テンプレが訪ねてきました、対象は僕・・・ではないと思う
突然だが、僕の前世は日本人である。銃を持ってドンパチなんて経験はもちろんなく、ナイフを振り回すどころか本来刃渡り15cm以上を持ち歩くことさえ逮捕されちゃうお国柄な土地で人生終えた根っからの平和主義者だ。
当然今生でも記憶があるのだから平和主義者だ。たまにはっちゃけているが『人』を傷つけることにはしっかり忌避感があるし、実際仲間内の人はみな僕の攻撃程度は無傷でやり過ごせるからできることである。
それにこの世界でも人殺しは犯罪だし僕の保護者達もあまりそちらの荒事に子供を関わらせることをよしとしない人たちだ。冒険者コースをとっているのだって基本は魔獣からの自衛手段だし魔獣はあれだ、サバンナで腹ペコライオンに相対しちゃった感じだ、殺らなきゃ殺られるんだ。
つまり何が言いたいかというとだ、
「目の前で起こっている一方的暴力事件は非常に不愉快なんだよね」
ということに尽きる。
まずは昨日のことから語ろうか。ハニートーストを食べ終えた僕はごきげんで黒耀のブラッシングに出かけた。おみやげで持っていったハニートーストは黒耀も気に入ってくれてさらにごきげんになった。騎獣ととっても濃密な親睦を深め(主にハニートーストがたりである)、ごきげんなまま宿に戻った僕を待っていたのは町の町長さんだった。
何でも町おこしの方法として僕の蜂蜜料理をレシピとして残してほしいとのこと、ハニートーストを食べているとき他にも知っているといったことをバッチリ伝えられているようだ。いいよと答えたがそこで問題がひとつ、町からの正式依頼となると家事一般コースの一般人未成年者な僕は保護者の承諾が必要となるがその保護者が町にいないどころか現在国外なのだ。
てっきり保護者がいると思っていた町長さんが頭を抱えたがそこは裏技があった、僕は中級冒険者の資格も持っているのだ。ギルドを通して依頼してくれたら受けられるのであーる。ということを伝えたら町長さんはギルドに走っていった。ずいぶんとアグレッシブな町長さんである。
依頼を受けることは確定しているので幾つかレシピを書き、女将さんに理解できるかチェックしてもらうと早速試したいと言われその日は夕方から料理三昧だった。しかしだ、朝起きたそばからまた料理をーと言われるといつまでたってもレシピを書き終えることが出来ないのですよ?当然僕は逃げ出した。
逃げ出したはいいがご飯食べていない、ついでだからギルドで朝食を食べながら町長さんの依頼を受理しようとギルドに向かったのである。ここまで語れば皆なんとなく予想つくよね?
ギルドについた僕は他の冒険者に絡まれる・・・ということはなくあっさり以来の受理を終えた。昨日町長さんが駆け込んで概要を大声で語ったことが原因らしい、明日来る6歳児は町おこし用レシピを残してくれる救世主だ、絡んで機嫌損ねたら町から追い出すぞ・・・と目を座らせた町長さんはそれはそれは恐ろしかったそうです。なにそれ怖い、町おこしできなかったら僕呪い殺されるんじゃね?
とにかくそんな怖い町長さんの期待を背負い、せっせと知っているレシピを書き起こしていった、書き方は昨日女将さんのチェック済みでポイントも掴んでいる。朝食も頼んで後はひたすら書いていった。時々興味を示した冒険者のおじさんたちがレシピを覗きこんで自分でも作れそうな環たんレシピを覚えていったのには笑えたが。旅の料理はマンネリ化しやすいそうです。
そんな感じでだいぶ書き終えたところでそのトラブルはやってきた。
僕のような外見詐欺でなければたぶん15・6歳の人種?腰に簡素な剣を持っているので新人冒険者だろう。そこまではよくあることだ、誰も気にしない。問題はその新人と思われる奴が森に一人で行き、森うさぎではなくハーピー討伐の依頼を受けると言ったことだ。
ハーピーは森の上級モンスターだ。知能が高く人語も解するが非常に凶暴で群れで襲いかかってくるためにモンスターに選別される危険種でもある。ギルドの討伐依頼も基本上級冒険者のチーム限定だ。
そんなモンスターに見たところ新人と思われる冒険者が単独で突っ込む?悪夢としか言いようがない。何が悪夢か?そいつの生死は自己責任で終わるが襲われ興奮したハーピーが町を襲いに来ることが悪夢だ、町には冒険者ではない一般人がたくさんいるんだから。
周りは当然止めるよ。単独なんてとんでもない、とにかくチームを組めってね。そいつの実力より討ち漏らし発生の可能性がまずいんだからさ。単独である以上止める事こそ町の正義だよ。
ところがどっこいそいつは聞き入れない、大丈夫だ問題無いとしか言わない。ついに実力行使に出ようという大人が現れた。後は言うまでもないよね?
その新人は大人を叩きのめし、これでわかっただろとドヤ顔して言ったんだ・・・おい、問題はそこ(実力)じゃないよ。
転生や召喚トリップした主人公が初めてギルドに来た時に起こるテンプレ。
しかしトールは華麗にスルーし、代わりのように現れた新人は選んだ対象に問題があった。




