僕の本職が主夫な理由
結局部屋を覆った植物はナイフで切った、ついでにきちんとした栄養があれば発芽でもある程度育つみたいだ。
僕は観葉植物用の液体肥料が空っぽになっていることを嘆きながらそんなことを考えてた。・・・肥料高かったのに・・・
さっきの魔法陣を紙に書き写して液体肥料の瓶と育った植物の一部を持って部屋を出るとグレンさんに報告するために客間に向かうはずだった、目の前に真っ黒黒助2号と3号が現れなければ。
昼間監視されていたことには気づいていた、だから新しい物理の罠も突破してくるだろうことも予測していた。・・・ちょっとハマってくれたら面白かったなぁと残念に思うのはしかたのないことだとも思うんだけどね?特にタライ・・・。
うん、まあそういうわけで見事に突破してきた不法侵入者たちは僕を見つけ、襲いかかろうと近寄ってきた。ものすごく早い、手練だ、でもね?
「あ、そこ、腐海生物出没注意です」
「は?っ!?」
もう一度言おう、僕の部屋はお爺ちゃんの実験室(別名腐海、not 封印)の隣です☆
おそらく嗅ぎ慣れな人間の香りを嗅ぎつけただろう腐海生物は興奮して部屋から飛び出し、嬉々としてお客様にじゃれついた、今回一番乗りは人喰い植物代表巨大モウセンゴケのモウセさんのようだ、おやおや、テンションハッスルで粘液が周りに飛び散ってるなぁ、ちょっと床溶けちゃってる。後で修理しないと。
つづいて同じく人喰い植物代表巨大ウツボカズラのカズラさん登場、頭からパックンしちゃった。お客さんが足バタバタさせて出ようともがいてるけど・・・カズラさんの内部粘液はワックス並みの滑りの良さだからムリだろうなぁ。
「ほらほら、二人?とも、そんなばっちいの食べちゃダメだってお爺ちゃんに言われてるでしょ?ご飯ももうすぐなんだから捨てちゃいなよ」
「・・・(ペイッ)」
「「ぐふっ」」
消化液まみれの侵入者さんたちが吐出された、ばっちいなぁ。
生活魔法で洗濯してやりながら(だってほっといたら溶けちゃうし)外の気配を探る、・・2・・3・・6人かな?あ、一個消えた、暗部にごあーんなーいってやつだね。なむなむ。
そのまま目を回しているお客様(笑)を縛り上げてモウセさんたちが出てきた扉を閉める。ちらっと見たら新参者たちを最古参腐海生物、粘菌のバク子さんが食べてた。どうやらモウセさんたちはじゃれつきに来たのではなくバク子さんから避難してきたらしい。なむなむ。
「・・・バク子さんにはご飯の必要なさそうだね、モウセさんたちは残りのお客様の相手をしてあげてくれる?僕はご飯の準備しなきゃいけないから。あ、お家の外は出ちゃダメだからね?バイオハザードの危機に陥ったら僕、君たちのこと燃やさないといけないから」
侵入者の対処をお願いするとモウセさんとカズラさんは階段を登っていった。遠くから爆発音と素晴らしい鐘の音が聞こえ始める。どうやら選んだおもてなしは罠の発動らしい。タライの音が素晴らしいね!
僕も階段を登ってまずは客間の様子を見るとカズラさんにびびってるウォルフくんと、のんきにお茶してるグレンさんがカズラさん達の活躍を遠巻きに見学していた。どうやらさっきの音はこの部屋の罠だったようだ。
「グレンさーん、僕ご飯したくあるから適当に縛るか諜報部に送っちゃっといてくれる?」
「ああ、カズラとモウセの気が済んだら送っておく、その手に持ってる書類は今もらえるか?」
「うん、結果まとめといた。あとさ、肥料さえ何とかできたら発芽魔法でも結構育つみたいだよ?これ、発芽と同時に部屋の肥料全部吸収しちゃったツタ植物」
「土の改良もしっかり効果有りというわけか。分かった、それも報告しておこう」
「よろしく」
「と、トール、こいつら何?なんで植物が動いてんの?魔樹じゃねえの?」
おっと初めてみたウォルフくんが自分の常識にヒビが入って混乱してるよ!
ここは親友としてしっかりフォローしなきゃね!
「えーとね、お爺ちゃんの研究成果?な腐海の生物?」
「いや腐海って何?」
菌と植物がバイオハザード起こして独自進化したカオスなお爺ちゃんの研究室(未知の世界)の名前です。
罠などはらなくても本当は家を守る戦闘系実務部隊は十分に存在しているのです。わざわざ張ったのは本当にただのストレス発散。
トールくんのお仕事は敵味方についての判断指揮をするだけ、でもとても大切なお仕事。なぜならそうしないと全部食べちゃいますから。
強さについては周囲の被害度外視で本気で戦ったらトールが勝つが制約ありだと腐海生物が余裕で勝利します。




