<2> リーラとミリカ
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「なんだこの騒ぎは....」
パレードか?だとしても何のだろう。
もしかして俺の古龍を倒したという噂が....なわけねぇか。あのダンジョンは危険であの子にはまだ早いから俺1人で行ったわけだし、誰にも見られていないはずだ。
てか、まず人前では抑えてるから有名でも何でもないしな。
.....とりあえず宿屋に戻ろう。
ワーキャー言ってる人達を押しのけて、やっと宿屋の前に辿り着く事が出来た俺。
「古龍討伐より疲れた...」
軽い疲労感を感じながら俺は宿の中へ入った。
「あ、ライトさん!やっと戻ってきましたか!リーラちゃんがとっても心配してましたよ?」
迎えてくれたのは、宿屋の娘のミリカだ。年は15歳で髪は茶色で肩まで伸びていて背はやや低めの元気な子だ。
「悪い悪い。まさか1日経つとは思ってなーー」
「らいとー!!」
「うぉっと」
会話をぶった切って俺に飛び込んできたのは幼女だった。髪は金髪で腰あたりまで伸びていて、まだ8歳ながらその美貌で一目見ればほぼ確定で落ちる程の美幼女だ。
名前はリーラ。俺の仲間である。
「おそいよぉ.....」
と目に涙を溜めて言うリーラ。
その姿に周りの冒険者は頬を朱に染めながらも、俺に暴言を浴びせてきた。
「死ねこの糞野郎」
「こんなゴミみたいな男なんぞほっておいて俺の所へ置いで」
「女に心配かけされるなんて最低だね。死ねゴミクズ!!」
全くその通りです....。
女...しかもまだ幼い子に心配かけさせた挙げ句泣かせてしまうなんてな...
「ライトさん、とりあえず部屋に戻った方がいいですよ」
「そうだな...」
泣いているリーラを抱きながら、部屋へと入る俺。
「ごめん...リーラ」
「....らいろぉ...もうおいてかないれぇ...」
泣いているせいか上手く言えていないが伝わった。
「そうだな。もう二度と置いてかない」
「やくしょくらよ?」
「あぁ」
リーラを抱きしめ固く決意する俺だった。
しばらく抱きしめていると、次第に泣き止み、スゥスゥと寝息を立てて寝てしまった。
にしてもリーラがこれだけ心配してくれるとはなぁ。これはもうリーラから一度たりとも離れたらダメだな。
リーラを起こさないように、そっとベッドに下ろす。
と、そこでコンコンと扉がノックされたので、出るとミリカがいた。
「リーラちゃん大丈夫ですか?」
「何とかな」
「もう置いていったらダメですよ?」
「いやでも今回はリーラには危険すぎると思って」
「ライトさんなら余裕じゃないんですか?」
「まぁあのダンジョンならな?でも万が一の事を考えてだな」
「あのダンジョンならって言われましても、そのダンジョンって一番難易度が高いダンジョンですよね?」
「.....まあな」
「というか前に私を守ってくれたみたいに、リーラちゃんにも魔法をかけてあげればいいんじゃないですか?」
「あ.....」
「はぁ.....しょうがない人ですね」
ミリカはため息をつくと、リーラちゃんを1人にしないでくださいねと言って、受け付けの方へ戻っていった。
ミリカは俺の強さを知っている数少ない内の1人だ。
3年前、彼女が親に怒られて家出した際に、俺が今回行ったダンジョンに入ってしまい、それを偶然発見した俺が追いかけると、ダンジョンを少し行った辺りでランクSSの魔物達に囲まれていて、そこがマグマフィールドだった事もあり、暑さと魔物とで絶体絶命の所を助けた....というわけだ。
まだ、その時は俺はリーラと出会っていなかった。
リーラと王都の隣町で奴隷だったのだが、見た目が見た目でとても高価で貴族でも手が出せるものではなかったが、俺は魔物を狩りまくっていたお陰で大量に金が残っていたので買った。そこからは上手くコミュニケーションを取り、リーラの信用を得ることができたってわけだ。
部屋に戻り何もすることがなかったのでリーラをボーッと見ていると、瞼が重くなってきたので、ベッドを背もたれに寝ることにした。
***
「.....っ、腰いてぇ」
座って寝てたからだろうか、腰が痛い
腰を押さえながら窓を見ると、もう日は落ちかかっていて、暗くなり始めていた。
「.....んぅ...らいとぉ?」
リーラも今起きたのか、半目で目を擦りながら体を起こしていた。
「おはよ。リーラ」
「らいとー!」
いつも通り飛び込んできたリーラを受け止める。
あぁ、俺の腰が.....ま、まぁいいか。リーラの可愛さで腰の痛みなんてへっちゃグアァァ
「らいとどーしたのー?かおがへんだよー?」
「....なんでもな..いよ」
と答えたところで、ドアがノックされる。おじいさんみたいに腰を折るとまだ楽だったので、そうしてドアの前まで行き、ドアを開けるとミリカがいて
「ご飯の用意が出来たので食堂に...ってどうしたんです?」
「いや...なんでもな..い」
「? まあご飯が出来たので来てくださいね」
「お..う」
はてなマークを浮かべながら食堂へ向かうミリカ。
俺とリーラも食堂へ向かうことにした。
食堂は宿の部屋数分のテーブルが並べられており、この部屋はこの席..と決められている。
いつもの席に座ると、リーラも俺の膝の上に座る。
俺とリーラはずっとこの宿屋を使っているが、他の冒険者達はコロコロ変わっていくので、毎日食事の時間に嫉妬の視線を向けられている。
ま、優越感に浸れるので個人的には嬉しいのだが。
「今日のメニューは、メガバードの唐揚げです!」
しかし、視線も宿屋のアイドルミリカちゃんを見れば、和らいでいく。この元気っ子のスマイルはみんなを笑顔にさせる特殊効果が付いているのだ。
「お、メガバードか。美味そうだな」
昼間何も食ってないし、腹減ってたんだよなー。
「.....うめぇ」
「おいし〜!」
「よかったです!」
「毎日ありがとよ〜!おっちゃーん!」
調理担当のミリカの親父に礼を言う。
「おう」
おっちゃんがグーと、親指を立てて来たので、俺とリーラも親指を立てる。
他の冒険者達も「美味いなー!」「食事専門の店によりうめぇ」など賞賛の声を上げていた。
「あ、そういえばさ今日の昼にパレードみたいなのがあったけど何かあったのか?」
「王様が異世界から勇者を召喚するのに成功したらしいですよ?」
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