まさかそれで同情されるとは
「かあさーん」
ユーリッツに猫のようにプランと持ち上げられながら進むこと5m、どうやらラーファさんが近くにいるらしい。
目立つからいい加減やめてほしいのだが・・・
「あらトール君、見事に猫扱いね」
コロコロと笑う声が後ろから聞こえます。あなたの息子がやっていることですよ注意してください。
「ふふふふ、ユーリッツ、そろそろ放してあげなさい」
ようやく放してもらえました。まったくふざけ過ぎですよ。
「なんで敬語なのかしら?」
「ちょっといろいろありまして。もうすぐ戻ると思いマス」
恐怖の大魔王は僕に後遺症を残して行きマシタデス。
ところでね?さっきから後ろをついてきているマーシャがユーリッツの行動にドン引きしているのですがね?
「え?マーシャ!?」
慌てて振り向くユーリッツ、さっと目をそらすマーシャ。そりゃ人間を猫持ちしたらねぇ?
「ちょ!?え?誤解だからな?変な想像するなよ?あれ?変な想像って何だ?」
「ベツニナニモカンガエテナイヨ?」
「片言!言葉片言になってるから!?」
「ほんとに変な想像はしてないから。ちょっとすることにドン引きしただけ」
「余計ひどくなってないか!?」
さてコント「コントじゃねーよ!?」はほっといて・・・
ラーファさんの他に2人いるということはこの人たちが中級冒険者さんかな?
僕の視線に気づいたのか挨拶してくれたよ。
「はじめましてだな。俺はダット。中級冒険者で盾職だ。攻撃なら槍だな」
「私はカノン。同じく中級冒険者。職業は狩人で遊撃担当だけど剣もできるわ」
ダットさんはがっしり体系で全身鎧に大きな盾と槍を背負っている。おそらく人種?茶髪で瞳はうすい緑。光加減で青にも見えるかも。
カノンさんはこちらも人種。動きやすさ重視の軽装で、スカートのスリットからのぞく足が非常に色っぽいです。髪は腰まである金に近い茶髪で後ろに結いあげてる。瞳はこちらも金茶だね。
「はじめまして。僕はトールといいます。職業はまだ決まっていないのでなんとも・・・冒険者コースでは攻撃魔法担当でしたが回復系も使えます。このメンバーなら僕が回復担当した方がいいのかな?」
最後の言葉はラーファさんに向けたものだ。見た目的に僕が物理攻撃を行うことはみんな想像できないだろう。ユーリッツは剣を使うしマーシャは火属性魔法が得意だったはずだからこのメンバーでは僕が担当するのが自然だ。あっさり頷かれた。
「トールはかなり魔力高いからね。たしか制限なしならたいていの魔法を使えるんだろう?回復や付与魔法が使える奴がいるとかなり楽だよ」
「はぁ、ラーファがユーリッツに連れて来いっていうからどんなやつかと思ってたが・・・こんな子供がねぇ。シン以来の天才児ってやつか?」
「シン兄ちゃん知ってるの?」
「あいつは有名だよ。10歳で入学したと思ったら半年で王宮魔導1番隊入り内定だ。当時天才が現れたってかなり噂になったぜ」
へぇ、思わぬところで知り合いの過去を知っちゃったよ。これ今まで話題にならなかったってことはあんまり言われたくないってことかな?
「あ、僕こんな見た目ですがクウォーターエルフなんで。天才児ではありません」
「あら?その外見だと珍しいわね?エルフの特徴が全く見られないけど・・・人種の血が濃いのかしら?それにしては魔力は高いと・・・精神年齢も高いわよねぇ」
おう、天才児否定したら別のところで食いつかれた。でも問題なし。お爺ちゃんたちが夜なべして(笑)考えた設定に穴はない!
「エルフとしての特徴が外見年齢に現れたんです。僕実は15歳なんですよ。あ、精神的にも15です」
「「15ぉ!?」」
「・・・苦労してんだな」
「精神は15で身体は5歳って・・・思春期にはきつくないかしら?」
変なところで同情された!?




