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平和主義者の冒険者記  作者: マー
第1章
8/8

第8話 湖と美獣

頭が割れそうに痛い。


目を開くと幻想的な雰囲気の湖が広がっていた。


雅は、湖に畔りで寝転がっていた。

頭の痛さで、うまく体を起こすことが出来ない。


まだ雅の頭は混乱していた。

ここは?助かったのか?ゴブリン達は?

頭はどうなってしまったのか?

いろいろ考えていた。


がさがさ!


と雅の後ろから何か動く音がする。


まだピンチ継続中やんか!

雅は割れるように痛い頭を抑えながら、

体を起こし、湖とは逆の方向の草むらを見た。


すると現れたのは、村にあった置物の容姿をした獣であった。

村で見た時も思ったが、元の世界の狐に近い容姿をしている。


襲ってこないとは言えないので盾を前に出し、警戒していると、獣はそれに気付いたのか、てくてくと湖沿いに歩き出した。

歩き出した獣のその先に白色に近い木でできた社を見つけた。


着いたのか、、、

何故か肩の力が、スーと抜けていった。


すると社から誰か出てきた。

あっ、と雅の声が漏れた。

おそらく昨日川の向かい側にいた女の人だ。


白く透き通る様な肌。

金色で、前髪は目にかかるぐらい、背中の真ん中ぐらい胸のちょっとしたぐらいまでのすらりとしたストレートの長い髪。

大きく少しつり上がった茶色い目。

すらりとした鼻筋。

顔はほっそりしていて、泣きぼくろが色っぽい。

身長は170ぐらいあるだろうか、

すらりとした体型にあわないぐらいの、大きな胸。それを隠す唯の布が胸と腰に巻かれている。

そして、やはり特徴的な頭の上の耳と、尻尾。


まさに絶世の美女と呼んでいい容姿だった。


その絶世の美女がこちらに向かってゆっくりと歩き出し、雅の前で止まった。

そして、ひざまづき話し出した。



「お待ちしておりました。雅様

私はハルと申します。」


何で守神のハル様が、僕に様付け?というか何で僕を知ってるの?


雅は驚きの余り声がでなかったが、そんなことを考えていた。


ハルはそんな考えもお見通しだったのか、

続けた、

「全てはヌル神様から伺っております。

私の前に現れた時は、雅様をあるじとし、行動を共にせよと伺いました。」


驚いた。

ここでヌルの名前がでてきた。


「雅様まずは、その頭のキズをお見せ下さい。」


そういってハルは雅の頭に手を差し伸べる。

ポワァっとあたたかみのある光が広がり、キズの痛みがどんどん引いていった。


初めて見たが、これが魔法なのだろう。


「はい、これで大丈夫ですよ」

にっこり笑って、雅の顔を見ていた。


「あ、ありがとう」


雅は恥ずかしくて、目をそむけながらもお礼した。


「これからは、雅様の敵は全て私が排除しますので、危ないことはしないで下さいね」


もう、いろんなところ完璧なハルだが、何故、自分に好意をもってくれて、主としてくれるのかがわからなかった。


「あ、ありがとう。

僕もハル様みたいな神様で、綺麗な女性と冒険できたら嬉しいけど、ハル様はそれでいいの?ヌルに言われたからって、勝手に主を決められて嫌じゃないの?」


ハルはそれを聞くと、にっこり笑いゆっくりとした口調で話し始めた。


「私は神ではありませんよ。

魔物と獣人の間の存在です。

私達の先祖からの言い伝えで、数百年に一度、ヌル神様からの神託があるときいています。

その神託を受けて、嫌などという気持ちは1つもありませんよ。」


とにっこり笑って、答えてくれた。


神経由の好意ではあるが、こんな美人さんに好意を持たれたことは、雅にとっては今まで経験のないことである。


嬉しいという気持ちより、恥ずかしさのほうが勝ってしまって、上手くはなせないのがたまにきずである。


そこからは緊張しながらではあったが、一週間後に村が襲われること、お互いの生い立ち、話し合った。


ハルが言っていた事を纏めるとこんな感じだった。

ハルが産まれたのは、妖狐が集まる集落で、妖狐の中でも素質のある物は二尾、三尾と尻尾の数が増えるという。

ハル自身、現在4つの尻尾があり、集落の中でも抜きん出た存在らしい。


言い伝えでは、何百年に一度、この世界の危機が訪れる時に9尾の妖狐が現れると言われているらしい。


この話の流れ的には、いかにもハルがこの9尾に思えてならない。


モンスターの襲撃についても、教えてもらった。

最近は縄張りを越えてくるモンスターも多く、

集団で襲ってくることが多いという。


普段なら、集団で動くことが少ないモンスターが多く、なんかしらの違和感があったらしい。



長々と話を聞いていたが、終始ハルの美貌に見とれ半分は聞き流してしまっていた雅であった。


「私が知っているのはこれぐらいです。

これからどうしましょうか?」


ハルはそう聞くが、すぐに妙案が浮かぶわけでもなかった。


「今すぐ何かできるわけでもなさそうだから、一度村に戻っていろいろ、聞き込みしてみたいと思うんだけど、村にもどってもいいかな?」


と雅がいうと


「雅様の言う通りに」


どいって、にっこり笑った。


うん。なにこの異世界。

幸せ過ぎて、転生しそう。


と思いながらも、雅達は幻想的な湖を後にした。

やっとこさ、1人目の魔物娘が登場できました。

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