなくなり、やがて崩壊し、異形の怪物へと変貌してしまう。
他生物に毒を与え、異形の下僕に変えてしまうクラゲなのだ。
毒を取り除く方法は・・・
本はここから先は塗りつぶされている。
これを読んだ探索者は「クトゥルフ神話技能」を+1d5(クリア後)
【客室A】
探索者が鍵を使って扉を開くと、そこにはベットと机だけが置かれたシンプルな部屋です。
『ベット』
きれいに整えられたシーツの敷かれた一人分のベットです。
『机』
きれいに手入れされていますが使われた形跡も殆どない机です。
【客室B】
探索者が鍵を使って扉を開くと、そこにはベットと机だけが置かれたシンプルな部屋です。
『ベット』
きれいに整えられたシーツの敷かれた一人分のベットです。
「目星」成功か〈ベットの下を探る〉
ベットの下を捜索すると、鍵が落ちているのを見つけます。(玄関ホール正面のものです)
『机』
きれいに手入れされていますが使われた形跡も殆どない机です。
【通路(正面)】
探索者が鍵を使って扉を開くと、そこは左右の壁に1つづつ扉がある通路のようです。
2階と同じような形をした窓が正面に存在している。
(まだ2度以上2階のステンドグラスを見てないなら)
2階のものとの違いは、色がなく、全て透明であることだろう。
(2度以上見たなら)
2階のものと変わりはなく、色がない、透明のガラスだ。
(扉は左が倉庫、右が子供部屋。
倉庫は鍵がかかっていますが、子供部屋は少し開けたところで何かにつっかえていて、このままでは通ることができません)
【倉庫】
探索者が鍵を使って中に入ると、そこは使われていないのであろう家具や収納道具が置かれた倉庫のようです。
【子供部屋】
探索者が扉を開けようと手をかけますが、扉は数センチ動いたところで何かにつっかえて開きません。
〈隙間から覗く〉
中は女の子用のものであろうベットや勉強机がかろうじて見えます。
〈扉をこじ開ける〉
こじ開けようとしたPCのSTR×4でロールを行い、成功すれば立てかけられた本棚が向こう側へ倒れ、中に入ることができます。
〈誰かいないか声をかける〉
探索者が声を発すると、扉の向こうから声が聞こえてきます。
「誰?」
その声はどうやら少女のもののようです。
こちらを警戒しているのか姿は見せません。
その後〈扉を開けてもらえるように頼む〉
探索者が扉を開けてもらえるか訪ねますが少女の声は
「それは・・・」
と、扉を開けるのを渋ります。
「説得」成功
探索者が必死に説得を試みると、少女は観念したように、
「わかりました・・・」
と言って、少し待てば扉は開かれるでしょう・・・
「説得」失敗
探索者は少女に扉を開けてもらうよう、必死に説得しますが、なかなか開けようとしてくれません。
探索者がどうしようかと思っていると、バタンという音と共に、扉の隙間の奥に一人の少女が倒れ込むのが見えます。
近くにはフライパンが転がっている以外に変化したことはありません。
「扉をこじ開ける」
上と同じくSTR×4で判定。
成功で次へ
探索者が扉をこじ開けると、部屋全体が見えるようになります。
が、倒れている少女以外には誰もいませんでした。
探索者が心配して少女に近づくと、小さく呻いたあとに少女は意識を取り戻します。
探索者が様態を案じれば、
「目眩がしただけです。
操られては、いないようですね・・・」
と言うでしょう。
「心理学」成功
その言葉には、嘘が混ざっているように聞こえました。
『扉をこじ開けた場合』
探索者が力に任せて扉を開けば、何かが崩れ落ちたような音をBGMに扉は開かれるでしょう。
探索者が中に入ろうとすると、突然目の前からフライパンが弧を描いて最も前にいた探索者(DEX一番高い人)の頭に当たります。(HP-1)(誰かが最初に入ると宣言しているならば、その人にフライパンを当ててください)
どうやら何者かにフライパンで殴られたようです。
「誰!」
声のする方を見ると、そこには中学生くらいの少女がフライパンを構えて立っていました。
「説得」・「言いくるめ」・「信用」のどれかを成功
探索者が少女に自分たちは怪しいものではないことを伝えると、
「操られては・・・いないようですね・・・」
と、言い、警戒を解いてくれました。
ここからレーナと会話をすることができるようになります。
「NPCレーナ」※KP情報です
名前:白石 レーナ
年齢:13
性別:女
職業:学生
持ち物:財布・スマホ・スケジュール帳・イヤホン・化粧道具
性格:真面目
生い立ち:アルビノのため昔から体色素が薄く、白髪碧眼の少女。
父は日本人だが、母がイギリス出身。
学校では成績優秀だが体力は女子の中では平凡な方だ。
先生からの信頼も厚く、クラスでは自分から話に行くタイプではないが話しかけられれば普通に会話ができる。
STR7
CON10
POW15
DEX9
APP17
SIZ10
INT15
EDU20
SAN75
幸運75
アイデア75
耐久力10
MP15
『レーナ』
中学生くらいだろうか?
肌や髪が病的なまでに白い、整った顔をしている少女だ。
彼女は一体何者だろうか・・・
※会話イベントは基本的にいつでも可能
〈名前を聞く〉
「私は、レーナ。
白石 レーナです」
〈ここは何処か〉
「ここは、私の家です」
〈どうしてここにいるのか〉
「自分の家にいてなにかおかしいですか?」
〈写真について〉
「それは・・・写真ですか・・・
はい、その二人は私の両親です」
〈外に出る方法〉
「普通に玄関から出ればいいと思いますよ?
何故そんなことを?」
〈外には出られなかったことを伝える〉
「嘘、本当に?」
〈ステンドグラスの色について〉
「2階とここの通路のガラスのことですか?
得に色はついてないはずですが・・・」
〈操られているとは?〉
「それは・・・インサートジェリーフィッシュって生き物を知ってますか?
父の書斎を調べてるときにしおりのついた図鑑を見つけたんです。
あれのせいでお母さんとお父さんは・・・」
そう言うと少女は俯いてしまいました。
〈インサートジェリーフィッシュって?〉
「私も図鑑で見た分しかわからないですけど・・・
姿は透明なクラゲで、毒を使って他の生き物を操るらしいです。」
(インサートジェリーフィッシュについて聞いたあと)
〈解毒の方法は?〉
「それは・・・私にもわかりません。
図鑑が塗りつぶされていましたので・・・」
〈今日の日付や西暦を聞く〉
(プレイしている時の3年前の西暦で、日付は同じにしてPLに伝えて下さい)
「〇〇年✕月□日ですよ?
何故、そんなことを?」
〈それは3年前の日付であることを伝える〉
「嘘・・・そんなわけありません!」
『レーナ』に
「知識」か「医学」成功
彼女の肌や髪が白いのは、アルビノと呼ばれる病気のせいなのではないか? と思いました。
『ベット』
女の子用のものであろう一人分のベットが置かれている。
『勉強机』
女の子用らしく飾り付けられた勉強机だ。
『本棚』(倒れていない場合)
ドアのそばに本棚が置いてあり、ドアのつっかえに使っていたのだろうと推測できます。
中は絵本から小説、問題集などが並んでいます。
(倒れている場合)
ドアのそばに倒れている本棚が発見できます。
ドアを無理やり開けたときにドアのつっかえに使っていたため、倒れたのであろうと推測できます。
近くには絵本や小説、問題集といったものが散らばっています。
探索者達が部屋を見ていると、少女が口を開きます。
「あの、よければ一緒に、もう一度書斎を調べてみませんか?
図鑑以外にも、いろんな本をお父さんは集めていたので、何か有益な情報を集められるかもしれません。」
レーナの言葉通り、書斎を調べてもらっても構いませんし、別の場所を調べてもらっても構いません。
【2階通路】
(レーナと出会ったあとです)
探索者全員が「目星」ロール
〈成功〉
探索者がもう一度書斎を調べようと、
2階へ来たとき、ふと、ステンドグラスをあなたは見るでしょう。
すると、ステンドグラスの一部に現実ではありえない空間の穴が開いていることに気づきます。
どうやら穴は奥へと続いており、通り抜けることができそうです。
(この情報を受けてどうするかは自由)
失敗の場合は得に気づくことはなく、そのまま書斎へ。
【書斎】
「目星」や「図書館」を振ることもできますが、探索者は得に見つけることができません。
そんな中、レーナがある本を見つけます。
その本のあるページ。
どうやら彼女の言う「ヤツ」というものに関するページのようです。
「インサートジェリーフィッシュは状態によって体色を変更することができ、赤・青・黄・緑の4色に変更できます。
主に攻撃の際に体色が変わるようです。」
「アイデア」成功
その配色は、最初に見た2階通路のステンドグラスの配色と同じであることに気づきました。
【2階通路】
『ステンドグラス』
あなたがステンドグラスを見ていると、ステンドグラスの一部に現実ではありえない空間の穴が開いていることに気づきます。
どうやら穴は奥へと続いており、通り抜けることができそうです。
それを見てレーナは
「行きましょう」
と、探索者に促します。
その顔にはヤツをどうにかするまでは諦めないと言う強い意志が宿っていて、あなた達が断ったとしても彼女は探索を続けることが伺えます。
(ここから先は(後)世界の探索になります。基本的な構造は表と同じですが、全体的に荒廃し、苔が生えていたりしています。表は「レーナ」がまだ生きていた頃の姿をした屋敷ですが、(後)は探査者達の時代の姿をした屋敷ということです)
【2階通路(後)】
探査者達が空間の穴を通り抜けると、やがて出口にたどり着きます。
その場所は通路でした。
しかし、あなた達が見てきた今までの屋敷と違って、ここは荒廃が進み、苔が生えた、通路でした。
左右に1つづつ扉があります。
(ステンドグラス側なので右が書斎。左が寝室)
「なに・・・これ・・・いえ、ひとまず探索を続けましょう。」
その光景を見たレーナは一瞬取り乱しましたが、すぐに気を取り直すことが出来たようです。
【書斎(後)】
探索者が扉に手をかけると、扉は朽ち果てたのか、向こう側に倒れるようにして開かれます。
そこは通路と同じように荒廃が進んだ書斎のようです。
(PLがこの屋敷は現代の姿と気づいている場合)
〈見回す〉、部屋全体に「目星」
あなたが部屋を見回すと、荒廃している以外にも先程いたきれいな書斎との相違点を見つけるでしょう。
それは本棚が何者かの手によって荒らされた形跡と本の総数が減っていることです。
本棚に「目星」か「図書館」、失敗でも開示。〈本を見る〉
探索者が本を読もうと本を開きますが、こちらも荒廃がすすみ、とても読めるような状態ではないように思います。
〈それでも見る〉と宣言するか先程の「目星」か「図書館」が成功しているなら次へ。
それでも探索者は本を開き、読もうとします。
そうやって読めるページを探しているうちに赤黒くなったページを見つけるでしょう。
そのページは血で汚れていた。sc1/1d5
【寝室(後)】
探索者が扉を開くと、そこは荒らされ、荒廃の進んだ寝室です。
探索者が軽く部屋を見回すと、赤黒いシミのついたベットへと目が行くでしょう。
そのベットは、血で汚れていました。sc1/1d5
【玄関ホール(後)】
探索者が扉を開くと、そこは荒廃が進んだ玄関ホールでした。
【通路(左)(後)】(食堂の方への扉)
探索者が扉を開きますが、そこに広がっていたのは瓦礫の山でした。
かろうじて手前の扉には入ることができそうです。
【食堂(後)】
探索者が扉を開くと、そこは荒廃の進んだ食堂でした。
倒れた椅子が散乱する中、隅にあったテレビに探索者は目が行くでしょう。
『テレビ』
探索者が近づきますが、どうやら壊れています。
しかし、なんとか修理することもできそうです。
「機械修理」成功
探索者が修理することに成功し、テレビの画面が光ります。
どうやら、ニュースの映像のようです。
「ある山奥の屋敷に住んでいた3人の家族が、今朝行方不明になったことが発覚しました。
警察は屋敷に荒らされた形跡などがなく、借金などもないため夜逃げという線は薄いと供述しており、現在は屋敷のあった山を100人体制で捜索しています。」
「これ・・・うちの屋敷・・・行方不明?」
そう口を開くのはレーナでした。
探索者全員に「アイデア」、成功で次へ
探索者はふと、このニュースは3年前に放送されたものであることに気がつくでしょう。
【通路(右)(後)】(客室の方への扉)
探索者が扉を開くと、荒廃の進んだ通路でした。
奥の扉があったであろう場所は瓦礫の山が積み重なり、手前の扉以外には入れそうにありません。
【客室(裏)】
探索者が扉を開くと、そこは荒廃の進んだ客室のようです。
テーブルの上にある1つの新聞が探索者の目に入ります。
『新聞』
かなり前のもののようで、かなり汚れていますが、なんとか読み取ることができそうです。
新聞にはこう書かれています。
「○月✕日
ある山奥の屋敷に住んでいた3人の家族が、今朝行方不明になったことが発覚しました。
警察は屋敷に荒らされた形跡などがなく、借金などもないため夜逃げという線は薄いと供述しており、現在は屋敷のあった山を100人体制で捜索しています。」
レーナに見せるならばニュースと同じように、「これ、この屋敷のこと・・・です」と言うでしょう。
【通路(正面)(後)】
探索者が扉を開くと、荒廃した通路が広がっていました。
左右に1つづつ扉が見えます。
(右が子ども部屋。左が倉庫です)
【子ども部屋(後)】
探索者が扉を開くと、そこは荒廃した子ども部屋のような場所です。
荒らされた本棚やベット、壊れた勉強机が存在しています。(本棚を倒しているならここの本棚も倒れていると表現してもいいです)
【倉庫(後)】
そこは荒らされ、荒廃の進んだ倉庫のような場所です。
いくつかの収納道具がありますが、殆どが壊れていたり、崩れていたりしているようです。
「目星」成功
探索者が倉庫を物色していると、床に扉があることに気がつくでしょう。
【通路(地下)(後)】
探索者が扉を開け、先に進みますが、そこは土砂が崩れており、通ることができません。
(次に目指す場所は、表世界の倉庫ですが、探索に時間がかかっていると判断した場合、次へ)
あなたが探索を続けていると、背後でバタン、と言う音と共に、レーナが倒れてしまいます。
すぐに駆け寄ろうとしますが、レーナはすぐに意識を取り戻します。
しかし、レーナの目には光が宿っておらず、どこか虚ろとしています。
探索者が様態を案じますが、レーナは反応を示さず、まるで何かに操られるようにどこかへと歩いて行ってしまいました。
【倉庫】
(レーナが歩いて行ってしまったなら入った瞬間扉が見つかります)
〈扉を探す〉と宣言するか、「目星」成功失敗関係なく次へ
探索者が扉を探せば、それはすぐに見つかります。
【通路(地下)】
そこは荒廃の進んだ屋敷とは違い、土の壁に等間隔に木材の骨組みが存在する、坑道のような場所です。
通路脇にスイッチを見つけ、操作すれば、坑道のランプに光が灯ります。
奥まで進めば、扉が存在していました。
レーナは、「行きましょう」と、探索者に促します。
【地下室】
探索者が扉を開きます。
そこは、ちょっとした広場のようになっており、外と同じようにランプが中を薄暗く照らしています。
そして、その奥にはゆらゆらと漂うクラゲがいました。
普通のクラゲと違うのは、そのクラゲは水中ではなく空中を浮遊しており、探索者たちよりも大きなクラゲということでしょう。
そんなクラゲが探索者達の前に現れたのです。sc1d3/1d5
(レーナが一緒に来ているなら)
レーナはそれを見ると、「インサート、ジェリーフィッシュ・・・」と小さくこぼします。
インサートジェリーフィッシュはこちらに気がつくと、触手をこちらに伸ばし、レーナに巻き付きます。
レーナは抵抗しますが、一瞬痙攣したかと思うと、ぐったりとし、インサートジェリーフィッシュもレーナに巻き付くのをやめ、床に下ろします。
すると、レーナはゆっくりと立ち上がり、探索者達と相対します。
彼女の目に光は無くなっており、どこか虚ろとしていて、探索者が語りかけても反応を示しません。
どうやら彼女は毒が回り、操られてしまったようです。
(レーナが1人歩いて行ったなら)
クラゲの前にはレーナが立っており、クラゲがこちらに気づくと同時、レーナも探索者と相対します。
探索者がいくら声をかけてもやはり反応を示さず、どうやらクラゲ、インサートジェリーフィッシュに操られてしまったようです。
(ここはPLの数が4人以上で)
クラゲのそばには2つの動く肉塊があり、あれもインサートジェリーフィッシュの下僕なのだろう。sc1d3/1d6
【戦闘開始】VSインサートジェリーフィッシュ
※KP情報
Insert Jellyfish
(インサートジェリーフィッシュ)
その姿は宙に浮くクラゲのような姿だ。
基本は透明だがかろうじて人間にも見ることができる。
体色が赤・青・黄・緑になることもあり、主に戦闘の際に色が変質するようだ。
他の生物に毒を与え、毒の回った生物を洗脳し、操る性質がある。
さらに、操られた時間が長い生物は、毒によってその体を維持できなくなり、やがて崩壊し、異形の怪物へと変貌してしまう。
他生物に毒を与え、異形の下僕に変えてしまうクラゲなのだ。
解毒の方法は今のところインサートジェリーフィッシュ本体の死亡のみとされていて、異形の下僕になる前であれば生還が可能である。
その原理として、毒はインサートジェリーフィッシュが操っているため、本体が死ぬことで毒も沈静化するのではないかと考えられている。
Str10
Con16
Pow24
Dex8
App4
Siz20
Int26
耐久18
装甲:ターン×PC数(PLの戦闘力を考えて無しにしても可)
この装甲は一度壊すと無くなるが、ターンで回復する。
PC3人の例:1ターン目で装甲に合計2ダメージ→2ターン目は合計装甲4
ターンで回復するインスタント耐久みたいなものだと思ってもらえればいいです。
MP∞
ダメボ1d5
「戦闘について」
インサートジェリーフィッシュとの戦闘開始でインサートジェリーフィッシュは〈先制攻撃〉として全探索者に〈毒物付与〉を成功させます。
詳しくは攻撃〈緑〉参照。
毒のステージは全5段階。
1段階目で全技能値-10
2段階目で2ターン毎にPOW×(5−毒のステージ数)で判定を行うようになる。成功でSAN-1。失敗で毒のステージ+1
3段階目で1ターン毎にsc1/1d7
4段階目で全技能値をさらに-10
5段階目で完全に毒が周り、インサートジェリーフィッシュの下僕になります。
〈先制攻撃〉
毒物付与(100)
インサートジェリーフィッシュとの戦闘開始時点で発動する攻撃。
DEXを無視して先制攻撃を仕掛ける。
〈毒物付与〉は〈緑〉と同じ効果。
〈2回行動〉
インサートジェリーフィッシュは自分の手番にどれか2色の攻撃を行う。
同じ色は使えない。(5人から)
〈赤〉
突進攻撃(50)
ダメージ1d4+db
〈青〉
自己再生(20)
回復量1d5
〈黄〉
精神攻撃(100)
強制SANチェック。
1/1d5
〈緑〉
毒物付与(70)
当たるとPOW×(5−毒のステージ数)による対抗。余りは切り下げ。
抵抗成功でSAN−1
失敗で毒のステージが1進む。
先制攻撃は全体だが、基本は単体攻撃。
〈反撃〉
インサートジェリーフィッシュを対象にした近距離攻撃に対して反撃として近距離攻撃をした探索者に〈精神攻撃〉を行います。
「インサートジェリーフィッシュの下僕」
ステージ5以上の探索者や、シナリオによってはNPCも下僕となる。
下僕がもともとの生物としての形をまだ保っているなら〈噛み付く〉のみだが、異形の下僕になると〈まとわりつく〉という攻撃になる。
詳細は以下の通り。
下僕(まだ生物の形)
探索者やNPC、また、犬や猫、野生動物などがインサートジェリーフィッシュに操られた状態。
死んだら蘇るようなことは無い。
ステータスは元の生物依存
〈噛み付く〉(50)
ダメージ1d4+db
〈噛み付く〉成功で〈毒物付与〉(70)
も同時に発生する。
内容は〈緑〉と同じものです。
異形の下僕
Str0
Con14
Pow∞
Dex1
Siz10
Int0
耐久力12
耐久力が0になっても3ターン後には耐久力半分で復活する。
その姿は、崩れた肉塊が寄り集まったような姿をしており、見たものはsc1d3/1d6
元がどのような生物だったのか、今となっては何もわからない。
〈まとわりつく〉(40)
付いてるターンの間はターン毎に強制SANチェック1d3/1d6、ダメージは1d3
まとわりつかれている間は全技能値が-30される。
Str×4のロールで振り払うか、取り除くことが可能。(味方探索者が取り除いてあげることもできる)
〈まとわりつく〉成功&付いてるターン毎に〈毒物付与〉(70)
内容は〈緑〉と同じもの。
下僕となるのはあくまで「生きている生物」のみであり、SAN値やHPが0になったNPCやPCは操られることはありません。
ED1「Normal End」
(インサートジェリーフィッシュ本体の死亡時点でこのエンディングです。)
探索者が攻撃を与えると、インサートジェリーフィッシュは大きく痙攣し、探索者へと触手を伸ばしてきます。
しかし、その触手が探索者に届くことはなく、その手前で力なく倒れ込むことでしょう。
インサートジェリーフィッシュが倒れると同時、操られていたレーナや探索者は倒れ込み、動く肉塊も停止します。
あなたは倒れたレーナや、探索者に駆け寄ろうとしますが、そこで声が響きます。
「よくやったな」
その声を認識すると同時、あなたは意識を失います。
気がつくと、あなたはあの廃墟の、荒廃した屋敷の扉の前にいました。
インサートジェリーフィッシュに操られていた探索者も気がついたようで、いつもと同じように反応を示し、自分は操られていないと主張します。
どうやら無事に戻ってくることが出来たようです。
あなたはふと、屋敷の方を見ます。
レーナは無事なのだろうか、そんなことを考えますが、確かめる術はありません。
あなたがスマホなどで時間を確認すれば、屋敷へやってきた次の日の朝であることがわかります。
雨もやんでいるので、探索者は下山し、いつもの日常に戻ることにしました。
(もしレーナが生きているなら後日談へ)
クリア報酬
無事に脱出した。1d3
インサートジェリーフィッシュを倒した。1d5
図鑑を読んだ探索者は、クトゥルフ神話技能+1d5
ED2「Bad End」
(探索者全員の死、もしくは毒による洗脳によってこのエンディングです。)
あなたの意識が薄れる中、インサートジェリーフィッシュはあなたへ触手を伸ばし、毒を打ち込みます。
すると、あなたの体は一瞬痙攣を起こし、次の瞬間にはあなたが自分の意志で体を動かせなくなっていることに気づくでしょう。
あなた達はインサートジェリーフィッシュの下僕になってしまいました。
もう一生、自由になることは無いのだろうか。
朦朧とした意識の中、あなたは最期にそう考えた。〈キャラロス〉
後日談「True End」
(条件はインサートジェリーフィッシュの死亡・下僕『レーナ』の生存)
探索者達はまた集まり、もう1度あの屋敷へ行ってみることにしました。
もし行ってもなにもないだろうとは思いますが、探索者は賛同し、またあの場所へと足を運びました。
屋敷へやってくると、そこには変わらず廃墟の屋敷が存在していますが、当然レーナの姿はありません。
お昼時であったため、屋敷の前で持ち寄ったご飯を食べようと、シートを広げたときでした。
「あの!」
突然少女の声が聞こえ、探索者は目を向けます。
高校生くらいだろうか?
肌や髪が病的なまでに白い、整った顔をしている少女だ。
そこには、あの時よりも少し成長したのだろう白石レーナがいたのでした。
+報酬
白石レーナが生存している。1d5
【シナリオ背景や裏設定。&あとがき的ななにか】
時間遡行をして遊んでいたニャルラトホテプが3年前のこの屋敷で起きた怪事件を発見し、ここに現代の人間を送ったらどうなるのか気になった、というのが今回のシナリオ。
現代と事件当時の屋敷をニャルラトホテプが肝試しにやってきた探索者や屋敷にいたレーナとインサートジェリーフィッシュごと異空間に押し込んだので、周りは虚無。
異形の下僕二体はレーナの両親。
本の総数が減っているのは人がいなくなった屋敷に金目の物を求めて泥棒が入り込んだため。
ただし、何人かはインサートジェリーフィッシュの下僕になってしまったようで、血塗れになった場所があるのもその影響です。
(当然探索者がインサートジェリーフィッシュを倒したならその背景も無くなっている。)
今回のオリジナルTRPGは動画などで自由に使ってもらっても構いません。
そして、僕の作ったオリジナル神話生物「インサートジェリーフィッシュ」もオリジナルTRPGシナリオを作る際に使ってもらっても大丈夫です!
そして、このシナリオを選んでくれたそこのKPさんや、遊んでくれたPLさん、ありがとうございます!
もし何か質問や誤字脱字などあれば気軽に感想欄までお願いします!
うp主が実際にKPとしてやってみた配信↓
https://youtu.be/DV5LQYSmTrc