実は成長してます。
黒耀に乗って目指すのは西のガルボイという街だ。ちょっと王都から遠いけど近くに森林が会ってほどよく狩りができる豊かな土地だよ。今回は個々で通称森うさぎ、正式名称グランデッドローズラビットを狩る予定だ。
特徴は名前でわかるかもしれないけど大きなバラのような植物をまとったうさぎ・・・と言いつつ僕の目にはブタに見える、でもうさぎなのだ。大きさは結構大きくて僕の身長・・・はわからないね、6~7歳の平均的な男の子ほどある。味はまあ普通。美味しいのはどっちかっていうとバラのほうかも。
蜜が豊富でとっても甘くて美味しい。ところがそのせいで非常に厄介でもある。近くにハニービー(体長30cmほど)が飛び回っていることが多いんだ。おまけにこの森うさぎ、うさぎのくせしてすごく凶暴。茨まとって突進してくる、威力はあたった大木が折れて倒れるほどです。そしてなんとか避けても今度はハニービーをけしかけてくるという連続技を繰り出す。普通に考えて一人で狩りなんてやってらんないやつだ。
実際森うさぎには専用のハンター業者がいる。おいしいくせに厄介なだけあってそれなりの金額を稼げるからね。今回向かう場所にもそういう業者がいてまずはそちらに話を通さないといけない。場合によってはまあ、雇うわけだよ。今回僕もそうする。ほしいのは蜜と討伐証名部位、後はいらないので引き渡しだ。
黒耀はモリオンとユニコーンのハイブリットなだけあってかなり早い。普通の行程の半分でガルボイに到着できた。途中で黒耀が狩ったククワシ(歩きながらの稲妻で一撃だった、恐ろしい子だ)を専用業者で換金してそれで黒耀に餌を買ってあげる。自分の餌代まで稼げるなんて黒耀は本当に優秀な騎獣である。
雇った業者は3人組だった。狩りの演習だからやってもらうのはハニービーの討伐だ。ハニービーも花に群がるだけあって蜜をたっぷり溜め込んでる。討伐したらしたでその分蜜は手に入るので損はない。ただ狩りの装備だと非常に面倒な作業になるだけだ。
僕の本来の武器は杖=魔力だ。ちなみに杖は禁止されているが魔力は禁止されていない。そんなわけでさくっと落とし穴を掘る。大きさは森うさぎがすっぽり収まりハニービーが手出しできない程度が理想的。進行しているうさぎの足元に一気にほったから成功率は100%だったりする。うん、成功。パニックになる森うさぎ、つられて右往左往するハニービーを業者に任せて僕は影からそっと横穴を掘り進める。
攻撃は穴の上からでなんて誰が決めた、僕はそんな危ない真似はしないよ?穴の上に行ったらハニービーに襲われるじゃないか。そんなこと考えつつ掘り進めること数十秒、森うさぎの首横辺りにポッカリと空いた穴。
そこから手と短剣だけ出してー、はい皆さんあとは分かりますねー?
一気に鎌を作り出して動脈を切断しましょう、ついでにうさぎの足元には小さな穴を開けると血で汚れません。まあ地面の土では汚れてるけど。
横穴から出て森うさぎの様子を見るとまだぴくぴくしているがもうすぐ死にそうだ。僕は暗殺業に向いているだろうか?・・・落とし穴で暗殺業いってても現実味が無いですねすいません。さてハニービーは・・・?もう少し掛かりそうだな。
その間に蜜を採集する瓶や解体用のナイフを準備する。討伐の手伝い?高い金払って雇ってんだ働け。
そんなことしてたら1匹こっちに向かってきた、さくっと燃やしたろーか?このやろう。うそうそ、燃やしては蜜がてにはいらないのでかまいたちで真っ二つにしてみよう。あれ?僕実は一人でいけたんじゃね?
ちょっと悲しい事実からは目を背け、真っ二つにしたハチの毒針を引っこ抜く。そこから出てきたのは毒ではなくて蜜でしたっとな。瓶に詰めてフタをする。取り分?これ狩ったの僕ですから。どうやらハニービーの討伐も終わったようなので森うさぎの死体に近づく、完全に死んでおりますな。討伐部位のバラの部分を切り取って専用の袋に入れて保管する。次に穴を隆起させて死体を出し、お腹のあたりにある蜜袋に切込みを入れて蜜を取り出す。鮮度は抜群だ!
その間に業者さんはさくさくとうさぎを解体して肉袋に詰め込んでいく。ハニービーの蜜は毒針を引っこ抜いた後で下に瓶をおいておけばいいから作業は同時進行で進む。必要分の蜜を採った後は待っている業者さんに場所を譲る。森うさぎの蜜の溜め込み量は半端ないのだ。
この狩りは家事スキルの授業の一環、つまり調理までが遠征です。
その場で火をおこし手早くうさぎの肉(ちょっとだけもらった)をカット、持ってきた塩コショウとお酒で下味をつけて焼いていく。
その間に小麦に水と塩と入れて練り合わせ、こちらも焼いてナンもどき?みたいなものを作る。
肉に焼き目がついたら醤油とはちみつを混ぜたソースをぬって更に焼き、うさぎを探している間に見つけた野草と一緒にナンもどきに挟んでっと。
「簡単サンドイッチ?のできあがりー」
「「「ぱちぱち」」」
業者さんも美味しく食べてくれました。さて、町に戻るか。




