1/6
プロローグ 1
この小説は初執筆の作品なので、至らないところも多いかと思いますがご容赦ください。
嵐の中、荒れ狂う海、崖を勢い良く打つ波の音を無視し、無数の大粒の雫に打たれながら、少年は崖の上を呆然と立ち、明後日の方向へと目を向けている。その生気が感じられない黒く濁った瞳は、誰かが見れば少年が今から何をするかを瞬時に理解し止めるだろう。しかし大嵐の中、さらには人気がないこの場所では誰かが、少年がしようとしている事を阻止する事はない。
少年の瞳から一粒の雫が流れ落ちた、少年が流した涙なのか、はたまた天から落ちくる大粒の雫なのかは分からない。
そして少年は荒れ狂う海に身を投じるのであった。