・サイコ先生
結構短いです
「先生、当直の先生がやった手術の報告書。目を通してコメントを書いておいてください」
「え〜」
「え〜、じゃないですっ!」
ある日、私がいつも通り回診を終えてお昼寝をしようとしたら目の前に書類の山。あ〜、昨日の当直はサイコ先生か。それならこの量は納得。
サイコ先生というのはこの病院の魔法外科医の一人で、魔法医の中でも特殊な精霊魔法を使える人。これは普通の魔法よりも患者の体への負担が小さいが、使用者への負担は大きい。代わりに、精霊? っていう存在とお話しできるらしいんだ。ただ、精霊は普通の人には見えないから、周りの人からするとただの痛い子に見えちゃうんだけどね。サイコってあだ名も確かそこから来てたはず。おっと、話が逸れたから戻して。というわけで、うちでは私の代わりに当直を主にやってもらってるんだ。当直とか私が休みの時の代わりの魔法医は他にもいるけど、それはまた後でねっ。それで、このサイコ先生、いいことなのかはよくわかんないけど、報告がすんごい細かい。おかげで助かったこともあるんだけど、その分私が読む報告書なんかも多くなるからなんとも言えないんだけど。ちなみに、サイコ先生って言うのはあだ名だよ? 本名は・・・えと・・・なんだっけ?
「あのさ、ミツキ。サイコ先生の本名ってなんだっけ?」
「え? サイコ先生ですか? えーと・・・」
そのままミツキが考え込む。って、ミツキが考え込む!? この子、記憶力がすごくいいから何か考えるような質問じゃない限り考えないのに!? そして経過すること約5分。ようやくミツキデータベースの中のスキャンが終わったようで顔をこっちに向けた。
「すみません、わかりませんでした」
はい〜!? もう、色々と、訳がわからないよ・・・。
あの後、サイコ先生の履歴書を見てみたけど、誰かが飲み物か何かをこぼしたみたいでそこだけ読み取れず、本人に聞くわけにもいかないので、一旦放置ということになった。
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