ピンチです
シュジンコウハサクランシテイル。
ピンチです。困ったレベルではなく本気にピンチです。生後数日ですが今後あわせても人生最大のピンチと断言できますよ!本当とかいてマジでピンチだ助けてかみさまぁ~。
只今野犬?にのし掛かられていますよ。くんかくんかされていますよ。ちょ、やめて、私は美味しくないから、なめてもばっちいだけですよ。お腹壊すから。ね?ほら食べるのはやめよう?そのほうがきっといいよ。私のために!いやぁ~、だれかぁー。
「『炎』槍」
うわぁい、野犬が吹っ飛んでいったよ。鼻先に炎の塊がかすめていったよ。死を錯覚したからね!?
「何でこんなところに赤ん坊がおるんじゃ?誰かの忘れ物か?」
赤ん坊忘れる奴がどこにいる!?
「ん?こいつは妖精の亜種か?ならやっぱり忘れ物かのぅ?」
妖精って赤ん坊忘れていくの!?
知りたくなかった事実だよ。私って捨てられたんじゃなくて忘れられたんだ。どっちがましかしら?
「それにしても身の回りの世話に役立つものと出会うと神託があったから来てみたんじゃが…、おるのは妖精の忘れもんの赤ん坊とは。わしの嫁さんはどこにいったのかのぅ」
神託詐欺じゃなってお爺さんが呟いてるけど、えっ、これって神様の仕業?助けてくれたんだね神様ありがと~。本当によかった、本当に死ぬかと思った。救出方法もちょっと死ぬかと思ったけどここに人がいるだけで気にならなくなるよ。
あとお爺さん、私は育ったら身の回りの世話の役に立つから神託詐欺じゃないよ。まだ取得できてないけど家事一般を特技として持たせてねって神様にお願い済みだから。前世ではほとんど出来なかったから不安でつけてもらったんだよ。チートスキル扱いだから期待してくれてもいいよ~。まあ性別ないらしいし嫁にはならんがな。ちなみに前世は男でした。孫までいて大往生したよ?
ああ、混乱していたから言葉づかいが乱れていますね。孫をもつ大人としてきちんとしなくては。子供は大人の言葉づかいを真似しますからねぇ。
ところで私はお爺さんに拾って頂けるのでしょうか?
命は助かった主人公。助けてくれたのは格好いい青年でも美しい女性でもなくいい歳して嫁さん探しにきたお爺さんでした。