・とある魔法外科医
短いお話を書いていくつもりです。
では、よろしくお願いします。
「ふぅ、今日のお仕事、ひと段落ぅ♪」
私はリリィ。とある町で外科医をやってるのっ。外科医って言っても、どっかの漫画にいる有名? な法外な値段の手術料を取る天才外科医みたいなことはしないで、普通の外科医をやってますっ。
ただ、普通って言っても、みんなの言う普通とはちょっと違うかも。だって・・・。
この世界には魔法があるのだからっ!
そう、魔法! みんなが持ってる魔力を使って火を作ったり、水を出したり、風を吹かせたり。そんな魔法が存在するこの世界。人はみんな魔法が使えてそれを生活に役立てて暮らしてる。もちろん治癒魔法とか、強化魔法とかいろんなのがある。たまに魔法を使って悪さをする人もいるけど、そんな人は国直轄の魔法警察が取り締まってくれる。でも、事故だったり、警察が間に合わなかったりで魔法で怪我をする人は出てきちゃう・・・。軽傷や重傷までなら普通の病院にいる先生でもなんとかなる。その先生は治癒魔法が使えるしねっ。でも、体の奥深くまでの致命傷とかで死にかけちゃうと普通の先生にはどうしようもない・・・。いくら治癒魔法って言ってもそこまで万能ってわけじゃないし。
そういうときは、私たち、魔法外科医の出番っ!
「リリィせんせ〜いっ! 急患ですっ!」
「は〜い、すぐ行くよ〜っ!」
と、また急患かー。さっき、別の人を治療して書類をまとめあげたばっかりなんだけど・・・。まあそんなこと言ってても仕方ないっ。お仕事お仕事っ。
私が患者さんのところに行くと、助手のミツキが容体を教えてくれる。
「患者は40歳、建設現場の作業員です。高所から落下し、体に鉄筋が5本刺さっています。ミッドガルド中央病院に搬送されましたが、治療不可能とのことでこちらに回されてきました」
ありゃ〜、確かにこんな1cmくらいの鉄筋だし、体を貫いてたら治療魔法なんて使えないね。それに肺と心臓まで貫いちゃってるし。さて、それじゃあ・・・。
「ミツキ、オペ室へ最速で。すぐに準備して私も向かうっ」
「わかりましたっ!」
私がオペ室横の更衣室に行こうとすると、患者さんが私を見て何かをしゃべった。気になって耳を近づけて聞いてみると、「私は、もう、助からんのか・・・?」と聞いてきた。もちろん答えはNOっ! そんなこと、私は絶対にさせないっ! だから、私はこう答えるっ。
「いえ、絶対に私が、天才外科医リリィの名にかけて助けますっ!」
それを聞いた患者さんは「ああ、ここはリリィの病院なのか。なら、大丈夫だな・・・」と言って意識を失った。というか、体を貫かれてる痛みの中、よくしゃべれたね・・・。
「それじゃあ有言実行にしないとねっ! 緊急オペに入るよっ!」
私はメンバーを集めて手術室に入り、緊急手術を開始した。
感想や駄目出しなど、いろいろとお待ちしております。