File2-1番外トワイライト レイア
時を遡ること6年前、私はキナイと共にはじめたビジネスに失敗して、生死が掛かった崖に手を付けてい。
事の発端は、銀行で預かっていた資本金が0一つが欠落による、システム的問題だとされていたが、後に<金融の崩壊>と言われる。世界最高のセキュリティーが誇る銀行システムに、とわる組織が穴を開け。多数の人々たちにより、バッキング・預金改竄が行われ。世界からお金の意味が消える大事件が起きた。
その事件が迫る中「一発ドカンと当ててやる」と二人で始めた、<ミドリムシ>という水中にいる微生物の1種を利用した、ビジネスに手を付けていた。
ミドリムシとは、光合成といわれる植物が、太陽の光のエネルギーを二酸化炭素と水を融合させることで、栄養分を得る能力を持ちつつ自分で動ける(鞭毛運動)力も備わった、動物と植物の機能を両方持ち合わせた生き物である。ちなみに、ムシとは関係なく歴とした植物である。(覚えておこう)
そんなミドリムシなのだが、実用的な点として栄養が豊富で食べることや機械を動かす燃料としても、利用できるまさに万能生物である。
しかし、現実世界では大量生産が難しいいとされているが、実際は建前だそうで現に「ミドリマシ」と言って、ミドリムシラーメンやクッキーを提供するお店が数店あるそうだ。
話は戻るが、私の頭脳とカリスマ性、そしてキナイの創造性とフットワークの良さが、ものの見事にお客の心の扇の要を打ち抜き、ミドリムシビジネスが成功を収め。軌道にも調子にも乗る状況下で、私は後ろを振り向かず真っ直ぐに未来を見つめていた。
そんな中キナイは、この後の結末を予想していてかどうかはわからないが、20代後半の若者としては年甲斐もない事を言い始めた。
「次の時代を築き導く人たちに支援をしたい。だからレイア・・。君は前だけを見て進んでほしい。そして未来の先で待つ僕の教え子たちに蹴りいれてやってはくれないか」
「まったく、年甲斐のないこと言うなよw」
「フフ」
その当時はただ、若気の至り程度の話だと思っていた。(だけど、今なら理解している。あれは、決別しようと言う意味だったんだな)
◆
私は、車でキナイが創設した瀬戸場学園を目指している間、車窓に思い出を並べ連ねて、長くまばたきをして、憎しみの炎で灰をばらまいた。
「どうかされましたか?」
灰散りこぼしているのが見えてか、わからんが。今私のとなりにいる、秘書エニグマ シオが心配そうに見てきたので、安心させるためにも私はこう応える。
笑顔を見せて憎たらしく「宿毛伊予とかゆう面白い男と交渉するのが楽しみなんですよ」