やることは魔術だけじゃないのです
風魔法がまだ検証していないけど外が暗くなってきたから今日はお開きになった。
お互いどう検証するか考えてくることを課題として見送る。グレンさんもこの後は王宮に戻って報告会や通常の仕事を片付けてくると行って出て行った。最近グレンさんの目に隈が目立ってきたので今度睡眠薬入りの差し入れをまた持っていくべきかもしれない。
お茶の片付けをして学校の課題を片付ける。明日の予定をチェックして・・・
「あ」
明日から遠征だった。すっかり忘れてたよ。
実は去年上級家事スキル講座を落とした。いやね?魔術講座が盛り上がっちゃって。
僕以外にも何人も他の講座落とした人がいてちょっと問題になった。主に先生方の人間関係が・・・。
そんなわけで今年は落とせないのだ。こそこそと過ごす先生の後ろ姿はこれ以上見てられん。
遠征に必要な道具をチェックして書き置きもする。考えた検証方法のチェックをお願いしておいてっと。カギは朝一でグレンさんのところに持っていけば問題ないだろう。
森が焼失してから狩りは1周間行程の遠征になった。もちろん他の講義が受けられない。ではどうするかといえば課題提出である。論文課題のところもあれば指定魔獣の討伐もあるし指定薬草の採集、精製作業なんてのもあるので掛け持ちしている人はかなり忙しかったりもする。要するに普通は退屈はしない。
しかし魔術講義が終わっている僕は今は他の講義を受けていない。去年の終わりにお手伝いが決まっていたしその時点で家事スキルを落としているんだ、同じ失敗は繰り返したくない。では僕は何をするかといえば家の本の翻訳である。去年皆で行った翻訳や貸出は全てではない。翻訳は関係ありそうな単語の前後を抜き出したもので完全に訳したわけじゃないし、その後貸し出して皆が翻訳しきっったものは3級のみだ。2級以上は僕が地道にやるしかないのである。
「荷物はこんなものかな?」
食料は現地調達が基本なので(だってそのための授業だし)調達不可能な米や粉、調味料のみ詰め込む。本当は調味料類も現地調達したいところなのだがそれができるのは豊富な資源がある森のみだ、今回の目的地にはない。ああ、王都の森が恋しい。
武器は短剣やナイフ、弓矢のみ許可されている。杖や長剣などはダメだそうだ、基準はわからん。そんな訳で今回持っていくのは媒体がはめられた短剣、ナイフ、後は鉤縄?まあいろいろ役に立つんだ。
次の日は朝早くにグレンさんにカギを預けて兵士宿舎に向かう。モリオンのところだ、なんと去年生まれたモリオンの子供をもらえた。モリオンはウマだけど子供はウマじゃなかった。わけがわからない?僕らに亜種がいるように他の生物にもハーフはいるのだよ。モリオンの奥さんはなんと別嬪なユニコーンだった。あの日の衝撃は忘れない(遠い目)。
とにかく、僕の騎獣はウマとユニコーンのハーフでユニコーン亜種なわけだ。全体的にはモリオンの黒毛を引き継いだようだが背中のたてがみは黒から白にグラデーションがかり、尾っぽは完全な純白だ。そしてユニコーンの名を冠する通り、一本の角がはえている。この色は黒なんだけど魔力を帯びると何故か白の変わる。発光しているだけかもしれないけど。
名前は黒耀、僕の愛馬(オス)です。
「こくよー、お出かけだよ。あ、モリオン元気にしてた?奥さんは・・・お休み中みたいだね」
「ぶるる~」
ちなみに僕は奥さんのユニコーンときちんと対面できたことがない。いつも寝てるか不在なんだ。




