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<4> 勇者とステータス

評価・ブックマークありがとうございます!

「朝から混んでるねぇ」


時刻は9時


 ミリカから聞いた話だと今日は勇者の挨拶らしきものがあるらしい。

 勇者を一目見ようと王都中の人間が城の前に集まっていて後ろ側からだと何も見えない。


「ここからじゃ見えないし宿の屋根にでも上るか」


 まだ勇者は出てきていないらしいので、リーラを連れて宿の前まで行くと、ほんの少し足に力を入れて地面を蹴り数メートル飛び上がり屋根の上へ着地した。


「ここは特等席だな」


「とくとーせき?」


「あぁ、ここだったら見やすいだろ?」


「うん!」


 俺が胡座をかくとそこにすっぽりとお尻をはめるようにリーラが座る。


 まだかなーと待ちながらリーラの頭を撫でる。

 リーラは撫でられて気持ちいいのか、目を細めて頭を俺の胸にスリスリと擦り付けている。


「「「「「オオオオオオ!!!」」」」」


「うおっ!ビビった」


 急に大声を出すもんだから声を上げてしまった。

 リーラはこういうのには驚かないのか?と思ったが、ビクビクと震えていたのでまるで小動物だなと思いつつ、頭を撫でると体を俺の方へ向けて抱きついてきた。


 .....にしてもこの叫声といったら騒がしいなんてもんじゃないな。もの凄くレアな素材を運良く手に入れた時の歓喜の声を全員で叫んでるようなそんな感じだ。


「あれが勇者か」


 城の中から出てきた勇者は情報通り20人ちょっとで全員が俺と同じくらいの年の子だった。


 その中の1人が代表として前へ出ると、魔力スピーカーを手に取り、


「こんにちは皆さん!勇者です!僕達はこの世界とは違う異世界から来て神様に強力な能力を授かりましたーー」


 へぇ、神っているのかぁ...


「ーー絶対に魔王を倒します!」


 勇者の使命くらい皆分かってるから能力とか聞かせて欲しかったなぁ。それが無理にしてもせめて名前だけは名乗れよ。


 代表の勇者が元の位置に戻ると、次はその横の女の子勇者が前に出た。


「お、結構可愛いんだな」


「むぅ....」


「ま、リーラが一番だけどな」


「えへへ〜らいとぉ」


 嫉妬とか可愛いじゃないですか〜


「先程の勇者が言ってた通り、私達は能力を授かりましたがその際に神様からこの世界の人達に伝えといて欲しいと言われた事を今から話します」


 神様が俺達に....?

 王都の人も皆、俺と同じで頭にハテナマークを浮かべている。


「皆様はウィンドウを開く事は出来ますね?ウィンドウには素材の欄とお金の欄があるはずですが一番左端、素材の欄の横に結構大きめのスペースがあると思います」


 あーあるな。ずっと気になってたんだけどなんなんだろうと思ってたんだよな。


「そこには本来なら、自分のステータス....いわゆる強さを数値化したものがのっているはずなんですが神様が、強さをそう簡単に周りに見えるようにしては弱い者苛めや盗難などが起きる、との事なので見えなくしてしまいました」


 神様ってやっぱりスゲェなぁ。

 世界の法則そのものを捻じ曲げられるところとか。


「しかし、他人のステータスは見る事が出来ませんが、自分のステータスならある言葉を言うと見る事ができます。

  皆さん「ステータスオープン」と言ってください。そうすればステータスを見る事ができます」


 ステータスオープンと唱えてみると、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ライト・ブレイカー ♂ Lv不明 18歳


職業:不明


HP:不明


MP:不明


攻撃力:不明


防御力:不明


素早さ:不明


魔法攻撃力:不明


スキル

#$€#%#$#€


装備

ナイフ《攻撃力+4》

服《防御力+1》


称号

不明

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


・・・は?


 これは何かの事故か?数値化されてないんだけど・・・


「皆さん見えましたか?それが皆さんの強さです。いきなり数値化されても分からないという方がいると思いますが、下級魔族の平均値は300くらいらしいですのでそれを基準にしてください」


 まずステータスが分からないです...


「最後に、私達勇者は鑑定というスキルを持っていて皆さんのステータスを見る事ができます。皆さんが悪事を働きすぎると称号欄に乗り、それを私達が発見すれば取り押さえますので悪事は働かないようにしてください」


 他人のステータスが見れるだと?

 ステータスと同じように鑑定と言えば見れるんだろうが、勇者限定だしなぁ。


 しかし!出来ないと分かってても皆試すのがこの世の理!


「鑑定」


・・・・・


 やっぱ出来ませんよねぇ。


「らいとー?どーしたのー?」


 リーラは勇者の話を聞いていなかったのか、大丈夫?と言いたげな顔をしていた。


「何か鑑定って言ったら人の強さが見れるらしいんだけどーー」


とリーラの方を向いて言うと、


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

リーラ・ファルシア ♀ Lv79 8歳


職業:魔法使い


HP:1584


MP:1814


攻撃力:953


防御力:1100+2


素早さ:1342


魔法攻撃力:1898+30+9


スキル

火魔法Lv4


装備

魔法使いのローブ《防御力+2・魔法攻撃力+9》


称号

ライトの加護《全ステータスが3倍》

魔法師《魔法攻撃力+30》

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「は!?」


 さっきは出なかったのになんで.....てか俺勇者じゃないのになんで....てかライトの加護ってなんだよ。突っ込みたいところが多すぎる.....


「きゃっ」


「あぁ悪い悪い。驚かせてごめんな」


 とりあえず落ち着こう俺。深呼吸だ深呼吸。


 よし落ち着いた。


 リーラのステータスを確認していくか。


 リーラのファミリーネームは初めて知ったな。リーラに聞いても覚えてなかったしリーラが今よりもっと幼い頃から奴隷になったんだと分かると腹が立つ。


 レベルはあれだな。俺とS級のダンジョンとかで鍛えていたから上がったんだろう。


 職業は基本職の魔法使いだが実力的には上級職の大魔法使い...いや、最上級職の大魔導にも匹敵するだろう。

 ま、教会で転職しないとなれないんだけどな。


 ステータスの高さは....うん加護だな


 スキルだがレベルが4になってるな。レベルの上限がいくつかは知らんが、戦闘で魔法を撃たせておけばいつかは上限に達するんだろう。


 んで....問題なのが称号(これ)だな。

 魔法師は分かる...が加護がやっぱ分からん!


 加護っていうと精霊の加護とか聞いたことがあるけど、俺は精霊でも何でもないただの人間だし....


「らいとー?」


「ん?」


「だいじょーぶ?」


「大丈夫だけど、どうした?」


「へんなかおしてたから」


 と自分の手で顔を引っ張るリーラ。


「リーラちゃん可愛い〜」


「ひゃっ!?」


 リーラはいきなり俺が抱き付いたので驚くが、暫くすると顔が赤くなり始めた。自分からは毎日飛び込んでくるのに俺から抱き付かれると恥ずかしいのか?そうなのか?そうか。

 明日から俺からも抱きつくようにしよう!っていってもやり過ぎると慣れるからたまにだけど。


「...らいとぉ」


「グボァッ」


「らいと!?どーしたの!?」


 どうやら上目遣いで名前を呼ぶのは破壊力がありすぎるらしい。

少しでも面白いと感じてくださればでいいので評価・ブクマよろしくお願いします。

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