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冒険初級ミッションその2:ウルフが現れた

 スライムを倒して少し進んだ水場。僕らは馬車をとめて緊急会議を開いた。


「車酔いで戦力全滅ってないと思うんだ」

「予想外な失態よね。これなら外を歩いた方がいいかもしれないわ」

「体力的な問題は?」

「酔って倒れてたら一緒でしょ?戦闘時に動ける分歩いて疲れた方がマシよ」


そんなわけで町に着いたら馬車は改良。それまでは基本歩きで進むことにした。


「なら一人はモリオンに直接乗せて進もう。そうすれば一人は休めるさ」


アルフさんとモリオンの好意で一人休めることになった。みんなの視線は僕とマーシャに向かう。


「・・・マーシャから休む?」

「しばらくは歩きたい・・・かな?」


まだ酔いが完全にさめていないらしい。

モリオンの上に乗ってのんびり進む。確かに馬車にいるより居心地いいよね。


のほほんとしていたら視界の隅になんか映った。


ウルフがあらわれた。というやつだ。

5体の群れかな?姿勢を低くしてこちらに忍び寄ってくるんだけど・・・

ごめん、僕の位置から丸見えだわ。


「ラーファさん、左草むらにウルフ5体」

「ユーリッツ、マーシャ。二人で倒しなさい」


 ウルフも初級モンスターだから訓練代わりに使われてる。だってダットさん一人でも瞬殺できちゃうし。初めてパーティー組むメンバーは敵の弱い今のうちにお互いの連携とか、戦い方を確かめたいって面があるよね。


「マーシャ、俺は前衛で剣で戦う。援護頼めるか?」

「え、えっと、『ファイア』の威嚇でいいのかな?」


あちゃぁ、マーシャは思ったより連携慣れしてないなぁ。講義中どんな扱いだったんだろ?


「ユーリッツ、マーシャを攻撃主体にしてあなたが援護に回りなさい。マーシャはとりあえず戦いやすいようにやってごらんなさい。それでこれからのことやアドバイスを行うわ」

「「はい」」


 マーシャが全体を炎の範囲攻撃で焼き払う。前衛のウルフ3体はこれでもろにダメージを受けて動けない。

後衛のウルフが前衛を縦にして炎を回避した後、二人に向かって襲いかかる。仲間盾にするなんてえげつなっ!


 ユーリッツは自身に襲いかかって来たウルフを切り捨てながらマーシャに襲いかかったウルフに向かって短剣を投げつける。ウルフはそれをよけて後退。次の呪文を唱えていたマーシャがこれに火を放って焼き払う。あとは前衛だったウルフにとどめを刺して今回の戦闘は終わりだ。うーん。なんかなぁ?


「なんかちょっと無駄遣いが多い気がするわね」


 そうなんだよね。使う魔法の選択がちょっと効率的じゃない。でもそれより・・・なんか違和感。何だろう?


「あと、マーシャちゃん。突っ立ってるだけじゃ死ぬぞ?」


 ああ!そうだ。マーシャってば始めから終りまで一歩も動いてないんだよ。魔法使いだろうがなんだろうが敵の攻撃や味方の防御など戦闘場所ではとにかく動きまわるのが基本。なのにマーシャはまるで動いていない。それは護衛される人間の動きだ。まさか・・・?


「マーシャ。君・・・初級でどういう扱いを受けてるの?」


 深刻な問題が出てしまった。僕の心配が杞憂に終わってくれることを祈る。



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