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わたしは存在してはいけないものなのでしょうか。
わたしが生まれてきてしまったことが、そんなにも悪いことなのでしょうか。
わたしには、文字が理解できませんでした。
馬鹿なのだと人は言いましたが、医者はそういった障害なのだと言いました。内心では、馬鹿だと思っているに違いありませんでした。
自然に生活することができないではありませんが、仕事をするとなると、難しいところも数多くありました。
読み書きというのは、みんなが当たり前にできることとしてありますから、まさかできないとは想定もされていないのです。
努力はしています。
堂々と自分で言い切れるくらい、努力はしているのです。
けれど脳の構造上、それは不可能なのだというのですから、学びの成果としてはあんまりな結果であると言えます。
どれほど努力しても、決して実らない空費でした。
まさか、わたしだけが辛いなどとは思いません。
文字が理解できないだけで、わたしは計算や語句の暗記などは得意でした。
けれどそれを文字として書き表すとなると、どうにも頭がおかしくなりそうな心地がするのでした。
十種類の数字さえも、わからないのです。




