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<3> 高級肉

ブックマークありがとうございます!

「王様が異世界から勇者を召喚するのに成功したらしいですよ?」


「は?勇者?」


「はい。何でも魔王軍に対抗する為に召喚したらしいのですが」


「魔王軍?あんな弱い連中なんて放っておいても大丈夫じゃないのか?」


魔族が人間の数十倍の力を持ってるーー的な話は聞いたことがあるけど、たかが数十倍だろ。


「それはライトさんだから言える事なんですよ。並の冒険者達だったら魔族を前にしたら何も出来ずに死んじゃいます!」


「んなの分からんだろ」


「お父さんが言ってました!」


ほう...あのB級冒険者のおっちゃんがか.....


「おっちゃんでも勝てないのか?」


「この前、下級の魔族と戦ったらしいんですけど勝ったは勝ったけど超強かったらしいですよ?」


下級でBランクが苦戦か。

なかなかやるんだなぁ魔族。


「ならB級より下のランクが運悪く魔族に会ったら死んじゃうのか」


「はい!」


「ほぅ....で、その超強い魔族を倒す為に勇者が召喚されたって事か」


「そういう事です。何でも勇者はこの世界の人よりもずっと強くて、1人1人が固有スキルを保有しているらしいです」


「1人1人?...勇者って1人じゃないのか?」


「はい。確か20人程だったと思います」


「多いなっ!」


「まぁ多い方が心強くていいじゃないですか」


「そうだけど...ま、俺には関係ないし何人だろうが別にいいけどな」


「ライトさんより強いかもしれませんね〜」


「うーん、勇者だしなぁ。ありえるかも」


「でもライトさんより強かったら魔王とか簡単に倒せちゃいますね」


「そうだな」


と返事をした後、唐揚げをフォークでさそうとしたが


「唐揚げがない!」


「さっきからリーラちゃんが黙々と食べてましたよ?」


「おいしー!」


「ミリカー!お代わり頼む!」


「すみません、もうメガバードの肉が無いです」


「うそん!?」


「食べたかったらメガバードを持ってくる事ですね!」


「オッケー分かった!」


「即答!?」


確か、メガバードは王都の北側に数十キロ進むと見えてくる渓谷にいたはずだ。

メガバードは朝型だからもう寝てるだろうし、チャンスだな。


「じゃ、リーラ行くぞー」


数分で終わる仕事なのだが、リーラをもう置いてかないと決めたので連れて行く事にした。


「うん!」


リーラもとても嬉しそうだ。


リーラを抱っこして、宿屋の外へ出る。

腰の痛みはもう治っていた。


辺りを見渡し、誰もいないか確認してから転移魔法を使う。

目の前の光景が一瞬でガラリと変わり、辺り一面木々が立ち並ぶところにいた。


「さて、メガバード探すか」


「うん!」


「っとその前に....はっ!」


「けっかい?」


「そうだ」


ここら辺の魔物だったら、リーラでも余裕で倒せるのだが、万が一の事を考えて結界を張る事にした。


「さて、メガバードはっと....いた」


他の木より一回り大きな木の下に5メートル以上ありそうなのが1匹

その横の木の下に3メートル少しのが2匹か


「3匹か。こりゃいいや」


音を立てないように、メガバードに接近し、持っていたナイフで首を一刺しすると「グェ」と小さな呻き声を上げて死んだ。

他の2匹も同じようにすると全身が光り粒子となって霧散した。


「.......お、一個だけ高級肉だ。あのやたらデカイのってこの森のボスだったっぽいな」


メガバードは平均の体長が3メートルくらいなので、あのデカイ奴はボスだろうと納得する。


......腹がそろそろ限界だしもう帰ろう。さっきから俺のお腹の警報が鳴り止まない。


宿の前に転移するのは誰かに見られるんじゃないかと思ったが、早く飯が食べたいという欲求には勝てずに宿の前へ転移すると、運良く誰もいなかったので安堵の息を漏らしつつ、宿に入った。


「お帰りなさい!取れましたか?」


ミリカが迎えてくれたので、笑顔で返事をする事にした。


「もちろーん!さ、おっちゃん調理は任せた!」


ウィンドウを開いて、メガバードの肉を3つ取り出し調理台に置く。魔物の肉は倒した魔物の大きさに比例するので、メガバードの肉はデカい。


このデカさだったら1匹でも充分すぎるので、高級肉だけを調理してもらう事になった。


・・・で唐揚げにしてもらったわけだが、


「美味っ!!!」


「んまーい!!!」


ジュゥゥゥスィ!!!


「これはヤバい、とにかくヤバい。ちょっとミリカも食ってみろよ」


とフォークで唐揚げを刺してミリカの口元に持っていく。


「はい、あーん」


「あ、あーん」


ちょっと顔が赤いけど、照れてるのか?可愛いなぁ〜


「今まで食べた唐揚げで一番美味しいです!」


今日一番の笑顔をしたミリカは、何ていうかもの凄く可愛かった。この場にさっきの冒険者共がいたら、その場で告白なんてこともありえるくらい。俺が何年もミリカと付き合ってなかったら確実に告白して玉砕してましたね。


「そうか。よかったな」


ミリカスマイルを受けて、俺もつい笑顔になってしまう。


「むぅー」


ふと下から声が聞こえたので、向いてみるとリーラが不機嫌そうな顔をしていた。


「らいとはりーらのもの!」


物扱い....ま、リーラの物だったらいいか。


「急にどうした?リーラ」


リーラが不機嫌な理由は、2年の付き合いなのでもう分かっている。

が、可愛いのでわざと知らないフリをしているというわけだ。俺は悪くない。可愛いリーラが悪い。


「....おーちにかえる」


部屋なんだけどな。まぁずっとここで暮らしてるわけだししょうがないか。


「そかそか、そういうことだから部屋に戻るわ」


ミリカと挨拶を交わした後、部屋に戻った俺達。


「らいとー!」


戻った直後にこれですよ。

飛び込んできてからの抱きつく攻撃。

外でも普通に甘えてはくるのだが2人きりになると過剰に甘えてくるリーラ。

まぁ可愛いからいいんですけどね。むしろじゃんじゃん甘えてほしいね。


「よーしよし」と頭を撫でれば大体機嫌が直る。

ま、その後は暫く離れてくれないんだけど。


「さて明日はどうっすかなー」


勇者でも見てみるか?暇だし。


ベッドでリーラに抱きつかれながら横になっているとだんだん眠くなってきたので、そろそろ寝ることにした。


「リーラーもう寝るぞー...って寝てるし」

少しでも面白いと感じてくださればでいいので評価・ブクマよろしくお願いします。

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