トキシスライムが嫌われるわけ
「あいつらはね、攻撃が一切通じないのよ」
非常に嫌そうな顔をしてラーファさんが語りました。中級冒険者二人も難しい顔をしたまま頷いている。
攻撃が一切通じないとはそのままに意味だった。物理も魔法も、攻撃とされるものはすべて無効化されるらしい。どっかのアンデットか?いや、あいつらは火はよく効いたな・・・・はっ、つい生まれる前のことに意識が。
「じゃあどうやって倒すんですか?」
マーシャが素直に質問すると顔をしかめたまま解毒薬だと答えをもらった。
トキシスライムに解毒薬をぶつけると死ぬらしい。解毒薬がなければ上級だろうが特級だろうがとにかく逃げるしかない。それがトキシスライム。それ中級モンスター指定でいいのか?
「あ、解毒の魔法は?」
僕がマーシャに教えようとしてたことを思い出して質問すると、効果はあるが倒すには至らないらしい。それやっぱり中級指定おかしいよね?
「薬ってところが大切みたいなのよ。だから解毒魔法+回復薬なら殺せるわ」
手持ちの回復系アイテムをことごとく消費に追い込んでくるモンスターだから毛嫌いされるんだって。
「今の手持ちだとちょっと心もとないからなるべく逃げる方向で進みましょう」
各自手持ちのアイテムを確認し、僕の魔力残量も確認してラーファさんがそう結論付けた。いつもなら王都まで余裕で持つ回復薬の量が足りないと判断されるとか。やっぱり中級指定おかしいよね?なんで上級じゃないのさ。
「そんなの、解毒薬さえあれば素人でも殺せるからに決まってるでしょ」
攻撃を一切無効化するこのスライムは解毒薬に対し初級スライム並みに弱かったらしい。
「今年は王都近くの森が壊滅状態なのに活性モンスターがトキシだなんて。魔法薬系アイテムの高騰は必須ですね」
「王都近くよりここら辺の方が薬草も見つかりやすい。少し遠回りだが休憩中に採集して行った方がいいかもな」
「休憩場所付近で薬草なんて生えてますかね?」
「少し奥まったところで・・・・」
すでに冒険者を引退した、今回臨時で復帰したに過ぎないラーファさんと違って現役冒険者の二人は真剣に話し合いをしている。ユ―リッツも今後冒険者として活動して行くから真剣に話を聞いて積極的に質問をしているみたいだ。
こちらはこちらで牽制程度にはなるならとマーシャに解毒魔法を教えてみた。
「呪文は・・・・・でイメージは・・・・・・」
ん?ちゃんと書け?いやだよ。呪文って厨二くさいんだ。恥ずかしいんだよ。
まあイメージだけ。大雑把に言うと体に付着した毒素を燃やすイメージだ。だから火属性の魔力が主体になるというわけさ。ちなみに似たようなイメージで消毒がある。こっちは水属性魔力が主体で洗い流すイメージだ。
こんな感じで回復系の魔法は用途によって使う魔力の属性がころころ変わる。そのため回復魔法を完璧に使える人材が少なくなるし、初級の回復が使えないからほかも無理だみたいに思って実は使えるということに気付かない人が多い。
言われた通りにマーシャが魔力を錬る。大分細かくイメージを伝えたおかげか赤い魔力の中に白の魔力が編みこまれ、綺麗な魔法陣をかたどりかけたところで・・・きえた。対象もないから当たり前だけど。
マーシャは何となく手ごたえを感じたようで何回か繰り返した後、こちらに頷いた。うん。これで解毒要員が増えたね。
節約のために使っていませんが中級二人は解毒魔法使えます。ラーファさんは使えるけど苦手。ユーリッツはラーファさん似なので火属性が足りなくて使えません。逆に水魔法主体のものは得意です。




