第3話 あなたの一票で結果が変わる!? 国政編(小選挙区)
さて、前回、前々回と地方選挙について見てきました。ですので、今回は国政選挙について見ていきます。国政選挙と言っても衆議院と参議院の2つあります。また、選挙制度も今回は昔の中選挙区制の話はしませんが、現在は小選挙区、比例代表の衆議院議員総選挙と小選挙区と中選挙区の選挙区の混ざったものと比例代表から成り立つ参議院選挙の2つあるので今回は衆議院の小選挙区についてみていくことにします。
さて、小選挙区というと1つの選挙区から当選する候補者はたった1人であるというもっとも過酷な選挙です。ゆえに大政党に有利であり二大政党制が進むものとして日本において1990年代に導入されました。しかし、今日では組織力と高い支持率の誇る自民党が片っ端からとっていて完全に自民党有利の選挙制度となり果てています。この選挙制度を導入した小沢一郎さんらは何を考えていたのだか……。まあ、結局こうなってしまうというのでしょうね。
さて、でも結構接戦の選挙区も多くあります。今回はそんな接戦の例を見ていくことにしましょう。
まず、昨年(2017年)行われた第48回衆議院議員総選挙において衝撃の結果がありました。小選挙区制度が導入され最初に実施されたのが1996年の第41回衆議院議員総選挙からです。これまで8回の選挙が小選挙区制で行われてきました。
そんな中で昨年の総選挙での接戦例を見ます。
まず、先ほどから言っている衝撃とは新潟3区です。新潟3区は元民進党で無所属の黒岩宇洋前議員と前回比例復活であった自民党の斎藤洋明前議員と諸派1人が立候補しました。そして、その選挙結果は黒岩候補95644票、斉藤候補95594票と50票差です。小選挙区史上最も僅差の結果となりました。ちなみに投票率は63.31%です。約4割の人が入れていません。50票差ということも考えるとあと51人が次点だった斉藤候補に入れていれば当選結果が変わりました。そして、ここで重要なのは、黒岩候補は無所属であったため比例復活はありません。ですので、もしも黒岩候補が負けていれば野党の議席が1つ少なくなるなど今に大きな影響を与えていたかもしれないのです。
諦めないで選挙に行かないとこんな接戦の場所もあります。
特に昨年の総選挙はかなり目立ちました。10000票以内だけでも挙げてみます。ちなみに、10000票以内ってかなり接戦なんですよ。
○は次点が比例復活した選挙区。×は次点が落選した選挙区。
東京6区では、1978票差。〇
山梨1区では、1131票差。×無所属。
神奈川6区では、3503票差。〇
北海道5区では、6739票差。〇
北海道10区では、513票差。〇
宮城2区では、1316票差。×無所属。
秋田2区では、1672票差。〇
茨城6区では、5833票差。〇
茨城5区では、5352票差。〇
栃木2区では、9586票差。×自民党比例重複なし。
埼玉12区では、492票差。〇
千葉1区では、1357票差。〇
神奈川9区では、1712票差。〇
神奈川12区では、2626票差。〇
山梨2区では、3098票差。×無所属。
東京1区では、3021票差。〇
東京5区では、2132票差。〇
東京18区では1046票差。×自民党比例重複なし。
東京21区では、4131票差。〇
新潟6区では、2212票差。×無所属。
石川3区では、2110票差。〇石川3区は能登半島というかなりの地方です。
静岡6区では、631票差。〇。
愛知7区では、834票差。〇。
愛知8区では、1852票差。×無所属。
愛知13区では、6890票差。〇
滋賀1区では、5270票差。×無所属。
京都3区では、6479票差。〇
京都6区では、1639票差。〇
大阪4区では、7637票差。×日本維新の会惜敗率の関係。
大阪8区では、9867票差。×日本維新の会惜敗率の関係。
大阪9区では、2037票差。〇
大阪11区では、6778票差。〇
大阪12区では、7084票差。×日本維新の会惜敗率の関係。
大阪14区では、1656票差。〇
大阪15区では、7600票差。〇
大阪17区では、6893票差。〇
大阪18区では、6842票差。〇
大阪19区では、8879票差。〇
奈良1区では、2476票差。×希望の党惜敗率の関係。
岡山3区では、3541票差。×無所属。
香川1区では、2183票差。〇
福岡2区では、8160票差。〇
福岡10区では、7601票差。〇
佐賀2区では、6818票差。〇
大分1区では、3030票差。〇
鹿児島1区では、1868票差。×自民党比例重複なし
沖縄1区では、6137票差。〇
沖縄4区では、6312票差。×無所属。
選挙に行ってもらうための考察なのでこの選挙区の特徴などに付いては特には言いません。(後でやってみたいなあと思っていますけど)ただ、こんなに僅差で決まった選挙があるのです。1000票以内の選挙区が5区、5000票差以内が24区、10000票差以内が20区ありました。あと、ちょっとの人が行けば変わったかもしれない。そんな僅差なんです。
昨年以外の衆議院選挙では、2014年の第47回総選挙では新潟2区で102票差により当落が決まりました。
1996年の第41回総選挙では千葉4区から新進党で立候補した候補が、105票差で負けて、この時全員比例重複していないため完全落選したという例があります。その候補とは後に総理になる野田佳彦前内閣総理大臣です。
今回のまとめ。選挙区によって差がありますが、それでも接戦の選挙区が多くあります。また、接戦じゃない選挙区は選挙に行かない人たち全員が次点の候補に入れると逆転するという例も多くあります。なので、選挙で結果を変えることなど可能なのです。10000票以上だと大きめですが、こんなにも接戦の選挙区があるのです。あなたの選挙区が接戦であったのならばぜひ、選挙に行きましょう。次回は比例代表編です。
◇参考
・Wikipedia『第48回衆議院議員総選挙』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC48%E5%9B%9E%E8%A1%86%E8%AD%B0%E9%99%A2%E8%AD%B0%E5%93%A1%E7%B7%8F%E9%81%B8%E6%8C%99#%E3%81%93%E3%81%AE%E9%81%B8%E6%8C%99%E3%81%A7%E5%B0%8F%E9%81%B8%E6%8C%99%E5%8C%BA%E5%BD%93%E9%81%B8他。