第1章 『異世界で最強を目指してみる』 第三話「興奮の連続 」
誤字等が合った場合、申し訳ありません
セラから話しを聞いたところ、ここはエルフ王国という国の国土であるグライアス大森林という場合らしい。
セラは、エルフ領土の村で母親と暮らしていたそうだが、隣国であるタイデン帝国という国はエルフ国との仲が非常に悪く、セラが住んでいた村にタイデン帝国の軍隊が攻めて来たらしい。
その時にセラは母親と逃げようと試みたが、運悪く数人の兵士に見つかってしまい、母親はセラの逃げる時間を稼ぐ為に兵士に殺されてしまったのだとか。
そしてセラはこの大森林に逃げ、小屋を作って数年間一人で住んでいる。兵士逹はさすがにこの広大な大森林までは手を回さなかったらしい。その他にも色々教えて貰った。
「つ、つまり、セラは、エ、エルフ?」
俺が驚いているとセラの頭上に『?』が浮かんでいた。
「えっと、エルフはそんなに珍しくはないと思うんですが・・・」
「あ、いや!エルフは凄く知ってるよ!?」
俺がエルフを知らない訳がない、何故なら俺は大のファンタジー好きで大のエルフ好きなのだから。
「つまり俺は異世界召喚されたと・・・」
「召喚がどうされたんですか?」
「いや、何でもないよ!そ、それより俺、お腹空いちゃったな!」
「スープ作ったんです!是非食べて下さい!」
そう言うとセラは立ち上がって外に出て行くので俺も付いていく。
外に出ると石のかまどが数メートル離れた所に設置されており、かまどの上にはスープの入った鍋が置いてある。家の直ぐそばには机と椅子がある。
セラが木製のオタマで鍋からスープを一口分救い上げるとオタマを口に近づけて口に含む。
「冷めちゃってる・・・」
「温め直さないと」と言うと石のかまどの中に枯れ木を入れ、人差し指を突きつけ、何かをぶつぶつと唱える。
すると人差し指に小さな炎が現れて、枯れ木に目掛けてふわふわと飛んでいくと枯れ木に炎が宿る。
「そ、それは?」
悟はセラがした事に驚愕してセラに問うが、セラは悟の知りたい事がスープの事だと思い、スープに何が入っているか詳しく説明する。
「スープの事じゃなくて!」
「え?」
「セラが今した事だよ!」
悟はセラに近寄り、肩を強く掴んで勢い良く揺らす。
「な、何をしたの!」
悟は興奮のあまり鼻息が荒くなり、大きな声で問いただすがセラの顔を見ると今にも泣きそうな顔に気がつき慌てて手を離す。
「ご、ごめん!」
ひくっ、とセラの口から漏れる。
「大丈夫です」
「ほ、本当にごめん」
(最低だ!あと少しで泣いちゃうところだったぞ!?)
セラが息を整えてから悟に何を教えたら良いのか聞く。
「さっきの炎はどうやって出したの?」
「ま、魔法です」
(や、やっぱり。流石異世界・・・)
興奮が高ぶるが、さっきみたいに成らない為に興奮を無理矢理押し込む。
「私は少しだけ魔法が使えるんです」
「す、すごい!」
「私は幸いにも魔法の才能が少しだけ合ったみたいで、この森林でも生き残れてきました」
「そ、そうなんだ・・・」
「あ、あの取り敢えず、ご飯食べましょ」
「う、うん。そうだね」
セラが鍋に入っているスープを皿に移して、先に椅子に座っていた悟の所まで運び机の上に皿を置いた。
「さ、悟様は魔法の事を知りたいという事なので、ご飯を食べてからお教えさせて頂きます!」
「ありがとう!」
悟は魔法の事を早く聞きたいと思うが、折角セラが作った料理なのだ、急がずに味わって食べようと決める。