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公領ジグの奴隷商


クラムが出立した翌日、ハンガにウラムスからの使者がやって来た。

状況の確認のために呼び出されたクウガが詰め所に入るとワッセの前に丁度クウガと同じくらいの体格の男が立っていた。

しっかり鍛え上げられていることが分かる体躯、綺麗に剃りあげられた髪、鋭い眼光―――髪を剃りあげているということはフーラーだろう。フーラーの成人男子は全員髪を剃りあげると聞いている。

年齢はワッセと同じくらい、30半ばだろう。

「お、きたか。クウガ、こちらはウラムスの第一歩兵団団長のリキ殿だ。リキ殿、これが例の奴です」

「初めまして」

リキが差し出した手を受けると

「初めまして。クウガといいます」

「見覚えは?」

ワッセの言葉にリキは首を振る。

「そうですか」

ため息をついたワッセは

「クウガ、済まんがもう用は済んだ。帰って良いぞ」

「はあ」

「後はクラム様に任せるしかないか・・・」

「そういえばクラムは何処に行ったんだ?」

「中央だ。今回の件の黒幕の情報を集めに行かれてる」

「黒幕・・・ウラムスは関係ないのか?」

クウガは首を捻る。

「リキ殿にも確認して頂いたが、ウラムスは今回の件には関与していない。兵が買収されたようだ」

「申し訳ない。ここまで軍の綱紀が乱れていようとは・・・」

リキが頭を落とす。

「買収してきた相手も不明なのですか?」

「接触された当人が死んでしまっているので」

「しかしなぜその黒幕はウラムスの兵に接触したんでしょう?他県の兵ではダメだったんでしょうか?」

「それもまったく理由が・・・」

「クラム様もウラムスが関与している可能性は低いと判断されていた。だからご自身で中央に向かわれたんだ」

なぜクラムがウラムスの使者の到着を待たなかったのか疑問だったが、そういうことだったのかと理解した。

「拘束している兵はそちらにお渡しするようクラム様から指示がありましたので連行してください」

ワッセの言葉にリキは申し訳なさそうだ。

「よろしいのですか?部下の方を亡くされたというのに」

「我らは兵士ですから」

たったそれだけの言葉―――だが、そこに全てが込められていた。

「分かりました。他の部隊長にも接触しているかもしれませんのでこちらでも調査を進めます。何か情報を得次第、こちらに連絡します」

「お願いします」

リキは部下に連行の準備を整えるよう指示すると

「そういえばクウガ殿と仰ったか」

「はい」

「確か・・・・」

「公領ジグから逃げ出した剣奴ですよ」

あっさりバラすワッセに

「やはり・・・ではあなたがハルムの王子なのですね」

どこか懐かしさを含んだリキの言葉。

「あの・・・俺の故郷をご存知なんですか?」

「私の生まれ故郷ですから」

「え――――」

「私の母はフーラーですが、私の父はハルムの出身だったのですよ。ご存知ですか?フーラーの女はこぞってハルムの男との子供を欲しがっていたことを」

「そうなんですか?」

「ハルムは体格に優れ頑強な男が多いことで有名な国だったんです。フーラーは闘技に秀でていることを重んじる部族ですから、常により良い資質を求めてきました。その中でも特に優れていたのがハルムの男達だったそうです」

幼かったクウガの記憶にある光景。

クウガたちが育てられた離宮の庭園の片隅に立つ屈強な男たち。

そしてその眼光の鋭さだけだ。

確かに体格は良かったが、王族の護衛だったのだからそれが当たり前だろうと特に疑問に感じたことは無い。

「あなたが生まれた時の式典は今も覚えています。本当に―――街中が喜びに溢れていた」

リキの懐かしさ溢れる眼差し―――だがその光もすぐに翳った。

「私は15で成人を迎えると同時にフーラーとして修行に入ったのでハルムが滅びた時にはすでにウラムスで部隊長を務めていました。あの日、ルーニエの侵攻を聞いてすぐにサハル様にいったいどういうことかを問い詰めに行ったのですが・・・サハル様も理由が分からないと仰るだけで。軍のフーラーは全員が中央に対して抗議すべきだと詰め寄りサハル様もそれについて了承されたのですが、当時のフーラーの族長であるオリ様が反対なされて・・・結局何も出来ませんでした」

「ご両親はご無事で?」

「はい。母の故郷に移住していましたから。ですが父が侵攻の後に酷く気落ちして・・・3年後に病で亡くなりました。母もそれを追うように・・・」

「そう・・・ですか・・・」

「剣奴のなかにハルムの王子が居るという噂を聞いた時、何か出来ないかと思案しながら結局何も出来ず、このようなかたちでお会いすることになってしまいました。この状況でこういうことを言うのは問題なのでしょうが、あなたが無事で本当に良かった」

クウガの頬に流れる一筋の涙。

会ったこともない人が自分のことを案じてくれていた―――それがこんなにも胸を熱くしてくれるとは。

「あり・・・がとうござい・・・ます・・・」

声の震えを何とか抑えてみようとするが溢れてくる涙を堪えることができない。

「『白炎』のクラム卿は大変情に篤い方だと聞いています。クラム卿とあなたとの邂逅はきっと神の采配なのでしょう。今後の人生が実り多きものであることを願っていますよ」

「はい」

リキは涙でぐしゃぐしゃになったクウガの肩を叩く。

「大地の神『バアル』の恩寵を」

「そち・・・らにも・・・」

なんとか搾り出した返礼にリキは微笑むと部下に指示を出しつつ地下牢へと入っていった。



公領ジグ―――国官の所領として割り振るための地域で領主は置かれておらず、中央が直接管理する地域だ。その中心都市マルスはかつては交易の要衝として栄えたが、アガルタ侵攻後はシナルアからの物資は途絶え虚無の砂漠方面の国々が滅んでしまったため緩やかな衰退へと向かっていた。今は対アガルタ戦における後方拠点としての役割があるためなんとか維持されている。

そういう場所であるため街を闊歩しているのは軍人が多く、あまり治安は良くないようだ。

「どこか安くて良い宿はないか?」

適当に立ち寄った食堂で訊いてみたが、宿のほとんどは軍によって接収されてしまいまともな宿はないのだという。

「北に少し行ったところにオムルって村がある。そこには宿があるよ」

女将に礼を言って心づけを渡すとクラムはマルスの街を出た。

歩いて半刻もしない頃、そのオムルという村にたどり着いた。宿を見つけ一息つくと今後の予定を立てる。

手っ取り早いのはクウガの飼い主だった奴隷商を見つけ出すことだ。首謀者の可能性がもっとも高い。

宿の主人にマルスの奴隷商について訊くと

「ユマ=オ=イルのことか?」

「何処にいる?」

「さてなぁ。普段からマルスにいるわけではないらしいが」

主人は顎をさすりながら

「あんた、奴隷が欲しいのか?」

「いや、その奴隷商に話があるだけだ」

「ユマは恐ろしい男だぞ?従順ならば問題は無いが、逆らう者は徹底的に排除するような男だ」

「別に構わんさ。交渉に来ただけだからな」

「ならいいが・・・ここしばらく酷く荒れていたらしいからな。気をつけたほうが良い」

酷く荒れていたとなるとクウガの件が絡んでいる可能性は高いだろう。

「マルスにいるとすれば剣闘士の訓練所だ。ユマ自身、まるで剣闘士の様な男だからな」

主人の話にしたがって、翌日、クラムは剣闘士の訓練所を訪ねてみた。


「ユマ=オ=イルに話があるんだが。ここにいるのか?」

門番に訊ねてみると

「面会の約束はしてるのか?」

「いや」

「なら帰れ。ユマ様はお忙しい」

すげない対応だが予想はしていた。

「件の逃亡奴隷について情報があるんだが」

これを出せば釣れるはずだ。

門番は一瞬ぎょっとした後

「ちょっと待ってろ」

と中へと入っていった。

しばらくして

「ユマ様!!お待ちください!!」

という声が聴こえ、突然門が凄まじい音を立てて開かれた。

「貴様か。クウガの情報を持っているというのは」

上半身裸の男は一見してまさに剣闘士。相手を威圧する鋭い眼光。長身に分厚い筋肉の鎧を纏っている40代と思われる男。これが奴隷商なのか。

「ああ。あんたがユマ=オ=イルか」

ユマはクラムの胸倉を掴むと

「あのクソガキは何処にいる」

「何処にって・・・知ってるんじゃないのか?」

「なんだと?」

「とりあえずこの手を離してもらおうか」

ユマの手を払うと

「あんた、ウラムスの軍と繋がってんだろ?」

「ウラムス?領主とは顔見知りだが、軍とは特に縁はないな」

「なに?」

「ウラムスはフーラーのお膝元だからな。あそこは奴隷商との取引は禁止されてる」

となると奴隷商の線は消えたか―――

「ウラムスとクウガが何か関係あるのか」

「あんたは本当にあいつが何処にいるのか知らないんだな」

「だから何処にいるんだ!」

どうやら本当に知らないらしい。

肌で感じられるほどイライラしていることが分かる。

「あいつは俺が保護している。今はラダンのハンガの街だ」

「保護してる?どういうことだ!」

「偶然拾っただけだ」

「ならばすぐに引き渡してもらおう。あいつは俺の所有物だ」

「断る」

「なんだと貴様!!!!」

またもクラムの胸倉を掴んだユマは

「あのクソガキのおかげで俺の面子は丸つぶれだ!!ラジムの奴には莫大な賠償金を請求され、飼い犬に逃げられたと嘲笑されてばかりだ!!きっちり償わせてやる!!!!」

と叫んだ。

クラムの周りの火の精霊がざわめき始める。このままではユマを焼き殺してしまう。火の精霊に手を出さないよう指示すると

「あんたの面子なんぞ知ったこっちゃ無い。折角拾った手駒を返してやれるものか」

ユマはこめかみに太い血管を浮かび上がらせると拳を振りかぶった―――

だがクラムは振り下ろされた拳を軽くいなすと、ユマの股間を蹴り上げる。

「ぐうっっ!!」

闘いなれている雰囲気を纏っているだけあって軽くしか入らなかったが、ユマは飛び退くと

「貴様ぁ・・・俺に刃向かうつもりか」

「俺はあんたの飼ってる奴隷じゃないんでな。あんたのいう事を聞く筋合いはない」

「俺が誰なのか分かっていての狼藉だろうな」

「あんたのことなんぞ名前すら昨日初めて知ったんだ。奴隷商だっつーことしか俺は知らん」

「いい度胸だ」

ユマは拳闘の構えを取ると一気に踏み込んで拳を打ち出してきた。

「おっと」

隆々とした筋肉を纏った巨躯からこの速さ――――やはり相当鍛えているようだ。

だが次から次に繰り出される拳をすべて避けてみせるクラム。

筋肉を動かせばそこには火の精霊の流れが生じる。その精霊の流れで次の動きを読めるクラムにはどれだけの速さを持っていようと関係ない。

「くそっっ!!!」

肩で息をするユマは構えはそのままに足を止めた。ユマの身体から大量の汗が滴り落ちている。

「まだやるか?」

「はあっ、、、、、当たり前だ!!!」

今度は拳の中に蹴りを混ぜてきた。

蹴りが繰り出されるたびにブオンッッと凄まじい風切音が響く。

だがクラムにはすべての動きが読めるのだから何も変わらない。

四半刻ほど経っただろうか。

「がはっっ!はあ、はあ」

呼吸が追いつかなくなったようで膝を突くユマに

「まだやんのか?」

「だれっ・・・がっ・・・きさっ・・・まに・・・」

「あっそ。面倒なんで一気に蹴りつけさせてもらうわ」

クラムは膝を突くユマの髪を掴んで引き立たせると

「ごぶうっっ!!!」

ユマの腹に突き刺さる膝―――

「甚振るのは慣れてんだろうが甚振られるのは慣れてないだろ?」

「うぇっ・・・・・ごぶうっっ!!!ぼうぇっっ!!!おごっっっ!!!がばっっ!!!!」

ユマは長身で分厚い筋肉に覆われているが、クラムとの体格差がそんなにあるわけではない。山歩きで鍛えられているクラムの膝を防ぐことができるほどの筋肉ではなかった。

「おぼっっ!!!!うぶっっ!!!!」

ユマの口が大きく膨らんだのを見てクラムは打ち込むのを止め髪を離した。

どちゃっと前のめりに倒れこんだユマは腹を押さえ込みながら

「おうぇえええええええええっっっっ!!!!!」

ビチャビチャビチャ、と盛大に嘔吐している。

「ユマ様!!!」

呆然と見ていた門番達が駆け寄ってくるが、クラムは手を一つ叩くと周囲に火球を浮かばせ牽制する。

「さて、まだやる気力は残ってんのかな?」

顔面をゲロ溜まりに突っ込んだユマの前にしゃがみこむと髪を掴んで引き起こした。

汗と涙と唾液とゲロに塗れた顔には当初のような獰猛さはない。

「クウガの居場所を掴む事ができるだけの情報網を持っていて、クウガを始末したがっている奴を知らないか?」

「だ・・・れが・・・てめえ・・・なんぞに・・・・」

この状態でもまだ抗う意思を見せるユマに

「ほう。なら俺が誰なのか思い知ってもらおうか」

次の瞬間―――

ぼんっという音が響きユマの身体を包み込むように火柱が上がった。

クラムに髪を掴まれたままのユマは身体のあちこちが焦げ、ズボンも燃えて僅かに布を残すだけ。弱々しくクラムを睨みつけていた瞳は上を向き生々しく白目を剥いている。

クラムが手を離すとまたゲロ溜まりに顔を突っ込んだユマ。ごつごつとした背中は至るところがやけどで赤く腫れ、ヒクヒクと痙攣していた。

クラムの前に突っ伏すユマ―――身体のあちこちが焦げズボンも消し炭となりわずかに布切れが纏わりついているだけだ。

「ユマ様・・・」

呆然と見ているしか出来なかった門番達が膝を突いて項垂れた。

「おい、そこの」

とクラムは懐から薬瓶を取り出すと一番近くまで来ていた男に投げた。

「トコショの秘薬だ。こいつなら使っても問題ないだろ」

と告げると男達が一斉にユマに駆け寄り手当てを始めた。

「俺は北の村にいる。そいつが動けるようになったら連絡してこい」

それだけ言い残してマルスを出た。


その翌日―――

宿の前で花を肴に酒を飲んでいると

「おい」

と声がかかった。

振り向くと顔の至るところにガーゼを貼ったユマが数人の部下を連れて立っていた。襟元から覗く胸には包帯がぐるぐるに巻かれている。

「もう動けんのか。バケモンだな」

「貴様。何者だ」

あそこまで一方的にボロボロにされてなお、これだけ尊大に出ることが出来る胆力には正直恐れ入った。

「俺はハンガでマチス鋼の精錬を生業にしているクラムという」

「ハンガのクラム・・・・『白炎』か!?」

明らかに狼狽したユマに

「『白炎』?」

と部下の男達は首を捻った。

「馬鹿かお前達!特級魔導師だ!!全てを滅する白き炎の使い手だぞ!?」

「特級魔導師ってあの3人しかいないっていう・・・」

「『白炎』がなぜクウガなど・・・」

唖然とした表情でつぶやくユマに

「たまたま拾っただけだ。使い勝手が良さ気だったんでそのままうちで引き取った」

「あんなクソガキくれてやる!引き上げるぞ!!」

「えっ!ユマ様!!よろしいのですか!?」

「『白炎』など敵に回せるか!数千の兵を集めても一瞬で消し飛ばされるぞ」

踵を返そうとしたユマに

「ちょっと待てよ。あんたには訊きたいことがある」

「な、なんだ・・・」

ユマのこめかみを汗が伝い落ちる。

「昨日も訊いたが、ウラムスと繋がりがあってクウガに恨みを持ちそうな奴のことだ」

「それは・・・」

ユマの目が泳いでいる。何かを知っているのは間違いない。

「あんた昨日賠償金がどうとか言ってたな。それを俺が肩代わりした上でクウガの代金も払ってやる。それで問題はあるまい。さあ、吐け」

「ま、待ってくれ。確証もないのにそんな話は出来ん」

「俺がハンガを空けている間にハンガが襲撃を受けた。賊は俺を見るなり逃げ出そうとした以上、俺が狙いではないのは明らかだ。俺の生業はマチス鋼の精錬だからそれを狙ってくる賊はそれなりにいるが、賊の素性を調べてみるとウラムスの兵だという。兵じゃマチス鋼を裏で流通させるルートは確保できまい。その上生き残った賊はただ俺の屋敷を襲うように命じられていたという。マチス鋼を取ってこい、ではなくな。この状況を鑑みると狙いはクウガしかあるまい。となるとクウガに恨みを持っている者、まずはあんただ」

「俺は知らん!!」

「それは分かった。確かクウガは弟と闘わされるところだったはずだ。その興行主はあんたじゃないんだな?」

「それは・・・あの興行はラジムの奴が主催だった。だがラジムの奴が『白炎』を敵に回すなんてリスクを負うとは・・・」

「そのラジムってのは何処の奴隷商だ?」

「北西のウスタスだが普段は中央にいる。自分から現場に出向くことはほぼないと聞いた」

「分かった。後は俺が蹴りをつける」

「待ってくれ!!確証があるわけじゃないんだ!!!俺が調べた上であんたに知らせる。それじゃダメか?」

「別にそんなことする必要はあるまい。軽く締め上げてやれば吐くだろ」

「俺たちには俺達の掟って奴がある。それを破るような奴は今後他の連中から信用されん。あんたに動かれると俺が困るんだ」

縋るような眼差し―――胸を張れる様な稼業ではない以上、色々規律があるのだろう。

「分かった。とりあえず俺は中央に向かう。しばらく滞在するから状況が分かったら教えてくれ」

「ハンガのほうは大丈夫なのか?あんたが街を空けてると・・・」

「大丈夫だ。『蒼穹』を呼んである」

「『蒼穹』を!?」

「クウガのことを気に入ってくれたみたいだからあっちは任せておいて構わんさ。ほっといても護ってくれる」

「さすが特級魔導師ともなると人脈が違うもんだな」

「俺は貴族どもと付き合う気は毛頭ないがな。あんな下賎な連中と同じ空気を吸うのも不快だ」

「分かった。早急に確認する。連絡方法はどうする?」

「俺が中央に滞在する時は商工区のアナスタシアって宿しか使わん。商売用の人脈を広げるのに丁度いい場所なんでな」

「わざわざ商売なんぞしなくても・・・」

「特級魔導師という立場と引き換えにこの国を守ってやってるだけで、この国には何の思い入れもない。この国を守ってやるんだから対価は受け取るが、この国の所有物だと思われるのは不愉快でしかないんでね」

あの少年を殺したのこの国―――いったいなんの思い入れなどあろうか。

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