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三十と一夜の短篇/卅と一夜の短篇

9Vの味(三十と一夜の短篇第28回)

作者: 暁 乱々

 9Vの味は炭酸のようだ。

 弾ける泡の刺激が舌に走る。


 熱帯夜のパーティーで、目隠しした僕の舌に9V電池を当てたのは君だったね。笑いながらサイダーを飲む君に、僕は9Vの炭酸を舐めさせた。この偽の炭酸が馴れ初めになるとは思わなかった。サイダーが最後の間接キスになることも。


 たったひと夏の甘酸っぱい日々、ピリリと痛む思い出は9Vでは済まない。御影石の前にサイダーを置き、松葉杖を抱えて、僕はそっと手を合わせた。

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― 新着の感想 ―
[一言] 9V電池ってどんなのかしらと、思わずネット検索してみました。ああ、これは昔々に見たことがあります。ラジコンの中に入っていて、電池切れを起こした際に購入場所が見つからずに(当時住んでいたのが大…
[良い点] この短さで見事悲恋を描ききる構成の素晴らしさ! [一言] 昔、ファミコンソフトの端子部をなめたやつがいて、セメダインの味がすると言ってました。 お前、セメダインなめたことあるのかと大笑いし…
[一言] ラストがとても悲しいです。 一体どうして……と思わずにはいられません。 9V電池を分解すると、単6電池が6本入っているとかいう噂を聞いたことがあります。 でも分解するのは危険です。 って…
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