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美系幼児は最強です(主人公のことではありません)

ついにミルクに到着です

さてさて、ようやくお楽しみのミルクの時間ですよ~。本当におなかすきました。

ミ・ル・ク、ミ・ル・ク~♪


「なんじゃご機嫌じゃな?もうすぐ飲めるとわかるのかの?」

そうですよ~、わかりますよ~。だから早く行きましょう。


お爺さんが向かったのは中央の町中にある一軒のお店でした。カントリー風っていうんですかね?緑の屋根が素敵です。

「レイヴェ、ヤギのミルクをくれ」

扉を開きながら開口一番。お爺さんは私を前面に出しながらお店のおじさんに伝えます。

「なんだいきなり。ヤギのミルクは売りもんじゃねぇって、そいつのか?」

「そうじゃ。わしの知り合いでヤギの新鮮なミルクをもっとるのはお主くらいしか知らんからの。ああ、わし用にレッドドラゴンのドラゴンステーキ定食も一つ」

「おお。ヤギのミルクと引き換えにこの店最高値の定食を頼んでくれるならいくらでもだすぜ」

「別にミルクと引き換えに頼むつむりはない。この前ちょっとした臨時収入があってな、たまには贅沢しておこうと思っただけじゃ。これからこの子を育てていくならそうそう贅沢もできなくなるじゃろうしなぁ。あ、ヤギのミルクは定期的にくれ」

「ああっ!?育てるって、一時的な預かりもんじゃないのか?」

「森で拾っての。神託もあったからほかに渡せんのじゃ」

「神託って・・・」

「勘違いするな、神託はわし個人に関係するものじゃ。別にこの子が世界の運命を左右するなんてことはない。それより早くミルクをよこさんか。さっきから腹の虫が泣きっぱなしなんじゃ」

「お、おお。わるい・・・ほれ、ひと匙ずつゆっくり飲ませろよ」


うんうん、まさか身の回りの世話をする人間がいるなんて神託受けたとは言えないよね・・・

あ~、ミルクうまぁ!


コップ一杯のヤギのミルクをゆっくりと飲んでお腹がいっぱいになった私はそのまま心地よい眠りに就いたのだった・・・な~んてな、しっかりおきていますよぅ。情報収集は大事ですからねぇ。

しかし生まれかわってから言葉遣い・・・というか精神が安定しませんね?基本的には落ち着いた丁寧語を意識しているのですがどうも乱れます。神様のところでゲーム三昧だったり、話し相手が若者言葉だったり、肉体が若返ったことでつられているのでしょうか?成長するうちに安定するといいのですが。


「ほれ、こっちはドラゴンステーキ定食だ。ミルク飲ませ終わったんなら赤ん坊こっちよこせ。んで、さっさと食え」

レイヴェさんがお爺さんから私を抱き上げました。むむっ、なんて安定した抱き方っ。レイヴェさん、慣れていますなぁ。妻子持ちですか?

「んで、これからこいつを育てるならいろいろ必要なもんがあるだろ?大丈夫なのか?」

「それなんじゃよ。わしにはさっぱりでな。このあとラーファを貸してくれんか?」

「あ~、ユーリッツの服を買いに行くとか言ってたから大丈夫じゃねーか?ラーファっ、ヴァンの爺がお前に用があるってよ」


レイヴェさんの声で2階から降りてきたのは私より年上の、幼児くらいの子供を抱いた女の方でした。レイヴェさんが茶髪茶目のかっぷくの良いおじさんならラーファさんは肩と腰の間ぐらいの長さのゆるふわ茶髪、こげ茶の瞳をした美女というべき美貌の持ち主です。ユーリッツ君は茶髪に茶目、ただし顔は母親似で将来有望なことが一目でわかります。ちなみにお爺さんは白髪混じりの金髪をひとくくりに結わえており薄い青の瞳ですよ。私の容姿は見てないのでわかりません。どこかで見れたら報告しましょうか。


「ヴァン老師こんにちは、わたしに用事ですか?」

「うむ、実は森でそこの赤子を拾っての。面倒をみることにしたから必要なものを買い出しに行きたいんじゃ。悪いがついてきてくれんかのう?」

「ちょうどユーリッツの洋服を買いに行く所でしたから大丈夫ですが・・・・それより、子供用品なら家にあるユーリッツのお下がりでよければお譲りしますよ?赤ん坊は成長が早いですし、すぐに使わなくなるものを新しく買うのは不経済です。使わなくなったらまた返していただければいいですから」

「おお、それは助かるのう。ならばお礼も兼ねてユーリッツに一着服をプレゼントさせてもらおうかの。確かこの間誕生日じゃったじゃろう?この子とお揃いもよさそうじゃ」

「あら、それはうれしいですね。ユーリッツ、このおじいちゃんがプレゼントをくれるって、お礼は?」

「じーちゃ、あいがおっ」


ぺこりとお辞儀をしながらも舌っ足らずなユーリッツ君かわいいです。お爺さんもメロメロですね。ついでに後ろのレイヴェさんも顔が崩れています。う~ん、美系幼児おそるべし。


かわいいは正義

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