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<12> 襲撃

あれから十数分が経ったが、一向に2人とも起きやしない。

ラグリも戻ってこず、俺は暇をしていた。


もう帰ろうかな?帰っちゃおっかな?帰ろう...


ラグリを説得してからの方が後々面倒くさく無くなるが、今、待つのが面倒くさかった為、転移魔法を使い宿屋の自分の部屋に飛んだ。


周りの景色が変わると、ベッドに寝るリーラとメルを見て懐かしく感じた。たった数時間だったのにな。


「ただいま」


リーラとメルの頭を撫でると、不意にメルに手を掴まれた。


「....起きてたのか」


「マスターが近くにいないと私のセンサーが反応するんですよ」


メルは口元に手を当て微笑を浮かべた。


「ご冗談を」


「ふふふ」


少し含みがある笑い方をしたメルに俺は違和感がを感じた。


「冗談....なのか?」


「どうでしょうか」


でもありそうっちゃありそうなんだよなぁ。俺が生み出したし。


「ところでマスターはどこへ行ったのですか?」


「ちょっと神界へお散歩」


「神界...どこです?それは」


「え?知らないのか?神が住んでるとこだけど」


()しもべだから分かると思ってたんだけど。ま、僕ってもメルをこき使ったりなんてしないけどな!美少女を働かせて自分は楽するなんて到底考えられない。


「ライトさんに創られた直後の、ライトさんの知識しか私は知りませんので」


「神界の事を知ったのは、その後だから知らないってわけか」


「はい。でも何故神界の事を知ったのですか?」


俺はメルに、神様絡みであったこと全てを話した。


「そういうことでしたか。私はマスターに一生付いて行きますので、神界へ行く際に連れて行って貰いたかったです」


少し寂しそうに言うメルの頭を撫でる。


「お前は信用出来るからリーラの傍にいてほしかったんだよ」


「マスターが私を信用して...えへへ」


か、可愛い...抱きつきたいなぁ。いやもうここは抱きつくしかない。


「ひゃっ!?マスター!?」


「可愛いなぁもう」


メルを見ると顔が真っ赤になっていた。


「....ままままましゅたー!?だめれすよ!?」


恥ずかしいのか呂律が回っていない。

流石に照れすぎなのだが、可愛すぎるので抱きつくのをやめない。やめれない。


遂にメルはプシューと頭から煙を出し(たように見えた)、意識を失った。


「やり過ぎちまったか?」


メルをベッドに寝かせ、俺は『創造』でベッドを作ると勢いよくダイブした。


「おぉー超フワフワだなぁ。ここのベッドと比べ物になんねーな」


とても気持ちよく、すぐに眠気が襲ってくる。


これからはこのベッドを使おうと思いながら俺は目を閉じた。



翌朝、目を覚ますと体が重かった。


金縛りか!?と思ったが、自分の体を見るとリーラとメルに抱きつかれていた。


こいつらいつ来たんだ?まだ早朝だぞ。


体を起こすことが出来ないのでもう一度寝ようと考え、目を閉じた。


ゴーンゴーンゴーン!!


その時、エルディアの緊急の際に鳴る鐘が鳴った。


「なんだ!?」


「.....んみゅぅ?おひゃようございましゅ、ますたー」


鐘の音で目を覚ますメル。


リーラはまだスウスウと可愛い寝息を立てている。


「焦ってんの俺だけかよ...」


何しろこの鐘が鳴ったのを聞くの初めてだからなぁ。


「この鐘は...緊急事態でしゅぁ?」


まだ少しボケているのか呂律が回っていないメルを見て俺は苦笑した。


「ライトさん!!!」


その声とドアが開いたのはほぼ同時だった。


「 !? ...なんだミリカか」


「まままま魔王群が攻めてきましたよ!!早くライトさんちゃちゃっと倒してください!!」


「魔王群か。また急になんで?」


「勇者の存在が向こうに知れ渡ったそうです!!」


「へぇ」


「そんなこと言ってる場合じゃありませんよ!!早く!!」


ミリカが言い終わるのと、耳を劈くような爆発音がしたのはほぼ同時だった。


「.....なんだ今の」


爆発音が鳴り止んだあと辺りをを見渡すと、部屋の半分が文字通り無くなっていた。跡形もなく綺麗に。


「リーラ!メル!ミリカ!大丈夫か!?」


「うぅ....こわいよぉ...らいとぉ!」


爆音で目を覚ましたリーラは俺を見るなり、ベッドから勢いよく飛びついてきた。


「よーしよし。怖かったなーリーラ」


頭を撫でながら囁くと、リーラは「ぅん」と言いガッチリとホールドしてきた。


「おはようございます!マスター!」


「お前な...」


メルも爆音で意識がハッキリしたのか、敬礼のポーズをとっていた。

てかこいつ、こんな奴だったか?


「.....ライト...さん」


「ミリカ!」


弱々しいミリカの声を聞き振り向くと、ミリカの横腹には爆発で散発した木片の一部が突き刺さっており、そこから(おびただ)しいほどの血が溢れていた。


「待ってろ。キュア!」


急いで回復魔法を唱える。

キュアの光は瞬く間にミリカの傷ぐちを塞いでいった。


「よし。ひとまずこれで大丈夫だな」


「す、すごい。あれだけの傷が一瞬で.....ありがとうございます!」


「ミリカの為だし礼はいらねーよ」


「ライトさん...」


「ま、俺はちょっと行ってくるわ。ヤバそうだし」


ドアに手を掛ける。


「マスター、私も行きます」


「分かった。行こうか」


「ライトさん...みなさん気をつけてくださいね」


心配そうな顔をするミリカに、俺は笑顔でこう答えた。


「大丈夫だ!問題ない!」



少しでも面白いと感じてくださればでいいので評価・ブクマよろしくお願いします。

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