Re;start
人生で二回目の高校受験。
高校受験をもう一度受けることになるとは思わなかった。
もともと、勉強が得意な方ではない。
中学校でも70番台をウロウロしていたタチだ。
100番変えなきゃいい。
今思えば、100名しかいない中学でどう100番超えるんだ、って話だ。
だから、高校受験は本当に苦労した。
なぜなら、自分の中学校は校区内下の方にはいる学校。
その中でも下位をウロついていた私。
成績が悪いということは、勉強していないってことで。勉強する習慣もないのだから、成績も上がるはずがない。
大好きな兄に「ミチルが高校受からなかったら、一生面倒見てやるよ」と言われて、自覚した。
両親が早くに亡くなり、2人っきりの家族。兄に面倒をかけたくない。
頑張った。
私は頑張った。
そして、無事に家の近くの公立高校に入学。
担任から「奇跡が起こった」と言われた。
そんなことがあった訳で。
それなのに、私は2回目の高校受験をする羽目になっている。
理由は、記憶喪失だ。嘘みたいだけど、本当の話。
目が覚めたら7年経ってて、目の前に、広がるのは7年後の世界。
兄は社会人になっていて、目が覚めた私を見て、ボロボロになって号泣。
ちゃらいバンドマンだったのに、マトモに社会人になっていて驚いた。
スーツ着てるんだもの、あのセンスの悪いスカジャンしか着たことない人が。
そして、7年分老けてるんだから。驚いたなんてものじゃない。
爆笑して。そして気づいた。私も7歳歳とってるんだって。
何も分からない状態から、人生リスタート。
しかも、15歳の秋から22歳の春。
あんなに努力して入った高校も、とっくの昔に退学扱い。
ありえないって思ったけど、これが現実なのだ。